古きを尋ね新しきを知るワイン“Maître de Chai(メートル・ド・シェ)”
7月30日に、新入荷ワイナリー
「Maître de Chai(メートル・ド・シェ)」の社内ZOOMセミナーを実施!
しかも、生産者の「アレックス」と「マーティン」にも参加してもらいました!!
もちろん、既に味を試したりテクニカルを確認したりはしていましたが、ご本人たちの話を聞けることは本で読んだ知識以上の学びがあります。
ということで本日は「Maître de Chai」の魅力を深掘りしたいと思います。
今回は主に「哲学編」です。
長文ですのでお時間ある時に是非。
《2人の出会い》
「Maître de Chai」の共同生産者であるアレックス・ピッツ(Alex Pitts)とマーティン・ウィンター(Martin Winter)。
2人は10年ほど前に、2つ星レストラン『サイラス』で料理人として一緒に働きます。
その後アレックスはフレンチランドリーでも働き、後にスコリウム・プロジェクトのアシスタント・ワインメーカーとして従事。
マーティンはソムリエとしてメドーウッドで働いた後、レオ・スティーンの元で醸造を学びます。
《メンターとの出会い》
様々なレストランで経験を積み、料理に対して飽くなき興味持った二人は、その作成の過程がワインにも通ずるものがあるという信念を持ち、ワイン造りを目指すようになります。
2人がレストランで働いているときに、幸運にも2人に道を示してくれるメンターと出会います。
それが「エイブ・ショーナー」と「レオ・ハンセン」です。
お二人の師匠ですね。
ワイン醸造についての正しい教育を受けていなかったアレックスとマーティンは、2人から醸造技術と共に以下のことを深く学びます。
・30〜40年前のワイン造りの作法を踏襲すること
・手を加えすぎない栽培と醸造に徹すること
・目新しい葡萄品種のみにフォーカスし過ぎず、目の前にある素晴らしい畑の葡萄に目を向けること
これらの信念を学び、自分たちのワイン造りに生かしてゆきます。
《Maître de Chaiという名前の由来》
エイブ・ショーナーがアレックスにつけたあだ名が由来です。
セラー管理者という意味で、自分たちがかつて料理人だったこともあり、フレンチレストランの役職の中に様々な名前があることから、Maître de Chaiが自分達に当てはまるピッタリな名称と感じたようです。
《エチケットの由来》
1883年に出版された「THE WINE PRESS & THE CELLAR」のイラストからインスパイアされました。
この本はこの時代のものとは思えない、緻密なワイン造りに関しての参考書であり、2人が非常に影響を受けた本でもあります。
この本の表題にあったイラストを見た二人が、
「絶対これをエチケットに使おう!」
と思ったそうです。
《Maître de Chaiのポリシー》
・高樹齢の健全な古木でワインを造る
・畑がオーガニックであること
・カリフォルニアで禁酒法前に造られいたワインを目指す
「Maître de Chai」では最も古い樹で樹齢が100年以上のものから、若くても20年程の樹齢のブドウからワインを造っています。
もちろん畑がオーガニックであることも重要な要素で、健全な高樹齢のブドウから自分達らしいワインが産出されると信じています。
何も足さない昔ながらの造り方からできあがるワインには、温故知新で、クラシカルでありながらハッとさせられるスタイルです。
《まとめ》
今後のカリフォルニアのワイン造りは、もはやサスティナブルでなくては存続が難しくなってきています。
使用するブドウは最低でもサスティナブル農業で、できればオーガニック、もしくはビオディナミのブドウであるべきと考えてます。
更には自分たちのワインは培養酵母を一切使用せず、自然酵母のみを使用しています。
また、酵素等の添加物は使用しません。
もちろん補酸もしませんし、So2の使用も必要最小限です。
ほとんどの場合、濾過や清澄もしません。
新樽も使用せず、大きな旧樽しか使用しません。
こういったことから「Maître de Chai」は自然派の部類に入るワイナリーと言って頂いて問題ありません。
ワイン造りの哲学は料理と通づるものがあり、栽培家さんとのリレーションから、最上の「素材」を手に入れ、最小限な人の手の介入でワインを造ってゆくことを目指します。
最後に…
日本のお客様に私達の造った「何も足さない、何も引かない」「古くて、新しい」ワインを是非味わって頂きたいとの事でした。