見出し画像

身体の「エネルギー分配」を意識する。

一般的に、「ダイエット」というと「摂取カロリー摂取量」に焦点が当たることが多い。

「体重が増えるのはなぜだろう?」
誰も思うこの問いには….

 「体内に摂り入れるカロリーと出て行くカロリーが同じなら、体脂肪は変わらない、
という法則が物理的に成り立つ。
食べ物が身体を動かす燃料として使われるときに、カロリーが消費される。
 だから、体脂肪を減らすには――肥満を解消するには――摂取するカロリーを減らさなければならない、もしくは運動量を増やして消費カロリーを増やさなければならない、あるいはその両方をやらなければならない……..

って言うことで、ダイエットする時はまずは「カロリー摂取制限」と言うことになる。

でも、僕はこの考え方はとても危険だと思う。

なぜなら、人間の身体というのは個々のシステムが独立して働いているわけではない。
エネルギーは常に出たり入ったりしている。
”食べる”という行為により、エネルギーは体内に摂り込まれるが、便となって身体から排出されるものもある。

今日、余分に食べた200キロカロリーは、燃やされてエネルギーに変えられるかもしれない。
あるいは、便として排出されるかもしれないし、肝臓で使われるかもしれない。
我々は体内に摂取するカロリーのことばかり気にしているが、実は消費カロリーのほうが、はるかに重要。

身体の消費エネルギーを決定づけるものは何だろう?  
仮に、私たちが一日に2000キロカロリーの化学エネルギー(食べ物)を摂り入れるとしたら…..この2000キロカロリーはどのような代謝活動に使われるだろうか?  
可能性として挙げられるのは、次のようなもの。

----------
・熱の発生
・たんぱく質の合成
・新しい骨や筋肉の形成
・認知(脳)
・心拍数の上昇
・1回拍出量(心臓が1回の拍動で送り出す血液の量)の増加
・身体運動
・解毒作用(肝臓、腎臓)
・消化(すい臓、腸)
・呼吸(肺)
・排泄(腸および結腸)
・脂肪の生成
----------

私たちは、摂取したエネルギーが燃やされて熱になっても、たんぱく質の合成に使われてもまったく気にしないのに、ことエネルギーが脂肪として蓄えられるとなると気になって仕方がなくなる。

だけど、人間の身体が過剰なエネルギーを消費する方法は、体脂肪として蓄えるほかにも無数にあるのだ。

甲状腺、副甲状腺、交感神経、副交感神経、呼吸機能、循環機能、肝臓、腎臓、胃腸の機能のどれもが、ホルモンによってしっかりコントロールされている。体脂肪も例外ではない。

実際、人間の体には、体重をコントロールするためのシステムがいくつもある。

脂肪が蓄積するのは、実は「エネルギーの分配」の影響とされている。

たとえば、体温を上げるよりも脂肪の合成に使われるエネルギーのほうが多い…
といったこともその要因のひとつだ。
エネルギーがどう消費されるかはホルモンによって自動的にコントロールされるため、
私たちが意識的にコントロ―ルできるのは運動によるエネルギー消費だけとなる。

 「脂肪の蓄積にこれくらい、新しい骨の形成にはこれくらいのエネルギーを振り分けよう」と自分で決めることはできない。

よく言われている「カロリー摂取制限」の理屈を肥満にも当てはめると、摂取カロリーを減らして減量できるのは、消費カロリーが変わらない場合だけということになる。

 だが実際は、摂取カロリーを急激に減らすと、体はエネルギーの収支のバランスをとろうとして消費カロリーを急激に減らすだけで、体重の減少には直接つながらない。

なぜなら、我々がコントロールできない身体の中の「エネルギーの分配」と言う絶妙な仕組みがあるからだ。

むしろ、カロリー摂取制限は場合によって…
体温調節
安定心拍数の維持
血圧
倦怠感
身体の不活発…..
多くの問題に陥る危険性があると思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?