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枠組みから外れていく事の弊害

自分でも福祉の枠組みを外す、とかいろんな分野の福祉人とのコミュニティを作ったりとしていますが、ポジション的には縦割りの制度や仕組み、枠組みに対してやや批判的なポジションになってしまうんですが、先日とあるツイートを見て考えさせられたことがあります。
 
 
縦割り、つまりある種専門特化した分野での力が不十分な中で制度の横断とか枠組みを外す、って本来はめちゃくちゃ難易度が上がるんですよね。
ちょっと厳しい言い方になるのかもしれませんが、枠組みを外すというのはつまり「枠組みの中だけでは収まりきらないもの」を知っていて初めて考えられることなんじゃないか、と思うんです。
 
 
制度や仕組みという枠組みの中で出来る事、しておくべき事、支援者という立ち位置で見るならば、ある枠組みの中で十分な力を得られていないのに、まだまだ枠組みの中のことさえもこなしきれていないのに、枠組みのことを十分に理解しきれていないのに、一体何を外していくんだ、という話ですね。
 
 
僕も決して偉そうなことを言える立場ではないんですが、それでも自分のメインの軸足は確かに縦割りと呼ばれる領域にあります。自分の活動の展開は全てそこからの延長線上にあります。
逆説的かもしれませんが、枠組みがあるから「枠組みから外れる」ことができるんです。
基礎があるから応用ができる、というやつです。
 
 
難しいところですが、この基礎をきちんと得られていない、もしくは得られていないことに無自覚なまま枠組みから飛び出してみても制度を横断してみても、解像度の低いクリティカルさに欠けたアクションにしかならないんじゃないかと思います。
 
 
あまり説得力はないかもしれませんが、こんなあちこちフラフラとした活動をしている僕ですが、それでもやっぱり自分の基礎にあるのは「たった1人の支援に丁寧に向き合うこと」です。
調子が悪かったり、行き詰まり感を感じたり自分が浮き足立っているなぁ、と言うことを実感するたびにここに立ち返ることにしています。
 
 
自分のルーツはどこまでも「いち支援者」であり、その方の人生に真摯に向き合うことであり、僕であれば就労支援という枠組みの中でまず必死に向き合うことなんです。
 
 
そのプロセスをぶっ飛ばして枠組みを外すなんてことはおそらくできません。
それって自身のスキルのなさを誤魔化す手立てにしか過ぎなくなるかもしれません。
「制度を横断して多職種連携」なんて言ってみても、そもそも自分の領域ですべき支援がまっとう出来ていないのに他の職種に「連携」と称して丸投げになってしまうなんてことだってありうるわけですよね。
 
 
なんとなく「既存の福祉制度の枠組みを飛び越えて」みたいな概念だけが一人歩きしてしまう、というのはあまり本意ではありません。
枠組みを飛び越えるありき、ではなくまず枠組みの中のことは全て押さえた上で、他に選択肢がないからこそある種「やむを得ず」枠組みを飛び越える、というのが正解だと思うんです。
 
 
自分の足元が疎かなままイタズラに階段だけ登ろうとしたらどこかで足元から崩れていきます。
この辺りは難しい塩梅なのかもしれませんが、きちんと整理しておかないといけないな、と思います。
 
 
そんな話を音声でしています。



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