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2021年ワイン総括とおススメ日本ワイン

いよいよ今年も残りわずかとなりました。
明日は冬至です。かつて、冬至は1年の始まりの日だったそうです。
冬至になる前に、今年いただいたワインの総括と、そのなかでおススメする日本ワインをご紹介したいと思います。

ここ数年の私的ワインの傾向

今年、東京はコロナで制限をされる期間が長く、こんなに家で食事をしたのは、実家を離れてから初めてです。
私が使っているワインアプリ(合計で延べ1100種類ほどの記録)から、コロナの影響を受けた昨年と今年の2年間とそれ以前のワインを振り返ってみました。
今年、ビオワインが気になるようになったなどもありますが、記録を見て分かる大きな変化は、主にこの3つです。

<この2年と3年以上前の違い>
1.白が増えた
2.ライトなワインが増えた
3.日本ワインが増えた

1.白が増えた
まず、「白が増えた」について、では何が減ったかというと、赤が1割ほど減りました。
数年前は白4割、赤4割だったのが、この2年は白5割、赤3割になりました。残り2割がロゼ+泡です。
自分でも、白をよく選ぶようになったと思います。
オレンジワインという選択肢が増えた影響もあります。

10年通っているイタリアンのお店のワインリストに、「オレンジワイン」コーナーが追加されているのを見つけました。かつては「泡、白、赤」だったのが、数年前に「ロゼ」が加わって、更に「オレンジ」が追加され、今年は「泡、白、オレンジ、ロゼ、赤」と、ワインリストがカラフルになってきました。

2.ライトなワインが増えた
2点目「ライトなワインが増えた」は、例えば、赤だとカベルネ・ソーヴィニヨンが減ってピノ・ノワールを選ぶことが増えました。
これは、家でご飯を食べる場合、重たいものだと手料理に合わせにくいということがあります。

また、お店で料理をいただくときも、バターを使ったような重たい料理よりも、素材を活かす料理が増えたため、軽くてきれいな印象のワインが合わせやすくなったと感じます。
それ故、お店のワインのセレクトもライトになってきてますね。
加えて、ワイナリーのヴィンテージ違いを比べると、新しいヴィンテージは樽感をおさえたり、以前よりきれいな印象に変わったりしています。

3.日本ワインが増えた
今年、日本ワインは延べ60種類ほどいただきました。
2017年7種 → 2018年16種 → 2019年25種 → 2020年40種 → 2021年61種、ここ5年で延べ149種類と年々増えています。
国別でみると、1位イタリア、2位フランス、3位日本で、まだ海外のワインの方が多いですが、5年前、こんなに日本ワインを飲むようになるとは思いませんでした。

さて、今年の日本ワインのうち、とても印象に残った美味しかったワインをご紹介します。

2021年のおススメ日本ワイン

61種の日本ワインのうち、またリピートしたいと思ったワインは30種ありました。このなかから、白、ロゼ、赤をそれぞれ1本ずつセレクトしました。

<2021年おススメ白ワイン>
ヴィラデスト ソーヴィニヨンブラン 2019
(Villa d'Est Sauvignon Blanc)

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長野県東御市のヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリーのソーヴィニヨン・ブランです。東急百貨店で3600円ほど。

ヴィラデストは、長野県のワイナリーの草分け的存在で、多くの醸造家・栽培家の育成も尽力していることで有名です。

5月にいただいたときのメモは以下のとおり。

ソーヴィニヨン・ブランらしいフレッシュな緑色の香りとフルーティーな旨味。香りが複雑で豊か!○○○(=なじみの店の名前)のテイクアウトの刺身盛り、アジフライ、サーモンサラダにあわせて!!

初夏の日に、ソーヴィニヨン・ブランの瑞々しい香りが最高でした!
白い花~青りんごや柑橘類~ハーブの香りが次々と現れて、余韻が美味しかったのが印象的でした。

<こちらも、おススメ>
・塩山洋酒醸造の「レスペデーザ甲州」は3回リピート(タイトルの画像の左下)
・カーブドッチの「サブル白」も良かった↓

<2021年おススメロゼワイン>
リュードヴァン ピノ・ノワール クレール 2019
(Rue de Vin Pinot Noir Clair)

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長野県東御市のリュードヴァンのロゼです。クレールはフランス語で「クリアな、色が淡い」という意味だそう。クリアなピノ・ノワール=ロゼってことですね。

3月にもご紹介しましたね↓ チラシ寿司に合いました!

<2021年おススメ赤ワイン>
ドメーヌ・コーセイ 片丘 メルロー フレンチオーク 2019
(Dom. Kosei Kataoka Merlot French Oak)

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白、ロゼに続き、こちらも長野県です。
ドメーヌ・コーセイさんは、メルシャンにいらっしゃった方がつくられたワイナリーということで、2019年にできたばかりですが美味しいワインでした。
東急百貨店で 4300円ほど。

1月にいただいた時のメモは以下のとおり。

牛ホホ赤ワイン煮、ローストビーフ、ホウレン草キノコバター醤油ソテーに合わせて!果実味と樽香がしっかりしていて、数年後が楽しみ。

ドメーヌ・コーセイさんは、塩尻市のメルローだけに特化した珍しいワイナリーで、こちらのロゼ(下の画像の右下)も美味しかったです。

<こちらも、おススメ>
・リュードヴァンの「メルロー」も良かった(下の画像のまん中の下)

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おススメした6種のうち5種が長野県ですね。
左下の甲州のみ山梨県です。画像にはありませんが、サブル白は新潟県です。

私は基本的にイタリアやフランス南部の気軽なワインを食中酒としていただくことが多いので、似たようなスタイルの方には、特におススメできるワイン達です。

日本ワイン雑感

ここからは余談のようなものです。
これまで日本ワインを試してきた雑感をメモしておきます。

<日本ワイン雑感>
1.日本の産地は大きな違いがある
2.生食ブドウの可能性
3.日本らしいワインとは?

1.日本の産地は大きな違いがある
まず、日本は緯度の差が大きい国です。
よって、日本ワインは産地によって大きな違いがあります。
日本が同じくらいの緯度で横に長い国土だったら、横展開が容易だったかもしれませんが、日本は縦に長い国土ゆえ、北海道のワインと九州のワインは全く違っていて、1つの特徴で括りにくいです。

今年、北海道~熊本県のワインをいただきました。
私のようにイタリアあたりのワインを飲む機会が多い場合は、甲信越や九州のワインのボリューム感が馴染みやすいのではないでしょうか。
一方で、フランス北部やドイツワインなどがお好きな方には、北海道ワインが馴染みやすいかもしれません。今のところ、私は北海道のワインはややライトすぎるように感じる傾向があります。

2.生食ブドウの可能性
日本は生で食べるブドウ品種(=ワイン用品種ではない)でつくるワインが多いです。生食の品種の甘くチャーミングな香りは、ワインと料理が合わせにくくて、私は苦手です。
特に、生食用としても利用されている「マスカット・ベーリーA」は、国際的にも登録されている日本を代表する品種です。是非、好きなものを探したいと思って、評判のいいものをいくつか飲んでみましたが、まだ好きなワインに出会えていません。

ただ、生食用の品種でも、スイーツや果物などといただくと好印象になると思います。
例えば、「マスカット・ベーリーA」でつくった甘口の「周五郎のヴァン」は好きでリピートしています。前回投稿したシュトーレンとも合いますし、ブルーチーズのハチミツがけにもバッチリ合います♪

カーブドッチの醸造家の掛川さんがオンラインツアーで、「日本は生で食べるブドウのレベルが高いので、可能性を追及してみたい」とお話しされていました。
私も期待したいと思います。

3.日本らしいワインとは?
最後に「日本ワインらしさ」とは何だろうか?と思います。
海外でも高評価な余市の「ドメーヌ・タカヒコ」さんは、日本のワインの良さは「出汁(だし)」だと書かれているのを目にしたことがあります。

ヨーロッパの硬水のミネラル感とは違う、日本の軟水ならではのやわらかい旨味みたいなニュアンスを「出汁」と表現されているのかなと、自分なりに考えています。
「ドメーヌ・タカヒコ」さんはのワインは入手しにくくて飲んだことはないですが、ピノ・ノワールのみのワイナリーです。
「リュードヴァン」のピノ・ノワールのロゼなどは、この出汁感があるように思われて、だからこそチラシ寿司とも合うと感じられました。

ピノ・ノワール以外の品種や、他の産地でも、その土地ならではのブドウの良さを引き出そうとされているワイナリーさんは多いです。「その土地ならではの良さ」が、もっと認識できて言語化できるようになると、「日本らしさ」のようなものも捉えられるのではと考えています。
来年も、日本ワインを応援しつつ、楽しんでいきたいです。

どうぞ良いお年をお迎えください!!!🥂

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