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ロゼワインは甘くない

夏の季節になると、ひんやりと冷えた一杯のロゼワインは、見た目にも心地よいリフレッシュメント。
ただ一方で「甘い」というイメージがつきもののロゼワイン。今回は、そんなロゼワインのイメージを払拭すべくロゼワイン歴史や製造方法、おすすめの飲み方など、ロゼワインに関する様々な情報をご紹介します。

ロゼワインの歴史と製法

ロゼワインは古代エジプト時代から存在していたと言われています。その後フランスで発展し、世界中で愛されるようになりました。
フランス南東部の地中海沿岸に広がるワイン産地プロヴァンス地方は、生産量の約90%がロゼワインというロゼワインの一大産地です。

ロゼは気取らずにグラスも何でもいい


ロゼワインは、通常の赤ワインとは異なる以下の製造方法で作られます。

  1. セニエ法
    黒ブドウを漬け込み、流れ出た果汁のみを抜き取り発酵させる方法。他のロゼワインの製法と比べて果皮や種を漬け込んだブドウの果汁を使って発酵させるので、色合いが濃くタンニンが多く含まれているロゼワインになります。

  2. 直接圧搾法
    黒ブドウを使って白ワインの製法で造る。短時間で圧搾した後に、果皮や茎、種などを取り除いてから発酵させる製法です。色素の抽出が短時間ですので淡いピンク色のロゼワインができます。色合いは非常に明るく、透明感があり、軽やかでフレッシュな味わい。

  3. 混醸法
    黒ブドウと白ブドウを混ぜて造る製法。混ぜるという表現から液体の赤ワインと白ワインを混ぜるように間違えそうですが、それはシャンパーニュだけに許されている製法で限定的です。
    混醸法は材料段階で黒ブドウと白ブドウを混ぜてから、発酵させて醸造します。


イタリアのロゼワインは?

イタリアのロゼワインは一般的にフレッシュで軽快な味わいが特徴です。
ざっくりいうと辛口。華やかな花の香りが楽しめる一方でミネラルが多い味わいが多いです。

Casamiaで一番イタリアのロゼワインの特徴をよく表していると思うのがマルケ州のロゼワイン。

マルケ州はアドリア海に面して南北に173kmにもおよぶ海岸線では漁業が盛んな州で、そのテロワールを感じさせる味わいが特徴なワインです。魚介系の料理なら勿論。イカスミのパスタとの相性は最高です。


他に産地としては赤ワインの産地であるトスカーナ州。サンジョベーゼ主体の赤ワインが多い産地なのでサンジョベーゼのロゼワインが多くしっかりタイプが多いです。


ヴェネト州では自然派ワインのロゼフリッツァンテを多くみかけます。フリッツァンテは微発泡性のワイン。微発泡は喉をするすると入っていくので今の時期オススメ。

するする喉に入る自然派のロゼは料理しながら飲みたい


そういえばヴェネト州といえば、イタリアを代表するスプマンテのD.O.C.プロセッコもロゼが2021年1月に解禁となりました。こちらは賛否両論のようですが。。


アブルッツォ州ではモンテプルチアーノダブルッツォ種を使ったロゼワインが有名。
アブルッツォではロゼワインはチェラスオーロと呼ばれております。モンテプルチアーノダブルッツォ種で造る赤ワインタンニンがしっかりとしたタイプです。チェラスオーロは、いい感じで角が取れ果実味が強いが飲みやすいロゼワインになります。


カラブリア州では以前noteで紹介したマリオッコ種を使ったロゼスパークリングがおすすめ。


いずれにせよ甘口は少なく(というよりもCasamiaには1本もない)どれもスッキリとしていて、ミネラルが豊富。ちょっと華やかさをもった飲みやすい辛口ワインが多いです


ロゼワインの楽しみ方と料理

 ロゼワインは赤と白の個性を併せ持つので、さまざまな料理との相性が抜群です。皿数が多い日本の家庭料理や和食とも合わせやすい。
それよりも何と言っても美しい色。ワインって味も大切なのですが、食卓にずっと並ぶので美しいロゼカラーのボトルはおいておくだけで気分が高まります。

ロゼワインは夏の日差しに映える

まして夏の強い日差しでしたら、なお一層鮮やかに輝きます。
あれこれ考えず、ロゼワインを1本買っておけば大体料理と合うので大丈夫です!(ソムリエ失格ですね笑)
それくらい気軽に楽しんで欲しいのがロゼワインです。


ロゼワインなぜブレイクしない?

さて、そんなロゼワインですが何故かブレイクしない。
だって、これだけ華やかでバエルのにSNS全盛の今の時代で何故ブレイクしない?って思いますよね。
ワイン業界は数十年くらいロゼワインをブレイクさせようとしているのですが、何故かブレイクせずオレンジワインが登場してしまう。もう諦めムードさえありますね。

店頭で接客してて感じるのが以下のあたり

  • 甘いというイメージ

  • そもそも最初から選択肢にない

  • ギフトでロゼはギャンブル

甘いという意見はダントツで多い。特に年配のお客様に多い。これは昔に日本に入ってきたロゼワインが甘かったというのが一番の理由のよう。
ギフトでロゼは確かに難しい。ここは無難にいったほうがいいですが、自宅で楽しむなら選択肢にいれて欲しいところ。

ワイン選びって、ワイン好きになればなるほど冒険しずらくなります。好みのワインと違っていたときのショックが大きいので。
そんな方こそロゼワインを選択肢にいれて欲しい。ロゼワインっていうカテゴリーが加わるだけで一気にワイン選びの選択肢が増えます。


イタリアワインで甘いロゼは殆どない

庭先で飲むロゼワインがオシャレ

結論として、イタリアのロゼワインは甘口は少なくミネラル感のある辛口が多い。夏の季節にぴったりのワインであり、その爽やかな味わいと美しい色合いが魅力です。
料理との相性も外れにくいので美しい色に惚れて、あれこれ考えずに気軽にロゼワインの世界に飛び込んで欲しい。

ぜひ、今年の夏はロゼワインを楽しんでみてください。きっと新たなワインの魅力に出会えることでしょう。

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