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観察するということ

ピース又吉直樹さんの「火花」を読み始めました。内面世界をこねくりまわす感じが心地よいですね。会話の一つ一つがディープというか。こだわりをぶつけ合いながらも、おたがいに否定することなく溶け合っていくような空気感。こんな会話をしてみたいなぁ、と羨ましさが芽生えてきます。

文章のうまさもさることながら、それ以上に、人の言動や感情にたいする観察眼がすごくディテールにわたっているんですよね。ここは"詳細"よりも"ディテール"の方がしっくりくる気分なので、あえてカタカナ語を使わしてもらいましたが。。だからこそ、芸人でありながら小説家でもありえるんでしょうけど。


読書の目的が手軽に知識を仕入れることだったときには、決して手に取ることはなかった作品です。もう、自分で幅を狭めていましたね。今は、興味のないもの、場合によってはタイトルだけでも嫌悪感を抱くようなものにも、瞬間的におそってくる躊躇をグッとこらえながら、読む対象を広げていくようにしています。けっこうツラいですけど。。

知識そのものを漁るよりも、驚いたり後悔するような読書体験の方が、実はずっと知識を得られることを実感し始めているので。

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