宿泊業界のオペレーションの要は清掃
こんにちは!
WISE OWL HOSTELS KYOTOのトモです。
コロナになってから非接触が叫ばれるようになり、世間ではクリアシートを張り巡らしたり、衝立を置いたりして対策したり、接客しないレベルにまで進んでますね。
如実に現れているのがレジ。スーパーもコンビニも服屋さんもセルフレジ導入したり、バーコード読み取りだけは人がやるけど、最後のお会計は自動釣銭機みたいなところが増えました。
後は、基本的に店員が声かけない、またお客側からもなるべく声をかけないようにというアナウンスが流れたりしていますね。
これは一つに非接触を推進する動きであるのと同時に、もう一方でどの業界も今まで通りのオペレーションを維持することは難しくなったので、どうしてもオペレーションを縮小せざるを得ない。その流れからの機械化だとも思います。
宿泊業界でも非接触化、機械化
宿泊業界も例外ではなく、非接触化、機械化が進んでいます。
特に宿泊業界のお仕事って非接触にしやすいというか、主な業務がチェックイン作業、チェックアウト作業、その他観光を含めた案内対応、アメニティ類の販売、そして清掃。
もちろん、裏側では他にもいろんな業務はありますが、対お客様の業務としてはメインはこんなものですよね。
すると、チェックイン作業もチェックアウト作業も今の時代機械でできてしまう。飛行機に乗るときの自動チェックイン機と同じようなもの。
※上で「ホステル」と言わずに「宿泊業界」としているのは、旅館業法によって簡易宿泊所は対面によるチェックインが義務付けられていて、全ての施設がそのようにできるわけではないので、大きなくくりとして宿泊業界としています。
観光を含めた案内については、今は一人一台スマホを持っているので、特に日本人の方から質問されることは結構少ないように思います。
コロナ前は多くのインバウンドが来ていたので、外国人はどうしても現地に住む日本人にローカルな情報を教えて欲しいので、よく質問に来られていましたが。
アメニティ類の販売に関しても、自動販売機を置けばおしまいですね。
こう考えると、ほとんどの業務は非接触にできるし、しやすい。
じゃあ、今までなんでそうしなかったのかというと、設備投資が高額になる分、機械を購入して導入するよりも、結局人がさばいた方が安いからかなと思います。
後、宿泊業はOTA、PMS、サイトコントローラー、レジ、カード発行と色んなシステムが複雑に連携していて、ゲストもその時その時で事情が変わりやすかったりするので、人がやる方が臨機応変に対応しやすいというのもあると思います。延泊減泊したい、ベッドは上段がいい下段がいい、実は予約AとBが友人だから同じ部屋にして欲しい、なんてチェックインの時に色々と注文されます。こういった注文にフレキシブルに対応しようと思うと、ドミトリーのあるホステルの方が、個室管理のホテルよりもより複雑なシステムが必要になりそう。。
それと、特にホステルについていえば、お客様は接客を求めているので、機械ではなく人が立っていた方がよかった。
こういう理由でホステルは機械化よりも、人の温かさのある施設を目指していたように思います。
こんな風に、業務内容の機械化、非接触化を考えた時、最後に残るお仕事が清掃となります。
清掃は非接触化、機械化できるか
清掃の非接触化はなかなか難しい気がします。床掃除とかであれば、ルンバとかの機械を走らせてたらOKですが、マットレスからシーツをはがして、付け替えたり、ドアノブをアルコール消毒したり、シャワー室の清掃とか、複雑な建物構造の中を機械が自動的に清掃するっていうのは、まだ現実的じゃないのかな。お掃除ロボットってやつですね。
そういう意味で機械化は難しいと思いますが、今のテクノロジーを使ってもっと効率化はできないか、ということはいつも考えています。
プラットフォームビジネスの利用
今までコロナ前であれば、清掃はプロにアウトソーシングしている施設が多かったと思います。
しかし、現在コロナで圧倒的に宿泊数が減ってしまったので、昔ほど毎日毎日ベッドメイクが相当数必要ってことはなくなった。
そうなると、自社でやってしまった方が早いし、やってしまえる。
ただ、コロナ禍でも日によってはかなりチェックインがある日もあったりするので、翌日は相当ベッドメイクが必要だったりする。そんな日は縮小オペレーションでは少しきつい。
そこで、タイミーのように、隙間時間を活用してサクッとバイトしたいって人とマッチングして、ベッドメイクが多く必要な日だけ清掃のお仕事をしてもらう、ってこともできるんじゃないか、とか考えてみたりもしてみた。
ただ、既存のデリバリーやコンビニバイトと違って清掃のお仕事というのは非常に複雑だなと感じました。
デリバリーはA地点からB地点に商品を運べばいいだけで、運転技術があればだれでもできる。
コンビニバイトも、店舗は標準化されているので、経験者であればどのお店にいってもやることは大体同じなので難しくない。
しかし、清掃になると、派遣される店舗によって仕様は変わるし、器具がどこに保管されているのか、どこの清掃が必要なのか、部屋に入るための鍵はどうするか、仕上がり具合の基準をどこに設けるか。
そういうことを考えると、清掃人員のプラットフォームによるマッチングは少し厳しいのかな、などとも思う。
可能性としては清掃の多い日は、ベッドメイクや客室は自社、トイレシャワー(まだ標準的基準を設けやすい)を外部から来てもらう。
もしくは、ベッドメイクは2,3日に振分けて終わらす。今はこの方法を取っています。ベッド・部屋数にまだ余裕があるので、機会損失は起きない。
それか今は施設の清掃時間というのはチェックアウトからインの間の時間というのが相場だけど、例えば全てを機械化させて無人フロントを可能にすれば、いつでも清掃を行えるわけで、そうすれば縮小オペレーションでも清掃時間が十分に確保されるのでやっていけるかなと。
もしコロナが終息したとして、インバウンドがわんさか戻ってきてくれたとしても、だからと言って前と同じように戻せばいいじゃん、って話でもないような気がしている。
こういう機会があったからこそ、今まで考えなかったことを考えるチャンスになったし、変わるチャンスになった。
コロナ前だろうが、コロナ後だろうが、非接触だろうがなかろうが、機械化だろうがなかろうが、宿泊施設のオペレーションの中で一番要になってくるのは清掃でこれをどうオペレーションするかが肝心なのかな、と思います。
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