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ドリームハッカーexe.自分

私は7年前からずっと同じような悪夢を見続けている。もう見すぎて明晰夢にできる。医者にそう言うとはて...?と首を傾げるが、本当にそうなのだ。

基本的に夢とは自分自身の中で考えていることが表立って出てくると思っている。あの氷河を思い出すと、海に沈んでいる部分が大半で、そうやって水面下で思っていることを認識するまではただの怖い夢でしかない。
もし、悪夢が自分の中でネガティヴな印象や経験を体現しているなら、夢を見ている間に幸せを感じれば、ハッピーエンドに変えられる、そう思って、もののついでで訓練をしていたことがある。結果は成功、夢だろうがなんだろうがバイタルが安定していれば結末は変わる。
しかし、怖いと見られる表現を目の当たりにしながら幸福を考えるなぞとても難しい。
そこで、例え今幸福じゃなくても、幸せだと感じた時の感覚を思い出してみる。腹の底で暖かくて、気分が少しずつ高揚するあの、感覚。それならまだやりやすいと思い、実際にそれで何度か成功している。

まあ夢も厄介なもので、私が成長すれば当然夢の内容もバリエーションを増やしてくる。近年よく見る改悪アプデはここではやらなくていいのに...とも思うが、それが実際に自分の成長した証でもあるのでやむを得ない。
数年前のある日から、実際に見たこともないくせに、鮮血を見るようになったり、小動物の輪切りやら強姦やらをまあ毎日のように夢で見ることになった。けれどそのパターンは一緒で、タイムリープするなら回避策を取る、そこで死んでもまたやり直せると思えば、ポジティブをそこで感じれば、また巡るか変化するかしてくれる。もちろん不快すぎる夢は現実の自分にダメージを与えるので、必ずハッピーエンドにできるかと言われればそうでもないが、大半は夢の中で自分が想像さえできればなんでもできるようになった。

ただ、それにも条件があり、私がどれだけ想像に再現性を見出せるか、だと思っている。
具体的には、例えばジェットコースターに乗っていて、途中で線路が切れていたとする。そこで、「車両に羽が生えて飛ぶ」ことを想像するとする。しかし、実際に自分はそれを見たことがないし、そんな絵本でもなければ、また浮遊感の感覚も同時に思い起こせないようであるならば、創造は失敗する(ことが多い)。
「包丁で刺す」はできなくとも、「包丁を前に突き出す」ならできる。そういった屁理屈グリッチを粛々とかましていく。そしてそれをするにはやはり想像と、自分が実生活においてどれだけ感覚を繊細に扱うかで、成功確率は変化すると思っている。

そして、夢だと気付いても、「これは夢だ」とはっきり想ってはいけないと思っている。そうなれば最後、画面はどろどろに溶けて、ブラックアウトして永遠の孤独を味わうような感覚に陥る。再構築される場合もあるが、それもまた自分次第...ブラックアウトするのだって、もしかすると自分が「ブラックアウトする」と水面下で認識しているが故に起こっている可能性もあるけれど。もし夢だと気付いても、夢に気付かれないように、感じる程度に留めておく。あとはドヤ顔で幸せになるだけ。感じていても思ってはいけない。この塩梅が大事。

それでもここ最近は、夢もさらに現実とかなりリンクしていて、正直見破れないものを見ることが増えた。個人的にとても悔しい。しかしそれだけ自分の悩みや苦痛/苦痛だったものが鮮明にわかるようになったのなら、あとは治療に活かすだけだ。何にもなれず何もできないから、だからこそせめてもの悪あがきで明晰夢って選択肢を選んだ小さな私は、今の私の役に立ってるよ。

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