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#13 思わずキュンとした異性の言動

うちの会社はいくつか拠点があって、
各オフィスにはサテライトスペースがあります。

本拠地は別オフィスだけれど、打ち合わせなどで
訪れたときに自由に使える、PCとプリンタが並ぶちょっとしたスペース。

今から数年前、打ち合わせ帰りにサテライトスペースに立ち寄った日のこと。
本拠地じゃないし、1日中いるならまだしも大体は短時間の利用なので、知り合いに会うことってなかなかないのですが。

その日は、別の部署の男の先輩に遭遇。

思わぬ場所での、思わぬ出会い。

妙な嬉しさとドキドキがありました。

「なんでいるんですか!?」なんて少しだけ会話して、それぞれの席について。
どちらが先に帰るのかな…と思いながら、少し集中力が欠け始める私。夕方だったので、タイミングがあえば一緒に帰るなんて展開もあるのか?と勝手に妄想もしていました。

一体何を期待していたんだろう。

一度トイレに行って席に戻ると、
先輩の姿はもうありませんでした。

まあそうだよね、と勝手に想像を膨らませていただけに少しだけ落ち込みつつ、ふと机の上を見ると
そこには置き手紙と、雑多に置かれた数本のルマンド。


「お疲れさま!よかったらどうぞ」


仕事中にお菓子をもらうシーンは割とあるけれど、
サテライトオフィスでもらうのはあまりにも非日常的だし、しかも、異性の先輩からの「置き手紙付き」なんて初めての経験でした。

置き手紙の威力って、大きい。
直接言われるよりも、はるかに大きく不思議な威力が手書きの文字にはある。

そのとき感じた嬉しさを一瞬のキュンで終わらせるのはもったいなくて、しばらくその文字を見つめて余韻に浸ってました。


今でもルマンドを見ると、あのサテライトオフィスを思い出しつつ、少しだけ甘酸っぱい気持ちになります。

久しぶりに1本、食べてみようかな。






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