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雪村つばめ
2021年12月30日 10:13
7th stop 手のひらに銀河の欠片 正人は、くらくらする頭に手を当てて、目を開きました。コオロギの鳴き声が、耳元や遠くで聞こえています。起き上がってみると、正人は、公園の滑り台のすぐ下に横たわっていました。「真吾!」 正人はあたりを見回して、すぐに真吾を見つけました。真吾は正人のすぐ近くで、リュックサックを抱えたまま、倒れているのか、寝てしまっているのか、わからないような格好でいました。
2021年12月30日 10:12
6th stop 居るべき場所へ よだかが二人を降ろしてくれたのは、南十時駅の傍でした。北からそう遠くない場所に、白い渚と大きな十字架が見えました。「あちらのほうへ行ってはいけませんよ。あすこへは、きみらはまだ、行く時ではないんですから」 よだかは厳しい表情で、少しだけ心配そうに言いました。「次の汽車が来たら、すぐにお乗りなさい。それから、あまりこの銀河にも長居しない方がいい。きみたちは、ほ