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NuRAD 非公式カスタマイズ3.(ネックを短く、他アルミ棒活用)

前回の「カスタマイズ2」で本体のカスタマイズはほぼ満足した、と書いたものの、それでも気になることもあって引き続きカスタマイズ。ネックを短くすると良いよ〜という意見に触発されてあれこれ試してみて、ついでに余ったアルミ棒でいろいろやってみたので記事にしてみます。
なお、非公式カスタマイズですので実行するとメーカー保証はされません。自己責任でおねがいします。
  前々回:その1・水分対策
  前回: その2・アームレスト、エクストラセンサー移設他

長いので結論だけまとめると

・ネックを5.5cm短くしてアルミ棒28cm、ちょっとだけ曲げを大きく、が気に入った。
・アルミ棒への導通リード線を外して、別リード線で左右親指にエクストラセンサーを持ってきた(ネックに水分がかかっても誤作動しない)
・あまったアルミ棒でストラップホールの位置を調節できるようにしてみた
・あまったアルミ棒で腹レストをつくってみた
・「魔法の両面テープ」でケース隙間の水分侵入防止シールに成功

ネックを短く/長くカスタマイズ

 2022年初頭くらいからでしょうか、NuRADのネックのアルミ棒を短くすると吹きやすいよ、というカスタマイズが話題になりまして、おそらく宮崎隆睦さんがGarage99さんで依頼してカスタマイズしたのが最初ではないかと思いますが、河原塚ユウジさんがアルミ棒を買ってきて自作でカスタマイズされたという情報を拝見しまして、自分でもやってみました。

Twitterによれば厚み3mm✗幅12mmのアルミ棒ということで、近所のホームセンターで探したのですがピッタリのが無く、amazonで探して買いました。

普通のシルバー色でも良いのですがなんとなく人と違うのが良くてブロンズ色を選択。ブラックもありますね。1m ✗ 4本も使わないとは思ったけどしかたない。

他に準備するものは、金属用のノコギリと、充電式ドライバー、金属用のドリルセット、ペンチ、バリ取り用のヤスリor紙ヤスリくらいでしょうか。道具は上を見たらキリが無いですがまあ、家庭用の廉価なやつでとりあえずは事足ります。ドリルセットだけ持ってなかったので近所のホームセンターで1000円くらいのを買いました。

NuRADを分解してオリジナルのアルミネックを取り出します。ネック部分のをカバーしている樹脂部品のところのネジを合計4つ外せば良いだけなので簡単です。
オリジナルのアルミ棒は僕の実測で33.5cmでした。先の河原塚ユウジさんのTwitterによれば推奨は27cmとのこと。それを狙ったのですがちょっとアバウトになってズレてしまって26.5cmで一本目切断。少し長めのも試そうと29.5cmも作成。思い切り長めのも試そうということで余りの43.5cm(実測)をそのまま使用。いろいろ試してみると26.5cmでは少し短いようにも感じたので間をとった28.0cmも作成。写真はこんな感じ。

オリジナル(一番上)と自作アルミ棒ネック

一番上がオリジナルのネックです(青いカバーがしてあるのは後述)。この穴の位置にあわせてドリルで穴を開けます。穴は最小3mmのドリルでOKですが、手動で穴あけするとどうしても位置が微妙にズレてしまうので穴の大きさで調整。最大4.5mmでも大丈夫でした。先端の曲げはペンチでクイッとします。先端から少し下の箇所の微妙な曲げは手で曲げられます。曲げられるけれども強度が低いわけでは無さそうでオリジナルと同じ位で問題なかったです。

長いネック (結論:イマイチ)

で、まずは一番長い43.5cmから試してみました。
息を入れるチューブの長さが足りなくなるので、前々回使ったチューブとコネクターで長さを継ぎ足します。きちんと繋げば一応息漏れも無く使えました。チューブが長いためか、マウスピース噛み噛みビブラートの反応が少し変化しましたが、感度調整すれば問題なくなりました。ネック先端はオリジナルよりは結構深く曲げまして、割と正面を向きつつNuRADは下に構える感じ、アルトサックスの感じに近いにしてみました。長さ的には写真の感じで、一緒に持っているEWI-USBと比べると、右手の高さがEWI-USBと同じになった感じですね。第一印象は長くて大きい分、アルトサックスのストラップがそのまま使えたり、どっしりした感じで悪くはなかったし、問題なく使えことは使えるのですが、しばらく吹いてみると、ネックが長すぎるためかわずかにネックがたわむ感じがあるのと、支点(ストラップホール)からの距離が長いのでグラグラ感が少し増えてしまった感もあり、結論としては、使えるけどイマイチ、というものでした。

ネック43.5cm (右手は比較のEWI-USB)

短いネック (28cmが気に入った)

 次に一番短い26.5cm。ネックの曲げはオリジナルと同じ位に調整。写真は無いけど組み立ててみると、短かい!ちっさい!ってことで、長いのがテナーサックスって感じなら短いのはカーブドソプラノ、って第一印象。ネックの長さを変えるだけで軽快になって反応まで良くなった気がするのは不思議な感じ。短くすることで、ストラップの支点と口で加えている支点までの距離が小さくなったせいか、演奏中の本体の揺れも少なくなり、確かに安定します。
 AKAI EWIやサックスは、ストラップと右手親指と口の軽い支えの3点で安定して支えられる構造になってますが、NuRADって右手親指が本体の中心軸から右にずれているのでこの3点では支えられないのが安定が悪い原因のひとつだとは思っていまして、ネックを短くすることで、ストラップと口だけで支えられる割合が少し増えるのもネックを短くするメリットだなと思いました。(アームレストを使えばストラップ無しで両手と口だけで支えられるのですが僕はアームレストにどうしても慣れなくて・・・左右の手が同じ高さなのは違和感ないのですが全体的にもう少し細くして右手親指が中心軸上にあったらどうかとは思う)

ただ26.5cmだと僕の場合はあまりにも左手が窮屈な印象があったので、29.5cmを試してみると、今度はもう少し短くても良いかな?という感じ。棒を短くする前に、ネックの曲げを増やしてみたら下に構える時は悪くないのですが上に構えるときはなんかやりにくい、ということで、最終的に、
28.0cm、ネックの曲げ角度はオリジナルよりほんの少し深く
で落ち着きました。ちなみにEWI3020と比べるとネックの角度はほぼ同じ、左手キーからマウスピース先端までは1cmくらい短い、というところとなりました。なので、このあたりのネックの長さは左手高さをEWIに合わせた長さ、と言えるでしょう。

ネック28.0cm  下はEWI3020

ネックの導通を無くす(エクストラセンサー誤作動対策)

アクリル板でネックをつくる(結論:失敗)

でですね、ネックを変えてみたかったのは、長さを変えてみたいということの他に、エクストラコントローラーのセンサー挙動を安定させたい、というのもあったのです。前回書きましたが、オリジナルNuRADでマウスピース付近にある金色プレートがエクストラコントローラーですが、この金色プレートやそれに導電するためのアルミ棒に水分(唾)がかかると、センサーが反応してしまうのですね。このため唾が多い私としてはマウスピース付近にある金色プレートは使用を断念し、アルミ棒の導通をアルミテープでひっぱってきて裏面右手・左手親指で操作するように改造しておりまして、だいぶ安定はしたのですが。やはりアルミ棒に水分がつくとセンサーが反応してしまうという点は変わらなかったため、最上部の写真のようにアルミ棒の露出部に熱収縮チューブを何重にも重ねて水分の影響をうけないようにしていたのですが、それどもマウスピース直下のところに水分がくると誤作動してしまうので、アルミではなく電気が全く通らない材質のネックにしたい!とずっと思っていたのでありました。そこで厚み3mmのアクリル板を切断して、3✗12✗300mmのアクリル棒を作成、ヒートガンで温めて先端部を曲げ、上部のネジからアルミテープで導通をとって左右親指付近にもってくる・・・というのを試してみました

アクリル板でネックをつくってみた
本体に装着したようす

ネック上部は導通しないので唾がかかってもエクストラセンサーの誤動作なく動作してそこは思い通りで良かったのですが、アクリル板だけに前後に激しくたわんでしまい、吹奏安定性に欠けること甚だしく、早々にNGと相成っりました。

ネックへの導通線を外す

で、樹脂ネックは無理、アルミ棒を使わざるを得ないので、なるべく本体内部はいじりたくなかったのですが思い切ってこのアルミ棒への導通リード線を外しました。

NuRAD内部

NuRAD内部に見える黄色のリード線が、アルミ棒につながっている線です(アルミ棒を抑えるネジのナットに接続してあり、ネジを締めるとアルミ棒に導通する)。この黄色線のコネクタを外して、かわりに別のリード線をつないで、オクターブローラー裏から外側にリード線を出して、アルミテープでオクターブローラ横、またそこから更にリード線でひっぱて左手親指でもエクストラコントローラーを操作できるようにしました。

ちなみに僕はここにCC1をアサインしておりまして、微妙な値を送ることはほぼ無理でCC1=0または127のON/OFFしか事実上送れませんが、CC1でいろいろ音色のモジュレーションをすることが可能です。なお僕はグライドは右手親指のレバーでかけています。

ストラップ穴増設

ところでまだアルミ棒があまっているので、上の写真の通り、ストラップ穴の位置を、上下いくつか選べるように増設してみました。NuRAD本来のストラップをかけるとことろの棒は、樹脂部品の穴にアルミ丸棒が差し込まれているだけなので、左右どちらかの片方から細い棒で軽くトントンするとこのアルミ棒を外すことができます。で、6cmに切ったアルミ棒に穴をあけて、これを通して再びアルミ丸棒を差し込むだけ。試してみた結果、上にしても下にしても、思ったより吹奏感に影響は無かったのですが、ネックを短くしているぶん短いストラップでないと使用できなくなってしまっているので、一番下の穴だと、純正ネックでなんとか使用できていたストラップがギリギリそのまま使用できるレベルなのでその意味では意味はあるかもですね。

腹レスト作成

さらに、まだまだアルミ棒は余っているので、以前アームレスト自作時に思いついて試しに使っていた腹レスト、これをアルミ棒を使ってもう少ししっかり作ってみました。以前のはアームレスト装着用の本体横の穴を利用しているのですがこの穴が、そろそろ樹脂に亀裂が入ってきてヤバい状態であるというのもありました。
 28cmのネックで使った残りのアルミ棒72cmをペンチと手で強引に曲げまして、お腹との距離約12cmの台形を制作。以前ネックのカバーとして買っていて余っていたスポンジカバーをかぶせて

スポンジカバーをかぶせてる途中。

NuRAD本体に両面テープで貼り付けつつNuRAD本体のネジも利用して固定。

かさばるので運搬性は悪いけど、いざとなればドライバー一本で簡単にはずして運べるし、狙ってはいなかったけどスタンド無しで自立するし、自分の体でNuRADを支えられるので演奏時はとても安定します。しばらくこれで試してみようと思います。
 あと、ついでにWii Remoteもくくりつけてみました。外部ソフトと上手く連携するとWii RemoteをモーションセンサーのBluetooth MIDI送信機として使えるのです。これについては別途noteに書きますが、とりあえず演奏例は下の動画。腹レストの感じ、エクストラセンサーの使用例(冒頭、黄色LEDが点灯して5度上の音が鳴るところ)としても。

なお、マウスピース付近のエアチューブのごちゃごちゃしてるとことか本体前面の小さなアルミテープとかについては、前回・前々回の記事で書いております。

「魔法の両面テープ」でケース隙間からの水分侵入防止に成功

最後に。
腹レストでも使用した両面テープ、「魔法の両面テープ」というやつなのですが、これが、これまでずっと悩みの種だった、"NuRADのケース隙間から水分が侵入するのを防ぐ"ためのシール材として最適と思ったのでご紹介します。

透明でとても伸びて、隙間に挟むと変形して隙間を埋めてくれて、強力に粘着するけど剥がそうと思えばきれいにはがせる、というスグレモノでございます。
NuRADの上部は場合は結構隙間があってここに唾が一滴でもかかると運指キーのところにまで浸透してショートして運指ができなくなる・・・等のトラブルが起こります。経験された方も多いのではと思います。唾の多い僕としては粘着テープで保護していたりしたんですが、下の写真でも見える背面側のフッ素テープはベタつかないので良いのですが色が悪く表面に使うのはカッコ悪くてNG、表側はとりあえず普通の透明ビニールテープを使用していましたが、夏場暑くなると予想通りベタベタしてしまい、掃除もかなり大変だった、ということから、なんとかこの隙間をシールしたいと思っていて、液状シリコーンパッキン等も考えたのですが結構めんどくさいし、そんななかもしかしたらコレ使えるかも?と思って試してみたら予想以上に良好だったのでおすすめですこの「魔法の両面テープ」。

NuRAD上部のケース隙間を「魔法の両面テープ」でシール

NuRADの隙間に挟んでケースをネジ止めすると伸びて隙間を埋めてくれます。ケースと同じアクリル素材なので透明感もバッチリです。多少はみ出てもあとから少しずつ切り取ってきれいにできますし、遠目からは目立ちません。サイドの細いところも、テープをぐにょーんと引っ張れば幅1mmくらいのヒモ状に出来るので、これを上手に貼っていけばサイド部もしっかりシールして水分の侵入を防げます。ケースを開けたいときも端からゆっくり開いていけば簡単に開けられますし、両面テープの再使用も可能です。1ヶ月くらい使ってみてますが、ベタつきとか可塑剤でケースにシミがつくとかのトラブルも無さそうです。ケース上部から水分が侵入したトラブルを経験したことが有る方、これオススメです。

というわけで、3回に渡るカスタマイズで、水分対策と演奏中の本体の安定性はだいぶ好みになったなあと思っております。ひきつづき肝心の演奏技術の向上にむけて励んでいきたいと思います。まだまだオクターブ超えのピロ音が無くならない・・・・・。。

参考:
  前々回:その1・水分対策
  前回: その2・アームレスト、エクストラセンサー移設他


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