ビーガン・カッサータ!イタリアのアイスケーキを乳製品も砂糖も使わずに作るレシピ
カッサータはリコッタチーズに生クリームを加えて作るイタリアのアイスケーキ。私は豆腐を使ってビーガン・カッサータを作ります。
豆腐は強いて言うならベースとなるリコッタチーズの代わり。そこにクリーミーなテクスチャーを加える生クリームの代わりとして、私はナッツペースト、またはココナッツミルクを使います。
ナッツペーストとココナッツミルク、どちらを豆腐に加えるかで、作り方が少し異なります。いずれにしても、淡泊な豆腐をベースにしてリッチでクリーミーなカッサータを作るためには、ポイントがいくつかあります。
今回の備忘録では、そのあたりの解説を交えつつ、ナッツペーストとココナッツミルクの2つのパターンでカッサータの作り方を記します。
【ビーガン・カッサータの作り方:共通の豆腐ベースの部分】
水分をふき取った絹ごし豆腐に塩を振り、キッチンペーパーでしっかりと包む。包んだ豆腐を容器(絹ごし豆腐に入っていた容器でもOK)に入れて一昼夜置く。
クリーミーなカッサータを作るには、とにかくしっかりと水切りすることがポイント。私は何度もキッチンペーパーを取り換えます。
充分水切りした豆腐はカマンベールチーズのような見た目に。食感はモッツァレラチーズのような感じ。
レモンや柑橘を絞って果汁をかけると、よりチーズのような味わいになります。
プチトマトなどを添えるとカプレーゼ風に・・・
さて、豆腐をしっかり水切りしたところで、カッサータの作り方に戻ります・・・
ビーガン・カッサータを作る上で豆腐がリコッタチーズの代わりだとすると、生クリーム代わりに混ぜる食材によって、ここからの作り方が少し変わってきます。まずはナッツペーストを混ぜるパターン。
【ビーガン・カッサータ:ナッツベーストの場合】
・水切りした豆腐をホイッパーやブレンダーなどで潰してクリーム状にします。手で混ぜてもいいのですが、ブレンダーやミキサーを使うと、よりスムーズでクリーミーな食感になります。
・クリーム状になった水切り豆腐に柑橘(レモンなど)の絞り汁、ナッツペースト、濃縮タイプの甘酒を混ぜて、さらになめらかなクリーム状になるまでしっかり混ぜます。
分量は豆腐1丁に対して、レモン1/4個分程度の絞り汁、ナッツペースト大匙2弱、甘味付けに濃縮タイプの玄米雑穀の甘酒を大さじ1程度。
*甘酒は甘味付けのために入れます。カッサータにはドライフルーツを入れるので、甘酒の量は控えめでいいと思いますが、お好みで調整してください。
*ナッツペーストは淡白な豆腐クリームの味に深みを加え、よりリッチでクリーミーな食感にするために入れます。ナッツペーストは文字通りナッツをペーストしただけで、ほかに何も加えられていないものを使います。
ナッツペーストの種類によって、カッサータの味も変わってきます。あまり味を主張せずにクリーミーさを加えたいならカシューナッツがおススメ。ピーナッツやヘーゼルナッツは香ばしい感じ、ピスタチオは文句なしに美味しい!
ピーナッツペーストの場合はクランチタイプを使うと、その名の通り、クランチーな食感に。スムーズでクリーミーさを求めるならクランチタイプではないものを。
・豆腐とナッツペーストで作った滑らかなクリームにナッツ類とドライフルーツを細かく刻んで加えます。
*ナッツの種類はくるみ、アーモンド、カシューナッツ、ピスタチオ、マカデミアナッツなど。ドライフルーツは、いちじく、デーツ、レーズンなどお好みで。レモン/オレンジピールもおススメです。いずれも複数の種類を入れると彩り、味、食感が楽しくなります。
ドライクランベリーも赤くて綺麗ですが、オイルや砂糖を添加していることが多いので注意。私は赤めの色合いが欲しい時には冷凍のブラックベリー、ラズベリー、ブルーベリーを入れます。ただし、冷凍フルーツはシャリシャリ食感になるので控えめに。
・豆腐クリームに具材を加えたら、ラップに盛って、細長い筒状になるようにラップでしっかり包みます。この時点では緩いクリーム状なので、ラップは2重巻きにして、形を崩さないために同じような形の密閉容器に入れて冷凍庫で冷やし固めます。
・半日くらいで固まってきます。適当な固さになったら、お好みの厚さにスライス。固過ぎたら、常温で少し置いておくと切りやすくなります。
少し柔らかくなった方がクリーミーで美味しいと思います。
こちらはシンプルにくるみ、アーモンド、カシューナッツ、イチジク、デーツ入り。
こちらは、小布施の栗(生)が手に入ったので、入れてみました。
栗は切れ目を入れて蒸すと皮がきれいにむけます。
渋皮はむけないので、外皮をむいた後、さらに渋皮ごと蒸すと、渋皮もきれいに剥がれます。
和栗を使ったので、豆腐クリームを作る際、レモン汁の代わりに、和を意識して摘果みかんの絞り汁を入れました。豆腐1丁に対して摘果みかん1/2程度。
栗と摘果みかんで作るカッサータには、和を意識して梨とシャインマスカットも添えてみました。
オレンジピールを入れるととても美味しいですが、ハチミツ漬はビーガン対応ではなくなるので、オプションで(砂糖漬けならビーガン対応ですが、砂糖は使いたくないので、ゆるビーガンの私はハチミツを使います)。
こちらはキャラメルナッツタルトに添えました。
砂糖、精製オイル、牛乳・クリームなどの乳製品を使わないビーガンキャラメルナッツタルトの作り方はこちらから!https://note.com/wisdomjapan/n/n6311851005ac
【ビーガン・カッサータ:ココナッツミルクの場合】
もう一つの作り方は、ナッツクリームの代わりにココナッツミルクを使います。
実は私、最近までココナッツミルクという食材を使ったことがなかったんです。エスニック系の料理やデザートが大好きなので、これまでも食材のお店でココナッツミルクの缶詰やパウダーを見かけると手に取ってはいたのですが、どれも添加物が含まれていて、使ってみる気になれなかったのです。
ところが、とうとうまじりっけなし無添加&有機のココナッツミルクを見つけました!
ということで、ココナッツミルクを使ったカッサータの作り方です。
・水切りした豆腐を潰すところまでは、ナッツペースト版と同じ。
その後、粗目にかき混ぜた豆腐に少しずつココナッツミルクを加えて、クリーミーな状態になるまでかき混ぜます。
*ナッツペーストとは異なり、ココナッツミルクは緩いので、入れ過ぎに注意!豆腐&ココナッツミルクのクリーム生地は緩過ぎるとラップで包めないだけでなく、冷やし固めた時にシャリシャリの食感になっていまいます。
目指すのは、口の中でクリーミーに溶けるカッサータ。そのためには、ココナッツミルクは少量ずつ加えて、少し緩めの生クリームくらいのテクスチャーになるまで、かき混ぜます。しっかりかき混ぜると豆腐のダマがなくなってきて、ブレンダーを使わなくてもクリーミーに仕上がりますので、少しずつ慌てずに!
ナッツペースト版は甘酒を少し加えますが、ココナッツミルク自体がほんのり甘い風味なので、デーツやいちじくなどのドライフルーツを加えるだけで充分。今回は、ココナッツミルクの風味に合いそうなカットマンゴーとマカデミアナッツも細かく刻んで入れてみました。
材料が全て混ざったら、冷やし固める工程は「一つ目の作り方」と同じです。
ナッツペースト版はナッツの味が主張しますが、こちらはココナッツミルクの風味がほんのりするだけですので、より優しい味わいです。
ここで、ココナッツミルクについて少々・・・。
ココナッツミルクは甘味付けが不要という意味では、ヘルシーとも言えます。とはいえ、ココナッツミルクの脂肪分は18%くらい。ちなみに生クリームの定義は乳脂肪分18%以上とのことですので、ココナッツミルクも軽めの生クリーム並みの脂肪分を含んでいるということになるでしょうか。
ココナッツミルクには蓄積しにくいとされる中鎖脂肪酸が含まれているようですが、脂肪分には変わりありませんので、入れ過ぎ・使い過ぎには注意が必要かと思います(それはナッツペーストも同じです)。
カッサータには、ナッツやドライフルーツがたっぷり入っていた方が食感や味が楽しいと思うのですが、うちの家族によると、このカッサータは(どちらのバージョンも)クリームの部分が美味しいので、具材は抑えめの方がいいそうです。
うちの家族は結構辛口。私が乳製品や植物オイルや砂糖を使わないことにこだわるあまり食感や味を多少犠牲にすると、容赦なく「イマイチ!」と言われてしまいます。でも、そんな辛口家族から、このカッサータはクリームが美味しいというお褒めの言葉をもらったので、備忘録に残すことにしました!
以下、番外編です。
豆腐クリームを混ぜた容器にクリームがたくさん付いてしまって、洗ってしまうのは、もったいない!
そこで、豆腐クリームが付着したままの容器に水を入れて、そこにチアシードを加え、豆腐クリームのチアシードプリンを作ってみました。水を加えた分、味が薄くなるので、濃縮甘酒を少々足しました。
さらにコクを加えるため、冷蔵庫の中に一晩置いたチアシードプリンに、はったい粉(麦こがし)を少々加えて、滑らかになるまでスプーンでしっかりと混ぜました。
出来上がりはこちら。
容器を濯ぐ感じでたくさん水を加えましたが、豆腐クリームに入れたナッツペースト(今回はヘーゼルナッツのペースト)と後から加えたはったい粉(麦こがし)のおかげで濃厚なチアシードプリンになりました!はったい粉の代わりにきな粉でも美味しいかも。
チアシードは栄養豊富。たった大匙1杯程度のチアシードで1日に必要なオメガ3を摂取できてしまうそうです!デザートだけに使うのはもったいない!ということで、チアシードを使ってヘルシーな朝食や前菜を色々と作ってみた備忘録も是非、ご覧いただけると嬉しいです。
https://note.com/wisdomjapan/n/n0ea27af9890d