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呼吸器系や消化器系、、、の前に。

物流システムに乗って流れている「資源」と「ゴミ」は?

前回、循環器系は「体内の物流システム」という話をしました。

では、この「物流システム」で運ばれている「酸素」や「栄養素」などが、そもそもどのようにこの物流系に取り込まれるのか?そして消費された後の「ゴミ」がどうなるのか?という話をしましょう。

体内の細胞たちは、いつでも快適

体内にいる細胞たちは快適な環境で生活できるように、とっても上手に調整されています。

それはいわば、Amazonや生協が最新の新鮮野菜や水、生活用品を定期便で運んできてくれるような状態です。そして、しかもゴミも家の前に出しておけばすぐ回収していってくれます。私たちの生活にたとえると、とても理想的ですよね。

呼吸器系は回転寿司チェーンの奥の厨房

僕は、この話をしていると、まるで、回転寿司チェーンでカウンターに座っているときのようだと思ってしまいます。待っていると、どこからともなく常に新鮮な寿司が皿に乗った状態で回ってきます。しかも、食べ終わって汚してしまった「空」の皿もそのままレーンに返しても良い(ホントはダメですよ!)。奥の厨房に消えていった空のお皿は、新たに握り寿司が乗った皿に変わって出てきて、また目の前に回ってきます。奥の厨房では必死に皿洗いと寿司を握る作業が行われているのでしょう。

この「回転寿司の厨房」のようなことをしているのが、呼吸器系なんです。

ガス系は、呼吸器系が担当

「酸素」や「二酸化炭素」などの「ガス」系の処理を担当しているのが「呼吸器系」です。酸素は供給が途絶えると速やかに酸欠で細胞が死んでしまうため、リアルタイムで供給し続けなければなりません。その役割を果たすのが「呼吸器系」です。

※ ちなみに、血液中にガスが溶け込める量には限界があります(炭酸水は、溶けている二酸化炭素がすぐに抜けてしまいますよね)ので、ヘモグロビン(Hb)が運び屋を担当している、ということも知っておいてください。若い女性で生理がキツくて健康診断で貧血だと指摘される人もいるかもしれません。ひどい貧血だと、すぐ動悸がしたり息切れがしたり、まるで体力が落ちたような症状が出ることがあります。ヘモグロビンも、「心肺機能」の要なんです。

栄養素系は、①吸収を消化器系が、②排泄を腎・尿路系が主に担当

一方、食べたものを徐々に分解し、とても小さいレベル(栄養素)まで細かくして血液中に取り込むのがいわゆる「消化器系」です。細胞でエネルギーを得るために「酸素」を使って「糖」が燃やされます。この「糖」が栄養素の代表選手です。そしてこの「糖」は、米やパンなどの炭水化物を消化器系の役割で細かくすることで得られます。

栄養素からエネルギーを得た後は、二酸化炭素はもちろんのこと、何かしらのゴミが出ます。体内で再利用されるものもありますが、概ね、血液中に捨てられます。そして、ちょっと形を変えられた後、腎臓から体外へ排泄されます。

※ ちなみに、この「栄養素がエネルギーに変換され」たり、「ゴミとして排泄され」たりする際に「形を変える」現象。これこそが「代謝」だとざっくりイメージしておいてください。この「代謝」というはたらきはすべての種類の細胞に備わっているものの、「肝臓の得意技」だとも覚えておいてください!肝臓は代謝の臓器、代謝工場ともいえます。)


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