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Youはここで何をする? イベントを受けて

めちゃくちゃ悔しかった。

イベント終わり、帰りの車の中で、応援に来てくれた後輩に、さも冷静に、客観的にイベントを捉えているように振る舞った。

しかし、それは本音のほんの一部分に過ぎなかった。

イベントについて

2月7日、僕はとあるイベントに参加した。

「Youはここで何をする?~リアルファンディングinやまなし~」というものだ。

Youはここで何をする?①

どんなイベントか簡単に説明すると、「山梨県内の学生が山梨を盛り上げるために実現したいアイデアを応募し、山梨県を盛り上げたい県内企業の社長さんたちがそれを評価する」というコンテスト形式のイベントである。

事前に一次審査として応募フォームに簡単な申し込み事項を入力すると、その内容で当日プレゼンできる20組が決まるという。

選ばれた20組は当日、会場で3分(短い!)の持ち時間で各々のアイデアをプレゼンし、社長さんらと当日会場にいる社会人&学生の投票で、最優秀賞5万円、アイデア賞3万円をはじめ数組に賞金が出る。

その後には、企業と学生ごちゃ混ぜで懇親会が企画されており、発表者は直接企業の方々、さらに出資者&審査員である社長さんらとお話できるのである。

なぜ参加したのか

このイベントは今回が初開催であり僕は正直全く知らなかったのだが、研究室の先生が「なんかこういうの好きそうだと思って」と言ってビラをくれた。

本音を言うと、ただ単純に「山梨を盛り上げたい!」みたいなモチベーションはなかった。

地元ってわけじゃないし、もの凄く愛着があるかと言われると、YESとはっきり言える程はない。

ただ、山梨のお酒、とりわけワインに関しては普通以上の想いがあり、それらが盛り上がることで山梨が盛り上がればいいなという気持ちはある。

また、「山梨の学生がそんなにいいビジネスアイデアをぽんぽん出してくるとも思えないし、意外と賞&お金もらうの難しくないんじゃないか?」というある種打算的な考えもあり、応募を決めた。そして、

「賞&お金をもらえて、かつ、お酒に関するアイデアに県内の社長さんたちがどれくらい興味を示してくれるのか計れれば上々!」

という意気込みのもと、プレゼンの準備に着手した。

プレゼン当日まで

プレゼンの準備自体は大して苦労するものではなかった。

方法は自由であったのだが、特に奇天烈なことをするつもりはなく、PowerPointでスライドをつくり、それを使って発表しようと考えていた。

若干大変だったのは、準備期間が年末年始のまったりとしているタイミングだったこと、3分という短い時間でどのように魅せるか、どのようなスライド構成にするか、ということくらいであった。

僕のアイデアは以下のようなもの。

【最近のビジネスの潮流として、“モノ”から“コト”を重視するようになってきている。

というのも、“モノ”や“モノ”にまつわる情報が溢れており、ユーザーは差異が分かりづらくなってきている一方で、経験や体験に基づく感動や満足感といった感覚的な部分が重要になってきている。

そういった感覚的なものをユーザーとのコミュニケーションの中で育み、共感をうみ、SNS等を通じた拡散・共有によって広めてもらうことが大事で、“コト”に価値がある。

これらを踏まえ、山梨の“モノ”をかけ合わせ“コト”をつくる。

色々考えられるが、例えば「温泉×山梨のお酒」はどうだろう。

お風呂上がりの1杯、あなたは何を飲みたいですか?』というコンセプトで山梨の温泉を活用し、山梨のクラフトビールやワイン、ウイスキー、sakeといったお酒の中から好きなものを見つけてもらうというイベントである。

このイベントは“コト”自体の価値だけではなく、日常における山梨のお酒の消費シーンに「お風呂上がり」というシーンを提示、イメージさせることができ、“モノ”自体の消費を伸ばすことにも繋がり得る。

また、山梨のキャンプ場・グランピング場を活用し、「山梨でつくられたお酒を山梨の自然の中で楽しむ」というストーリー性を組み込んだイベントができるのではないか。

これらの“コト”はそれ自体の価値のみならず、今まで山梨のお酒という“モノ”に直接アクセスしてこなかった人々に、“コト”をきっかけに“モノ”の魅力を知ってもらうことがポイントである。】

正直誰でも思いつきそうなイベントだし、小規模ならば既にどこかで行われていそうなものだが、明確にこのようなコンセプトで行われているイベントはなかなか聞かないし、ミレニアル世代の楽しみ方ってこういうことだよな~なんて思いながらそれなりに自信をもって当日のプレゼンに臨んだ。

プレゼン当日

当日、予想外のアクシデントに見舞われた。

前日から猛烈な体調不良に襲われ、立っているだけでつらいほどダメージを負っていたのだ。

しかし、まずは今日を乗り越えなくては、と気合でイベントに向かった。

会場に到着し、想像していたほど大きくなく、堅苦しい感じでもなかったので、緊張はせずに臨めるだろうなと思った。

Youはここで何をする?②

会が始まって、19組が順番に各々のアイデアを発表していった。

僕は17番目とケツの方で、前の発表者のプレゼンを聞きながら、

「これ実現したら面白いな~」「あんま練習してないなこの人」「これは...どうなの?」「いやいや3分オーバーし過ぎでしょ!倍くらいやってねえか?」

なんてことを考えていた。

合間合間に司会の方が審査員の社長さんたちにコメントを求めるのだが、「早速実現したいアイデアがありました!」「意外と突飛なアイデアは出てこないんですね~」「最近の学生さんは真面目で堅実ですね」「実現可能性を考えてくれているのは良いが、もうひとひねり工夫が欲しい」といったことをおっしゃるもんだから、

「いやいや、そういうの全部聞いた上で、『自分のアイデアも当てはまっちゃうんだよなぁ』と思いながら発表しなきゃいけないこっちの気持ちも考えてくれ...」

なんて思い、少しずつやる気が下がっていったりもした。

そんで自分の番。

緊張という緊張はしなかったつもりだが、それでも思い通りにはできなかったかな。

しかし何かミスをするでもなく無難にプレゼンを終えた。

全員のプレゼンが終わったあと、投票の集計を待ちながら、社長さんたちを含めた参加者全員の懇親会が催された。

卓ごとにアルファベットがふられており、はじめは指定された卓についたのだが、おかしかったのが、他の卓は学生と大人入り混じって6人前後程度であったにも関わらず、僕の卓は自分含め発表者2名のみだったこと。

立食で会の開始後は自由に移動できたものの、誰も知らない中積極的に移動して交流することの難しさ、誰がどこの社長で何をしている人なのかいまいち把握しきれない、といった事情により懇親会も不完全燃焼感が否めなかった。

発表者はたすきをつけていたため、話したいと思ってくれた大人がいれば来てくれる状態ではあったものの、あいにく僕のところに来てくれる大人は数人といったところであった。(終始話している発表者もいた)

この時点で、

「ああ、自分の発表は今回そこまで深く興味をもってもらえなかったんだな。しかも多くの大人には刺さらなかったんだな。」

と現実を受け止める結果となり、また、体調不良のピークが重なったこともあって精神的にはグッズグズであった。

数少ない救いとしては、とある企業の社長さんが「良かったよ!投票したからね~、頑張ってね!」と声をかけて下さったこと。

他にも2,3人ではあったが、投票したよと声をかけて下さったことは嬉しかった。

懇親会も終わり、結果発表。

最優秀賞が5万円 1組、優秀賞が3万円 2組、2万円 3組、1万円 5組、だったかな?ディテールは覚えていないのだが確かこんな感じ。

初開催だったこともあってか、19組中11組も表彰されたのだ。しかも当初の予定通りではなく当日の投票結果を受けて急遽の変更である。

それで、呼ばれなかったのだ。

正直こんな多く表彰されると思っていなかったし、僕個人としてはそれを狙いにいった発表ではなかったので、表彰されなかったこと自体にはそこまでショックを受けていない。

しかし、表彰されなかったということは、投票したと言ってくれた人が数人いたものの、より多くの人に興味をもってもらえたかという点で、あまり好印象ではなかったということ。

また、大変失礼な話ではあるのだが、

「いやそれに負けたのか、自分のアイデアは。。。」

と感じてしまうようなアイデアが表彰されていたこと。

この2点にかなり大きなショックを受けた。相当悔しかった。

プレゼンを終えて感じたこと

その後家に帰り、思った以上に体調が悪化していたことで2日間寝たきり生活を送ることになったのだが、その間床上でぐるぐると思考を巡らせていた。

もちろん僕のプレゼンがしょぼかったからということも多分に考えられるのだが、さりとて他の表彰された発表者が良いプレゼンをしたかというとそんなこともない。

スライドの構成はドングリの背比べ、何回もつっかかり、話しを拡散させ、時間を余裕でオーバーし、正直完成度は自分含めまだまだだと感じた。

プレゼンでなかったとしたら、純粋にアイデアの好みや面白さに対する評価ということになる。

そこでまず考えたことが、【お酒というコンテンツのディスアドバンテージ性】。

お酒以外のコンテンツを扱ったビジネス等とお酒に関するそれらが立つラインは、対等ではないのではないだろうか、ということ。

お酒を楽しむことに関するアイデアが、他の一般的なアイデアほど評価されないということは、それだけお酒に興味をもっていて盛り上げたいと感じている人、それを面白いと感じる人が少ないからである。

確かに、お酒が、お酒と全く関係ないジャンルと積極的にコラボレーションしてマーケティング展開しているものをあまり見かけない。

そのうえ、僕個人の勝手なイメージだが、お酒の業界はお酒の業界内で盛り上がろうとしていて、好きな人は好きだよね感が強い気がする。他の業界と比較して。

さらに、ビールはビール、ワインはワイン、sakeはsake、とさらに各ジャンル内でなんとかしようとしている。

ただでさえお酒というコンテンツには難しさがある。

お酒以外の業界の人々から目を向けてもらえない以上、積極的に外に目を向けていかなければどんどん規模が縮小していってしまうのではないかと思った。

そして、もう1つが【山梨県民、山梨のお酒全然知らない】。

そもそも日本人自体、自国のモノやコトを誇っているくせに、海外の人に胸を張って説明できるほど詳しくない、なんてことがざら。

興味がなければ詳しく知らないなんてことはある種当然ではあるのだが、ワイン県なんて打ち出している割に、肝心の県民が、その誇るべきワインについて全然知らないのである。

これは懇親会で社長さんたちと話す中で感じたこと。

無論、自分もちょっと前までは全然知らなかったので、全くもってバカにはできない。

これから何をしていくのか

正直、

「山梨のお酒を盛り上げたい!」「日本のワインを盛り上げたい!」

なんてキラキラした気持ちは、以前と比べると弱まってしまったかな。

分かっていたことだが、お酒を広める活動は、相当の熱意と粘り強さがあった上で長い時間をかけて行われることであって、それでやっとどれくらい意味があったか考える余地があればいいな、というくらいなものだろう。

実際にブログやSNS、イベント等を通じて今の自分ができることを1年間やってきた中で、こんなに手応えがないものかという実感、それを受け入れて引き続き前向きに活動を続ける意志力のなさを痛感した。

まだ学生、半人前の若者、そんな奴ができることなんてたかがしれてる、自惚れんなと考えることもできるが、同年代で結果を出している人はたくさんいる。

比べても仕方ないかもしれないが、それを乗り越えるだけの燃料が自分の中にないことに気づいてしまった。

ひとまずブログとSNSは続けようと思う。

日本ワインに携わって生きていくと決めたし、逆に今から他のことで爆発できるほど手札ももっていない。

ただ、日本ワインとの関わり方については改めて考えることになる気がする。

(とりとめもない駄文、ご容赦下さい。)

Youはここで何をする?③

参加賞でも5000円頂けたことには感謝。。。

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