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ニンジャスレイヤー ネオサイタマ炎上(Switch版)をクリア

原作は三部作以降(AOM)あたりからちゃんと見始めたニンジャスレイヤー。物理書籍は買ってないけどnoteの有料会員には入ってる。今年で連載14周年で物理世界で読んでるという人はあまり見かけない一方、ミームとしてはウマ娘とかブルアカとか女神転生とかハケン級コンテンツにも出てくるあたり、まさにニンジャのような裏のハケンとなっている印象がある。

そんなニンジャスレイヤーのロックマンめいたアクションゲームとしてまさかのニンテンドーダイレクト発表、そして発売されたので決断的に購入したかたちだ。

👮‍♀️良い感想

「イヤーッ!」「グワーッ!」「Wasshoi!!」などのカラテシャウトが飛び交うアクションゲームというだけでもう割と面白いあたり原作が強すぎる。ロックマンめいてるとは言ったが敵の接触ダメージはないので割とクローンヤクザやヒョットコといったザコは蹴散らしながら進める。ボスを倒すたびにライフが増えていく形式のせいもあって、序盤は割とすぐしぬ。しかも原作コミカライズでは最初期に戦ったクラウドバスター=サンのステージは落下死ステージなこともあって原作準拠でこのステージを2番目に遊んだ結果、かなり苦戦は強いられた。だがコンティニュー自体は無限で可能なため「1回のプレイでクリアできなければ100回プレイすれば良い」の精神でなんとかクリアできた。実際終わってみれば程々の歯ごたえで遊ぶことができたと言える。クラウドバスター=サン以外のステージは大体1面5~10分以内でクリアできた。

一番苦戦したステージリザルト

原作第一部の再現度はなかなか良い。電ファミ=サンのインタビューによると当初は原作のセリフまま使う予定が原作チームによりゲーム用に書き直されたとのこと。最終決戦のトコロザワピラーでは「そこ再現する!?」という部分も再現されている他、インターラプター=サンとの共闘や爆発四散しないところやイカを食ってる間は無防備になって瞬殺できるバイオスモトリやアンブッシュを受け背景で数回バウンドするフォレスト・サワタリ=サン(シルエットのみ出演)などなど。原作を知ってないと楽しめない部分もあるかもしれないが、知らなくてもステージ開始時やボス前の短い会話シーンで存分にニンジャスレイヤー第一部の妙味がギョッと濃縮されているので十分に味わえるのではないか。

あと音楽はマジでいい。全編良い。疾走感に加えてコケシマートのステージではスーパーで聴こえてきそうな音楽から入るなど特徴をよく表していてこだわりも感じられる。

👮悪い感想

一言で言うなら全面的に荒削りではある。グラフィックの荒さやニンジャスレイヤー=サン以外にボイスが無い(アニメとも声優が違う)などのあからさまに予算が少ないと感じる部分もあるのだが、それ以上にアクションゲームとしては大味。攻撃時も被ダメージ時も手応えがほとんど無く、スマブラやカービィを作った桜井政博=サンが遊んだら渋い顔をされる部分も多いのではないか。

手応えの無さもだがゲーム全体でカメラが絶妙に近いためか、どのボスもよく画面外へでて見失うしステージの地形もわかりづらく初見では落下死するのかどうかわからない場面も多かったのは単純のストレスっだった。ボス戦は割とナラク化に頼ればゴリ押しできるのだが、クラウドバスター=サンやヘルカイト=サンのような空中を飛ぶボスは画面外のどこにいるかもわからず空中で攻撃があたっているのかいないのかわからないまま一方的にダメージを受けてまともに戦った気がしない。ステージもコンティニューが無限にできる一方で何処がコンティニューポイントになってるかはしぬまでわからず頻度が微妙に少ないので場面によってはけっこう前に戻されることも。

そういった手応えの悪さと初期のHPの低さなどから体験的な第一印象は悪くなりがちなのもワカル。

また多彩なアクションがある一方であまり有効活用できる場面が無かった。フックロープやアラバマオトシは一度もまともに使う場面が無かったしタツマキケンは足場の悪いところで初めて使ったら落下死した。ニンジャダッシュ以外で有効だったアクションは白や金のヤクザなど固いザコ相手にドラゴン・トビゲリやポン・パンチで短縮したぐらいだろうか。ヘリはチャージニンジャダッシュで激しく上下に動いていれば簡単に撃墜できた。原作では頻繁に使われるスリケンも弾数制限が厳しくすぐアウト・オブ・アモーになる上に威力も低くあまり使えなかった。せめてスリケンは弾数やライフを消費しての補充でなく一定数までは自動でリチャージされるとか、それこそロックマンめいてチャージしたら威力と貫通料が上がったツヨイ・スリケンになるとか、追加アクションで一定弾数以上の状態で二段チャージができてヘルタツマキで残弾すべてを消費して画面全体へ攻撃するとかあったらなぁとか、原作ファンならまだまだやれたことはあっただろうと思うことは必至である。

ラストステージであるトコロザワピラーの決戦がボス戦のみであるのも原作準拠ではあるがアクションゲームとしては物足りない面も。逆にここに関しては原作を知らないと拍子抜けかもしれない。ラオモト・カンとのラストバトルでもナラク化が自分で制御できるようになってるなどのゲームならではのシステムと演出があったらなぁと思わざるを得ない。

🐏未来へ

なんだかんだニンジャスレイヤーのアクションゲームとしては一定の完成度にはなっていたと思う。条件がわからないシークレットミッションやアチーブメント集めまでやろうとは今のところは思っていないが。

仮に続編があればもう少し洗練されて完成度が上がるだろうか?その時は第二部を舞台としたゲームになっているだろうか?原作の第二部コミカライズが現在15巻まで出ておりシャドー・コンが始まったところ。それが終われば大きな展開としてはランペイジとの決着とキョート城を残すくらいであろうか?順当にいけば20巻かそこらまでで完結しそうではある。

今作では8体のボス+トコロザワピラーでダークニンジャ、ヘルカイト、ゲートキーパー、ラオモトの4体で合計12体。原作ではもっと多くのエピソードやニンジャが登場してるわけだが「ニンジャスレイヤーが直に相対した描写がある中で爆発四散(あるいは決着)したニンジャ」だと以外とこれくらいだったかもしれない。

第二部についてもガンドー=サンやヤモト=サンが活躍するエピソードが多く、ニンジャスレイヤー=サンが直に戦っていてボスになりそうな8大ボスニンジャとなると・・・

・ブラックドラゴン
・レッドゴリラ
・イグゾーション
・イヴォルヴァー
・マスタートータス
・ダークドメイン
・サラマンダー
・ランペイジ

これくらいなのでは?キョート城でデスドレインやロード・オブ・ザイバツとの決戦もあればちょうどアクションゲームとして良さそうである。

ニンジャスレイヤーはアニメイシヨンも第一部だけされているが、その出来は賛否があるものだった。第一部自体がレガシーな、あえて古臭くチープにしている面もあり、アニメイシヨンも本作も少なからずそういった面はあるのだが・・・故にあまり広く受け入れられずに続きが作られていないような感じがしないでもない。

とはいえ、ニンジャスレイヤー界隈自体は14年経って尚、勢いはじわじわと増してきている。今回のゲーム化の前にTRPG化やTCG化もされており、コミカライズ第二部も順調な様子。原作最新連載でも14周年記念で大いにファンを阿鼻叫喚湧かせていた。

ここまで安定して長く続けられているコンテンツは昨今では珍しいし、個人的には好ましく思う。というのも、昨今の多くのコンテンツが「推し」とか「ガチャ」とか高速で生産と消費を繰り返しているものが目立つからだ。この点はファン・コミュニティに対するガイドラインなどを見ても原作がかなり気を遣っているように思う。焚き火で可能な限り長く効率よく火の勢いを調整するが如く。

そんなわけなので第二部やその先のより洗練されたアクションゲームがこの先作られることも気長に待ちたいと思う。

原作もプラスも、しよう。

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