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カナダより、28年前のクリスマスのこと

この記事はひぐちさんのLet'sシェア!外国のクリスマス🎄に参加しています。楽しい企画ですが、まだ空きがあるようなので、もし外国のクリスマスについてお届けできる方がいればぜひ。
クリスマスが近づいて、イルミネーションが綺麗な季節になりました。この投稿では、今年のカナダ、トロントのイルミネーションとともに1993年にカナダで過ごしたクリスマスについてお届けします。


今から28年前のこと。
1993年のクリスマス。私はカナダにいた。

日本では地方の公営住宅に住んでいた私の家には、クリスマスになると30センチほどのクリスマスツリーが飾られた。
幼かったので定かではないけれど、地方に住んでいたし、30年ほど前のことなので、おそらく大きなクリスマスツリーとは無縁だった。

カナダに来てびっくりしたのだが、クリスマスシーズンには生のもみの木が売られる。
ステイホーム期間に一気見したフレンズにもみの木を売る話があるのだけれど、まさにあんな感じで、林のように並べられたもみの木のなかから好きなもみの木を選んで切って自宅に持って帰る。
我が家ではさすがにチャレンジしなかったのだけれど、お世話になっていた父の同僚がもみの木を買いに行くというので、一緒に連れて行ってもらった。もみの木が物珍しく、幼かったので、父と父の同僚が一生懸命二人でもみの木を切ったり担いだりしている傍で、弟と走り回っていた記憶がある。

お正月がないカナダでは、クリスマスは貴重な家族で過ごすお休み。
もちろん他民族国家なので、宗教的にクリスマスを祝わない家庭もたくさんあるだろうけれど、当時こちらでお世話になっていた二つの家族はどちらもクリスマスをしっかり祝っていた。

今ではだいぶ日本でも知っている人も増えていると思うけれど、こちらはクリスマスプレゼントは貰ってもすぐには開けない。貰ったクリスマスプレゼントはクリスマスツリーの下に飾られる。クリスマス当日になると、クリスマスツリーの周りに家族で集まってみんなでわいわいと開ける。

幸運にも先程の父の同僚の家庭のそんな場に呼んでもらい、クリスマスホリデーを祝った。詰め物をされた丸焼きのターキーにクランベリーソース。ジャムはパンにつけるものだと思っていた90年代の田舎娘には、肉にジャムというのが衝撃だったことを覚えている。

東北の公営住宅では、北向きに設置されたお風呂がとても寒く、息が白くなるほどだったのだが、こちらの住宅は、外がいくら寒くてもきちんとあたたかい。そんな暖かい部屋の中、しかも暖炉の前で、暖かいブラウニーと一緒に食べたバニラアイスクリームが、幼い私にとって、幸福の味だったことは想像に難くないだろう。

その年のサンタクロースに何をもらったのかはもう定かではないが、カナダの慣例に従って、コップ一杯のミルクとチョコチップクッキーをお供物のようにダイニングテーブルにおいて、1993年12月24日の夜は更けていった。

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