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自分がASDだなんて知らなかった。そもそもASD――アスペルガー症候群とは何なのか

 私はASDだ。それが分かったのは大学卒業後、医師と様々な相談を交えてからのことだった。自分が異端だと言うことは分かっていたけれど、自分が発達障害だったなんて知らなかった。勉強は出来ていたし、文字が読めなかったり、授業中席を立つなんてことはなかった。
 しかし、ASDだった。調べれば、おおよそ全てがあてはまり気持ち悪くなった。

 ASDの名前が有名になっているので、ASDと文面では伝えているが、ASDは自閉スペクトラム症の別名であり、自閉スペクトラム症には自閉症、アスペルガー症候群の分類がある。……らしい。
 私はASDの中でも、アスペルガー症候群だ。自閉症のように言語発達の遅れは少ない。社会性の欠陥が強く見られる発達障害だと思ってほしい。見た目健常者、中身欠陥だらけ。

 アスペルガー症候群には主に4つの分類があり、①受動型、②積極奇異型、③孤立型、④形式ばった大仰な型があるという。そのどれにも心当たりはありすぎるほどにあったが、④の傾向が私は強かった。
 ④形式ばった大仰な型は、上記3つのタイプが成長した、思春期以降に見られるものらしい。『自分が人と異なっていることに気づき、非常に努力をしてルールを学び、それをきちんと守り、過度に礼儀正しく振る舞おうとする』のがそのタイプの特徴だ。
 当てはまりすぎていて、自分を知っているのだろうかと思ったレベルだった。周りに合わせるために自分のエネルギーのほとんどを使って、家ではもうボロボロになっている。立ち上がる気力も無く、ほぼ眠っていた学生時代の私は、おかしくなんてなかったのだ。
 上記3つを知りたい人は検索してみると、詳細がよく分かるはず。
 簡単に言うなら、①受動型――おとなしくて自分の気持ちを言えないタイプ、②積極奇異型――自分の思うようにすべてを動かしたい自己中心的タイプ、③孤立型――孤独でも問題ないと考えているタイプ。
 小学、中学は②、③の特性が非常に強かった。

 自分がASDなのか、性格なのか分からない人は、親や周囲の人の話を思い出してみたりするのも良いはず。赤ん坊の頃の自分は偽ろうとしても偽れないので。

 ASDの乳児期は、あやしても笑わない、泣かない子で手がかからない、授乳しているときに目が合わない傾向があるらしい。
 私も同じで、母によると大して泣かずに、よくねむっていた子どもらしかった。指しゃぶりもしなかったし、指さしなども無かったとのこと。人に興味のないアスペルガー症候群の分類に含まれる行動だ。
 集団の中に入ろうとしなかったり、一匹狼の経験をしたことがあり、それが全く苦では無かった場合ASDの可能性大だ。
 私の場合は突然泣き出したり、集団の中に居ると耐えられなかったりする。寮の飲み会で、体調が悪くなることもあった。

 社会性の欠陥と言えば、言い得て妙だが、人との集団生活にもっとも向かないのがアスペルガー症候群だと思う。一見は健常者、言葉も伝わり、学習的にも問題は見られないが、思考が違う。話が通じない。まるで宇宙人。

 アスペルガー症候群は、社会に出てはじめて発覚することもある。私はそのタイプ。子どものころに訓練していれば、まだ修正が効く部分もあるようだが、もう手遅れ。社会に出て野に放たれた自覚していないアスペルガー症候群の大人――特に②は他者に与える害は大きいはずだ。①はいじめられる。
 普通に生きたいだけなのに、なぜか傷つけ傷つき合う関係性になりがち。もう死んだ方がマシと思うことも多い。
 
 しかし、アスペルガー症候群のひとの気をつけるべきところなども書籍にまとめられていたので、それを参考にがんばっていきたい。

参考文献『こころのクスリ BOOKS よくわかる女性のアスペルガー症候群』(2019)司馬理英子 株式会社主婦の友社

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