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タスマニアでワイン作り〜タスマニアに行くまで経緯と準備編〜

こんにちは。こちらはオーストラリアのタスマニアでのワイン作り生活の記録となります。今回は、タスマニアに渡航するまでにどんな準備をしたかを書いていきます。

WWOOF(ウーフ)という形を選択

私はここに来る際、お給料は貰わず、宿泊施設と食事を提供してもらうWWOOFボランティアの形式を選びました。オーストラリアのワイナリーでワイン醸造チームの一員として雇ってもらうには、醸造経験が最低でも3年以上必要なところが多く、とても狭き門です。更に今回の目的はワイン醸造の経験を得ることで、お金を稼ぐことではなかったので、この形を選びました。

WWOOF(World Wide Opportunities on Organic Farms)ボランティア(通称「WWOOFer」)とは食事、宿泊施設、そしてホストの生活様式や文化について学ぶ機会と引き換えにオーガニック農場での手伝いを提供するもの

私の場合、滞在しているワイナリーはオーガニックではないですし、WWOOFウェブサイト経由での申し込みではなく直接ワイナリーにコンタクトをとって進めましたので、正確に言えばWWOOFではありませんが、コンセプトとしては上記になります。

興味のあるワイナリーのリストアップ

せっかくであれば好きな品種であるピノノワールとシャルドネで高品質なワインを作っている場所に行きたかったのでタスマニアを選びました。

タスマニア島は、オーストラリアの最南端で、南極に近いので気候は冷涼。昼夜の寒暖差が大きく、ブドウ作りに適しています。自然も、オーストラリア本島にはない、多種多様な木々と植物、動物たちが生息しています。最も空気が澄み切っていて美味しい場所と言われているんです。

タスマニアンデビル

タスマニアといえば、オーストラリア内では美食とワインで有名。野菜、フルーツ、ビーフ、サーモンなど“タスマニア産”とつく食品はちょっとしたプレミアム品になっています。日本で言うと北海道産、みたいな位置付けかな。

タスマニアンチェリーは西オーストラリアでも結構見ました。日本にもタスマニアンビーフを取り扱ってるお肉屋さんがあると聞きました。


以前タスマニア旅行を計画した際、ある程度タスマニア各地のワイナリーは調べていました。WSETの先生に教えてもらったり、自分でGoogleで調べたりした、美味しそうで雰囲気の良さそうなワイナリーのリストがあったので、片っ端からコンタクトしていきます。

まずは20軒ほどのワイナリーに送ってみました。

ホストと電話して詳細確認

翌日、一軒のワイナリーから“We can definitely help you!” と前向きな返事がありました。他のワイナリーからも、4軒くらい返事がありましたが、宿泊させてあげる場所がない、と言うのが主な理由でお断りの内容でした。

翌日、OKをもらったワイナリーと電話をすることに。以下のことが判明しました。

  • こちらのワイナリーではブドウ畑はあるが、醸造設備がないので隣のワイナリーでワイン作りをしていること。そのためワイン作り自体はお隣で行う形になること

  • ワイン作りは4月〜5月初旬がメイン。3月にくれば畑仕事も経験できる。

  • ワイン以外にもジンやビールなど色々作っていること

  • 以前パブを経営していた経験から、顧客目線で売れるワインを作っていること

  • 彼らとしてもWWOOFerの受け入れは初めてなのでフレキシブルにお互い満足いく形でやっていきたいこと。

  • 1日の労働時間は4時間くらい

  • 宿泊部屋は、セラードアに隣接していて、以前は宿泊施設として運営していたものであること

  • ファミリーの家族構成、バックグラウンド

この条件で良ければ是非きて欲しい、ということだったので、一旦持ち帰って考えることに。

住む予定の部屋の様子などは、動画を送ってくれたのでかなり詳細に理解できていました。元々お客さんにお金をとって貸していた宿泊施設なのでとても綺麗で素敵なところ。

セラードアに隣接した、ブドウ畑を一望できるお部屋


翌日、家族とも相談し、ぜひ行かせてほしい、と返事をしました。

しかし、私にとっても受け入れホストにとっても初めてのWWOOF生活で、仕事もプライベートもどうなるのか全く見当もつきませんでした。

渡航前に準備したこと 

ワーキングホリデービザ

まさかこの年齢になってワーホリビザを申請する日が来るとは夢にも思いませんでした。正直、たった2か月の滞在なので旅行ビザでも行けるのでは?と思いましたが、移民局に問い合わせたところ、「オーストラリア人がやって給料が発生する仕事であれば、ワークビザが必要」とのことでした。グレーなことをして、万が一でもオーストラリア入国禁止などになったら大変なので、ここは正攻法でいきました。

マニュアル免許

ホストが自由に使って良いよ〜と言ってくれた車がマニュアル車だったので、マニュアル車を運転できるように取得しておきました。正確にいうとオートマ車限定の免許は持っていたので、講習と試験を受けてオートマ限定解除をした形です。

オーストラリアはマニュアル車がとにかく多い。車検がないこともありますが、マニュアル車の方がメンテナンスが容易らしく、20年前のマニュアル車も普通に走ってます。

オートマ車が主流、かつ世界ではEV車にシフトしている中で、今更マニュアル免許取ったの、という感じですが。笑

加速する時にギアチェンジをする感覚は車を運転している感じがあって結構好きなので今後も機会があれば乗りたいなぁとはおもいます。

こんな感じのマニュアルのピックアップトラックです

ちなみにワイナリーの現場では、タンクや樽の移動などで頻繁に使用されるフォークリフトを運転できるとかなり役立ちます。オーストラリアのワイナリーで働きたいなら必須スキルかも。

食事編

私は食べることが大好きで、かつ結構拘りがあります。そのためオーストラリアの田舎での食生活にかなり不安を感じていました。食品系は重いのであまりスーツケースに詰め込むのは現実的ではないかなと思い、以下を事前に郵送しておきました。

  • ル・クルーゼの炊飯鍋とお米(ちゃんとした炊飯器がないかもな、、と思い)

  • 日本食用調味料一通り: 醤油、酒、みりん、お酢、出汁パック

  • おにぎり作る用のふりかけ、梅干しなど

  • ポカリスエット: ハードワークの時の水分補給、それから風邪を引いた時用

  • 蕎麦茶、緑茶、ハーブティー、コーヒー粉(ドリップ出来るように、ドリッパーと紙フィルターも)

  • レトルト食品を少し

  • 日本のお菓子

結果、ホストが用意してくれる食事が最高に美味しく、自炊をしなかったので調味料などは殆ど使いませんでした。ただ途中から無性にお米が恋しくなり、お昼におにぎりを作っていたので、色々送っておいて正解でした。

生活用品

衛生用品は、オーストラリアで買えると思い、最低限のものだけ持って行きました。オーストラリアにはナチュラル指向で高品質なブランドが沢山あってスーパーなどで普通に売っています。

ただ、洋服だけは、サイズの問題もあるので色々持って行きました。タスマニアでは秋から冬に差し掛かって朝晩とても寒いけれど、日中はすごく暑くなるので重ね着が基本。

普段は長袖Tシャツ、トレーナー、ウルトラライトダウンにジーンズ。
作業着はワークマンで買った防水ズボンに速乾のシャツ。何せクリーニング作業などで濡れたりぶどう液を浴びることもしばしばあるので、これは大正解でした。最後の方は真冬のダウンがあってもよいかも、と思うくらい寒かったです。

準備は以上です。

急に不安に襲われる出発前夜

私はタスマニアに行く直前の2月まで、西オーストラリアのパースに滞在していました。そのパースから帰国して、2-3週間後にタスマニアに発つスケジュールでした。日本一時帰国中は、役所系の手続きを始め、友達と会ったりマニュアル免許取得したりと忙しく過ごしていました。

そして気づいたら出発前夜。急に猛烈な不安に襲われました。

「冷静に、とんでもなく無謀なことしようとしてないか?」

今さら気づきました。ホストはエージェントを通して探したわけでもないし、契約関係も何もない。すごく意地悪な人がいたり、酷い生活環境や仕事内容だったらどうしようと。。そもそも空港に本当に迎えに来てくれる?

元々すごく心配性なので、色々考え出すと泣きそうになりました。笑

最後は、何か酷いことがあったら帰ればいいや!と開き直りました。

よく考えるとこんな突飛な行動を現実に移したのは人生で初めてかもしれません。

大学生の時、フロリダのディズニーワールドで1年間働くプログラムに応募した時のことを思い出しました。エッセイを書き、面接を受け、晴れて受かりました。大学を休学して行く予定でしたが、親の猛反対にあい、泣く泣く断念することに。結局大学をストレートで卒業し、普通に就職し、サラリーマンになりました。今でも、あの時もしディズニーで働いていたら今頃どうなっていたかな、反対を押し通しても行けば良かった、と思うことがあります。人生一度きり、やる後悔よりやらなかった後悔の方が大きい。だから、今回は誰に何を言われても、絶対に行こうと思いました。

次回、行った結果がどうだったか、タスマニア生活の振り返りで書きたいと思います。

読んでいただいてありがとうございました😊




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