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チョコに合わせるワイン

バレンタインデーの今

バレンタインデーは「告白の日」というのが化石化しつつある2023年。そもそもバレンタインデーは、日本においてチョコレートを売るためのマーケティング戦略の成果として定着した。女の子がチョコをあげて、男の子に好意を伝える告白の定番イベントとして1980年代には一般化していた。
ところが、2000年代に入り少し趣向が変わってくる。「友チョコ」というキーワードとともに女の子が女の子にチョコをあげるイベントに少しづつ変わってきた。それがここ数年、再び姿を変えてきた。
ここ数年でバレンタインデーは1年に一度のチョコの祭典で、自らが世界中のチョコを楽しむイベントに変わってきたのである。

こちらの意識調査によると、本命パートナーへの購入金額よりも自分への購入金額が超えている。この「本命」というのも既に恋人や夫であることが多いだろう。バレンタインデーは「告白」の日ではないのだろう。
さらに特筆すべき点は自分へのご褒美が今年は伸びている。

「あなたにとってバレンタインとは?」という設問に対して「自分へのご褒美」と回答したユーザーは、2022年に39.7%だったのに対して2023年は46.4%と増加しました。
婦人画報のお取り寄せ調べ

もはやバレンタインデーは誰かに告白したり、感謝の気持ちを表現したりする場ではなく自分へのご褒美のイベントになってる。


チョコとの相性はカカオの含有量が大事

さて、せっかくの一年に一度のチョコの祭典。チョコにワインを合わせて楽しみたいところ。
一口にチョコに合うワインと言ってもカカオの含有量によって味わいが違うので先ずはチョコをカカオの含有量で分類する。明確には定まっていないが、一般的にカカオの含有量によってチョコは分類されている。

カカオマス20%〜40%

一般的にミルクチョコやハイミルクチョコと呼ばれる。色はミルク色で口当たりがよく、なめらかでクリーミー大人から子供まで食べやすい味。

カカオマス40%〜70%

ビターやダーク、ブラックチョコなどと呼ばれる。乳原料の有無で少しづつ味わいが変わるが、甘みと苦味のバランスが丁度良く、ほろ苦い味わい。

カカオマス70%以上

ハイカカオチョコレートと呼ばれる。カカオの苦味がしっかりとあり、カカオマスのコクを楽しみたい大人のチョコ。

カカオマス0%

カカオではなくカカオバターを使ってできるホワイトチョコ。カカオを含んでいないために白く、苦味がない。

カカオマスの含有量によって味わいもだいぶ変わるので、相性のいいワインも変わってくる。


チョコとワインの甘み

チョコの甘みってかなり強い

ワインとチョコを合わせる上で一番難しいのはチョコの甘みはワインと比較して格段に甘いこと。カカオマス含有量70%のチョコでもかなり甘い。なのでチョコを口に含んだままワインを飲むと、どうしても渋く感じてしまうし、タンニンを強く感じてしまいます。
一番簡単な方法は甘めのワインをチョイスすること。その上で、カカオマスの含有量と合わせながら、カカオの香りニュアンスがあるワインを合わせていくと上手くいきます。
カカオの香りがするワインは結構あるのですが、いまいちワインと合わないのは甘みが格段に違うことがあります。


ミルクチョコには

ランブルスコとの組み合わせではミルクチョコの軽いビター感と心地よいワインの甘さがなめらかに溶け合います。ランブルスコはイタリアのカジュアル定番スパークリングワイン。種類も様々あり、1,000円以下のリーズナブルなものもあります。チョコと合わせるならアマービレ(スパークリングワインで残存糖分が12~45g/)の甘口タイプがオススメ。

ビター系チョコには

甘さが控えめのビター系とは口当たりがよく、やや重厚感がある赤ワインがおすすめ。プリミティーボは果皮が薄いブドウ品種で渋みが控えめ酸味も低いのでビター系チョコレートとの相性は◎カカオっぽいニュアンスがあるプリミティーボがあれば最高の組み合わせ。


ヴァルポリチェッラのリパッソも相性がいい。リパッソは陰干しして糖度を高めたブドウで作るヴェネト州のワイン。ネグラールのリパッソは口当たりが軽くバニラの風味がしっかりとあり、チョコと理想的な相性。



ハイカカオチョコには

ハイカカオチョコレートは渋みが強いので重めの赤ワインとも相性がよい。なので、思い切ってカカオの香りに合わせることをオススメします。

こちらのバルベーラはカカオの香りが非常に強く、バルベーラ自体がタンニンが滑らかで、そこまで重さを感じさせない。ハイカカオチョコと合わせるとカカオのハーモニーが口の中で高まり合い、グッとチョコとの深い相性に引き込まれます。


ホワイトチョコには

そもそもホワイトチョコってチョコなの?という話もありますね笑
ホワイトチョコはポリフェノールを含むカカオを含有していないので赤ワインだと苦味が強調され過ぎてしまいます。アマストオーラのドルチェヴィータは柑橘系のスパイシーな風味があり、ミルクチョコの単調な味わいの輪郭を広げ、大人の食後時間を演出。


また、酒精強化ワインもいい。
酒精強化ワインとは、醸造工程中にアルコールを添加して、ワイン全体のアルコール分を高め、雨宮、コクを持たせたワイン。イタリアワインだとシチリア島のマルサラ酒が有名で、ティラミスを作る時などにも使われる。

マルサラ酒とミルクチョコは口の中で、ゆっくりと甘みが溶け合い非常に心地よいが、アルコール度数が高いので悪酔いには注意が必要。

まとめ

甘めが強めのワインが合わせやすい

今回いくつか挙げたワインの組み合わせですが、個人的にはミルクチョコ×甘口ランブルスコが良かったです。チョコらしい甘さを保ちつつも、ワインのブドウの味わい、香りも楽しめてアルコール度数が低いのでグイグイいけちゃう。色も赤のスパークリングなので、見た目でも華やかさを演じられますし。さらに、バレンタインはチョコのイベントなので、チョコが主役。ワインの価格を抑えて、チョコを高品質なものにしたいところですよね。
その点でもランブルスコはリーズナブルな商品も多くあるので買いやすい。
ただ、甘めのランブルスコ。「アマービレ」という表記があるものを選びましょう。





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