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&THINGS MAGAZINE #11 : Pass the Baton

(4月20日水曜日、WINES&THINGSのメールマガジン “&THINGS MAGAZINE” #11の転載です。)

このところ忙しなくてじっくりと料理と向き合う時間がなかなか見つからず、けれど毎日の娘弁当と家族の食事でつくり慣れた惣菜をひたすら量産する日々…。自らの料理欲をなんとか解消しようと読み返しはじめた料理エッセイ。細かいレシピが載っているわけでもない料理本が好きで、平松洋子さんや池波正太郎さん、高山なおみさんなどの著書をペラペラとめくりながらふと思い出し、手に取った一冊、つきぢ田村3代目 田村隆さん「隠し包丁」。今まで読んだ料理エッセイの中でも文章(江戸っ子口調)が私好みで、食と生活の結びつきがいかに深いものかをしみじみと噛み締められる内容で、私は中古本で手に入れたのだけど新品を友だちにプレゼントしたものでした。久しぶりに読むとまた面白く、懐かしい気持ちに。

その本のあとがきには、人類の目まぐるしい発展の裏側にある失われたものの尊さや、食が結ぶ絆の尊さなどが、ものすごく簡潔かつ端的に書かれていました。そして自らが先人から受け継いだものを後世へバトンタッチできれば、という想いでこのエッセイを書いたのだと。

安田登さんの著書「すごい論語」の中に、「学ぶ」の語源は「真似る」だとありました。だとしたら、私たちは、私たちの子どもたちの未来に責任があります。目先の富や領土を奪い合ったり、核を盾に脅しあったりする前に、まずやらなくてはいけないことがあるんじゃないか。もっと真剣に、考え行動する必要があるんじゃないか、そう思わざるを得ません。私たちが正しい行動をすることで、子どもたちにもその子どもたちに対する正しい姿勢をみせてあげられるのではないでしょうか。


さて、ということで、本日の小ネタは料理エッセイ…ではなく!店主お気に入りのNetflix料理ドキュメンタリーをいくつかご紹介!
(料理エッセイは後日きちんとまとめたいと思います)

ひとつめ!もう何周したでしょうか…アメリカのスターシェフ、デイヴィッド・チャンの「アグリーデリシャス Ugly Delicious」。2022年4月現在で2シーズンありますがシーズン1は数ある料理番組の中でも群を抜いて面白い。複雑すぎる食文化の歴史をデイヴィッドが様々な角度から考察しつつ、ポップでカジュアルにそしてスーパーテンポ良く紹介していきます。取り上げるのはピザ、タコス、BBQなどの大衆食。番組としての創りも最高に凝っていて、出てくるパーソナリティも豪華かつ個性豊か。食の歴史云々以前に、ドキュメンタリーとしてのクオリティが半端ない。デイヴィッドは、アメリカでセレブも通うレストランチェーン「モモフク」創立前は日本で修行していたこともあり度々飛び出す彼の日本食に対するリスペクトも、日本人としてなんか嬉しい。私も大好きなピザ屋さん、聖林館オーナー柿沼さんがレストランの裏でドラムを叩く姿は惚れ惚れ。マスターオブゼロのアジズ・アンサリやアリ・ウォンなどのコメディアンもゲスト出演しています。


ふたつめ!一度観はじめたら止まらなくなること請け合い、料理バトル番組「ファイナル・テーブル The Final Table」。ちょっと行き過ぎ感否めない昨今の料理界から世界中の凄腕シェフを集め、二人一組のコンビを組み、毎回出されるお題「テーマとなる国とそこの伝統料理」を、なんとスタジオにある食材で60分間で一皿仕上げるというもの。毎回ひと組ずつ脱落していく勝ち残り形式で各回一組の最優秀賞も設けられています。登場するシェフが、またクセ強め!な上に、料理をジャッジする審査員が超豪華。出演者が超キャラ立ちしていて観てるとだんだん地球の縮図みたいなものが見えてくる気すらしてきます。ちなみに料理は…観た感じ料理番組にありがちな、見た目重視…っぽw。食べてみないとわかりませんけれども


みっつめ! セス・ローゲン、グウィネス・パルトロー、サム・ライミやロバート・ダウニー・Jrなどなどゲストの豪華さで言えば右に出るものはないジョン・アヴローの「ザ・シェフ・ショウ The Chef Show」。プロデューサー、ディレクター、俳優、脚本などなんでもこなすマルチタレントなジョン、ひとり4役で作り上げた映画「シェフ 三つ星フードトラックはじめました」でもスカヨハを脇役で使うなどと自身の交友関係の広さをプレゼンしまくった彼は実は大の料理好き。映画でもタッグを組んだフードトラック出身スターシェフ、ロイ・チョイと一緒にさまざまな料理に挑戦するんですが、、もうねカロリー祭り!バターでチーズカリッとさせる、なんていうのは序の口、とにかく油 meets 脂 meets アブラ〜〜って感じで、二人の体型も納得。デイヴィッド・チャン然りアメリカのシェフって丸々としていて人形みたいでそれはそれで好感度高め。私は絶対食べないけどw


さいご!Run BTS! にも度々登場する韓国では知らない人はいないらしいペク・ジョンウォン氏の「『豚バラ賛歌~韓国のおいしいを探訪~(英タイトル:Korean Pork Belly Rhapsody)』。韓国で焼肉といえばサムギョプサル、というくらい馴染みのふか〜い豚バラの歴史、そして様々な調理法などを深掘りする番組で、観てるとほんとお腹空く、危険度超高めフードドキュメンタリーです。もちろん豪華セレブゲストも登場、、なんかこれ観たことあるな、と思ったら、番組のつくりがアグリーデリシャスそっくり…!ペク・ジョンウォンは韓国のデイヴィッド・チャンになりたいのか!?と思ったくらい。気のせいかもしれませんが。この番組に続き「冷麺賛歌」や「牛肉賛歌」も公開されましたがどれも本当に美味しそ〜〜〜。早く韓国行きたいです。


今週はここまで!また来週〜。

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