ビーガンに足りない栄養素、その1日の必要摂取量を1食で補えてしまうパスタ!
ビーガン食やプラント(植物)ベースの玄米菜食の食事を長期的に続けていると不足すると言われている栄養素があります。
それはビタミンB12。
ビタミンB12は正常な赤血球細胞を形成し、脳神経をはじめとする神経機能の健康を保ち、DNAの生成を助ける重要な栄養素。ところがビタミンB12は動物由来のビタミンのため、ビーガンやプラントベースの食事を続けていると不足してしまうと言われており、一般的にはサプリでの摂取が推奨されています。
でも、できるだけサプリは摂りたくない・・・そんな悩みを解決してくれるありがたい食材があります。
それは海苔です!
ただし惜しいことに、海苔は1枚食べても、1日に必要なビタミンB12の摂取量には少々足りません。
成人のビタミンB12推奨摂取量は1日2.4 mcg。
文部科学省日本食品標準成分表によると、焼き海苔1gあたりのビタミンB12含有量はおよそ0.57mcg、1枚の重さ2~3gの含有量が1.5mcg程度とすると、毎日1.5~2枚くらいは摂取する必要があるということになります。
海苔を1日2枚食べるって、結構ハードルが高いです。
そこで私は毎日のランチとして、必ず半切の焼き海苔を巻いた玄米雑穀のおにぎりを作って持っていきます。または海苔を3層にしいた海苔段々のお弁当を作ります。家で玄米雑穀ご飯を食べる時にも海苔と一緒に食べるようにしています。
さらに、海苔をお味噌汁の具として入れたり、ご飯やたくさんの野菜を海苔で巻いて手巻き寿司風にしたり(詳細は「玄米雑食ビーガン太巻き寿司」の備忘録に記載)、色々工夫して、海苔をちょこちょこ食べています。
それに加え、海苔を佃煮にして冷蔵庫で保管しておけば、おにぎりの具にしたり、海苔段々に海苔佃煮の層をはさんだり、タレの代わりに納豆にかけたりと色々重宝します。
海苔の佃煮の作り方は超簡単。海苔を細かくちぎって、醤油とみりんで煮るだけ。
市販の海苔の佃煮には砂糖や添加物が含まれているものも多く、また味付けが濃くて塩分過多が心配ですが、自分で作れば薄味に調整できて安心かつ安上がりです!
そして、海苔の佃煮よりももっと大量の海苔を摂取できるのが・・・
海苔のパスタです!
海苔パスタを1人前作るのに海苔を1枚半くらいは使いますので、これで1日に必要なビタミンB12を摂取できる計算になります。
作り方は簡単!
茹で上がったパスタに細かくちぎった海苔を大量に投入し、茹で汁を加えながら海苔を佃煮状になるまで加熱し、パスタによくからめます。
お好みの野菜を加えてもOK。
海苔は水分をたくさん吸うので、茹で汁はたくさん必要です。様子を見ながら何度かに分けて茹で汁を投入しますが、パスタがふやけないよう手早く仕上げるのがポイント。
厳密にアルデンテを求める場合は少し固めに茹でておくか、別のフライパンで海苔ソースを作り、茹で上がったパスタを加えます。
私は面倒なので、鍋1つで作ってしまいます。
味付けは醤油と塩をお好みで。最後にオリーブオイルを少々加えます。
上の写真の海苔パスタの味付けに使ったのは、細かく刻んだニンニクの芽を梅酢とオリーブオイルに漬けたもの。
ニンニクの芽が出回る季節はとても短いですが、梅酢とオリープオイルに漬け込んで冷蔵庫に保存しておくと、色々な料理の味付けに使えて便利です。
ビーガンにはありがたい海苔ですが、1つ注意することがあります。
海藻類に含まれるヨウ素(ヨード)の摂取過剰は、甲状腺の異常との関連性が懸念されているのです。
海苔のヨウ素の含有量は海藻類の中では比較的低く、2枚程度なら1日の摂取量をオーバーする心配はありません。
しかし、ヨウ素は特に昆布に大量に含まれており、ワカメやひじきにも比較的多く含まれています。
玄米菜食の場合、昆布のダシを使ったり、ワカメのお味噌汁を食べたりと、海藻類を日常的に摂取していることと思います。昆布や昆布のエキスは市販のダシや調味料、加工食品の味付けにもよく使われています。このため、知らず知らずのうちにヨウ素をたくさん摂取している可能性があるのです。
私は海苔を毎日意識して食べていて、お味噌汁も毎日食べるので、昆布のダシは使わないようにしています。
たくさんの野菜を具に入れて、じっくり熟成させた本物のお味噌を使ったお味噌汁はダシがなくても美味しいものです。お味噌については語りたいことがたくさんあるので、別の備忘録でまた・・・。
ところでビタミンB12については、まだ科学的に解明されていないことも多くあるようです。例えば海苔のビタミンB12の有効性については、海外では否定的な見方もあります。
また、ビタミンB12は腸内細菌によって生成もされているのですが、吸収されずに排出されてしまうと考えられています。なぜなら吸収のためには胃から分泌される内因子と結合する必要があり、また、小腸から大腸へとつながる直前の回腸で吸収されるため、せっかく腸内細菌がビタミンB12を生成してくれても、残念ながら吸収されずに排出されてしまうというのです。
でも、最近ビーガンやプラントベースに切り替えたのであれば、焦って心配する必要はなさそうです。
なぜなら、基本点にビタミンB12は十分な量が主に肝臓に蓄えられていて、ビーガンなどのプラントベースの食生活に切り替えたことによりビタミンB12を摂取しなくなっても、体内に蓄えられている量が使い切られるまでに通常は約3~5年かかるのだそうです。
プラントベースの食事を長く続けていて、ビタミンB12が不足しているかどうか気になる場合には、赤血球の大きさ(不足すると大きくなる)や白血球の数値の異常で知ることができるそうです。
私の場合、玄米菜食を始めて10年になり、しかも最初の5~6年くらいは厳格なビーガン食だったので、理論上は蓄えられてきたB12が既に枯渇しているはず。ところが、今のところ毎年の健康診断で赤血球の大きさや白血球の数値に異常はありません。
毎日コツコツ食べている海苔のおかげなのか、腸内細菌が生成してくれたビタミンB12が実は吸収されているのか、それとも枯渇する前に「ゆる玄米菜食」に切り替えたからなのか・・・いずれにしても、身体の仕組みって、謎と神秘に満ちているってつくづく思います。
とりあえず私は海苔のビタミンB12の有効性を信じて、引き続き海苔のおにぎりと海苔の佃煮を毎日食べ、時に大量に海苔を投入したパスタを食べて、ビタミンB12をコツコツ摂取し続けようと思っています。
*ちなみに今は、基本は玄米雑穀&菜食(プラントベース)、会食などで外食する時は出されたものを食べるという「ゆる~い」スタンスでやっています。
私の玄米雑穀&菜食の備忘録一覧はこちら↓
https://note.com/wisdomjapan/