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「業界知識ゼロの状態からどうドメイン知識を習得したのか」GovTechのSaaSサービスデザインについて

こんにちは。株式会社WiseVineでデザイナーをしている飯塚(@mrkiizk)です。
to B SaaSデザインに携わる中で、「そんな内容人生の中で聞いたことないよ!」というお題に遭遇することがあります。
特に現在のGovTechというドメインを扱うようになってから、内容が複雑そう・難しそうという声を結構耳にするようになりました。デザインのために、どうやってドメイン知識を獲得しているのか?何をどうやってデザインをしているのか…?と言った質問をいただくことも。

私自身、現在の会社に転職するまでGovTechにもGovermentにも特に深い縁があったわけではありません。今回は、業界知識ゼロの状態からから、どんな活動を介して業務知識を獲得しているのかをご紹介できればと思います。


前提: WiseVineとは?

一言で言うと、各自治体の中で、政策〜事業とそれにまつわるお金(予算)のPDCAを回す業務を効率化するためのプラットフォームを開発・提供しています。
「Build and Scrap」というプロダクトを提供しているのですが、その名の通り、(最終的に)政策の立案や統廃合をより促進するためのサポートをすることを目的としています。

プロダクトの主なユーザーは、自治体の財政課(予算編成から予算執行、決算分析など、自治体の財務に係る業務を担当している課)の方々や、原課(各事業を担当している課)の方々となります。人数比率は勿論下がりますが、知事・副知事といった方々もユーザーとなります。

方法1: 業務エキスパートとの社内壁打ち

WiseVineのPdMには、過去に財政課や原課に在籍されていた方々がいます。
そうした方々とデザインを進める場合、(話の始まりはUIの相談でも)なるべくその案を必要としている業務の流れや背景まで遡って目線を合わせる様に心がけています。
正直、入社直後の頃はペインがうまく捉えられてないことが殆どでした。(今でも劇的に精度が上がっている訳ではありませんが)そこから、PdMのHowを具体化するサポートをしながら背景を深掘りして…という、具体化と問を繰り返す過程を介して、プロダクトの輪郭や、業務のイメージを掴んだり、繋げたりして行っています。

方法2: 簡易なブループリントをベースにヒアリング

簡易なブループリントをまずは一人で描いてみて、そこから社内のエキスパートの方や自治体の方など、徐々に壁打ち相手を広げながら解像度を上げています。
ブループリントのアウトプットに価値があるというよりは、書くために話した時間に価値があるものなので時間はかかります。ただ、これによって私自身は勿論、PdMや自治体の方など、業務知識をすでにお持ちの方同士の間でも色々な認識の齟齬に気づくことができた感触があります。

方法3: huddleで擬似的に「ちょっと今いいですか」

関係値が為せる技ではありますが、slackのhuddleで自治体の方に個別ヒアリングさせていただくこともあります。(増やして行こうとしている所でもあります)
weeklyなどの会議体は、どうしても大きな会議室でオンライン越しに向かい合うようなMTGになりがちです。しかし、オフラインでふらっと席に行って話すように、個別にヒアリング出来る流れを作って行くことで、深めな話や細かく具体的な内容を質問&話しやすくなる印象があります。

反面、ログの残し方や展開の仕方は工夫が必要で、現在ログの管理・活用法を模索している最中です。所謂Research Opsに繋がる話になるかもしれません。

方法3.5: ユーザーの近くに移住

WiseVineでは、何人かの方がユーザーとなる自治体に引っ越したメンバーもいます。私自身は都内在住で小さい子どももいるため出張ベースですが、対面のコミュニケーションの機会を増やすことでドメイン知識を増やす(と、ともに勿論仕事全体を進みやすくする)といったやり方を取っている部分もあります。
移住と聞くと大イベントではありますが、エスノグラフィーという意味では、とてもいい環境なのではないかなと思います。

方法4: 本を読む

最後は身も蓋もない方法なんですが、素直に本を読んで勉強もします。
普通に難しい本も多いのですが、社内のドメインエキスパートの方々のおすすめの本を、ライト目な方から読み進めています。

最初の一冊目はこちらでした。比較的さらっと読めます。

今読んでいる1冊なのですが、かなり難解なためゆっくりなペースでなんとか読み進めています…。

代表の吉本が元々ハイエクという経済学者に影響を受けているということで、ハイエクの本も読んでみたり。ユーザーの知識とは少々違いますが、プロダクトにどんな哲学が影響していて、どんな状態をめざしているのかというイメージに繋がりました。

最後に

ドメイン知識、一朝一夕で獲得できるものではありません。多分苦労してるデザイナーの方沢山いるのではと思います。

ただ、デザイナー独特のデザインナレッジだけでなく、ユーザーの方の業界知識にも深く潜って行けるのは自社サービスデザインの面白い所ではという気がしています。私自身、まだまだ知識が足りないなあと思うことばかりですが、地道にインプット/アウトプットを繰り返しながら、価値のあるサービスデザインにつなげていきたいです。

そんなWiseVineでは、現在まだまだ一緒にサービスを作っていけるデザイナーの仲間が不足しています。デザインの力で、行政での働き方をもっと良くしていきたい!という方はお気軽にご連絡いただけると嬉しいです。



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