見出し画像

【書評】なぜ、TikTokは世界一になれたのか?

はい。読んだ。


誰が読むべき?

起業家、特にIT系で成り上がりたい人が一番参考になる。
こういう本は有名な企業ではよく発売される類の本である。
グーグル誕生もあるし、Facebookもある。スティーブ・ジョブズの自伝もそうだし、airbnbもツイッターもある。私は全部読んだことがあるし、グーグル誕生に関しては今も本棚にあり処分するつもりはない。

その他、テトリスエフェクトという本やMinecraftの本もある。Amazonもイーロン・マスクも当然ある。というか羅列もしんどいぐらい全部あるのだろう。

企業がどのように誕生して成長していったのかを知るための貴重な本である。私は結構買って読んだしまうタイプの本だ。今回の本は偶然図書館で借りれたので買っていない。

大成功した企業がどうやって成功したのか? を何十パターンも知れば共通のパターンが出てくることはあるだろう。こういう類の本を一切読まず「上場企業を作りたい」とか言っちゃう若い人は無謀かもしれないし、逆に1冊や2冊本を読んで感化されたぐらいで「やろう」と決意するのも駄目なところだと思う。しっかり考え抜いて戦略(システム全体)を作らないとね。


中身について

さて、そもそもティックトックって名前の由来はなんだろうと思っていたのだが、「時計の針が進む音」だそうだ。日本だと「チクタク】ということになるのかなと思う。チクタクというアプリだったら「時計ね」と私も直感で主うのだがティックトックだとなんのことかわからなかった。海外ではチクタクではないみたい。

インスタグラムを参考にしている
新しいアプリとはいえ、なんの文脈もなく誕生しているわけではないことがこの本を読めばわかる。

グーグルの場合はヤフーのようなポータルサイトでは、検索エンジンで一番重要であるというところに目をつけて、検索エンジン特化したというような流れだったはずだ。(他にも理由はあるのだろうけど)

ティックトックの場合は、動画に音楽をつけると良い感じになることがわかった。最初は動画を作ってから音楽を載せていたが、音楽を選んでから動画を撮影することにしてうまくいったみたいだ。インスタグラムは画像を良い感じに加工できるが、ティックトックは動画を音楽によって良い感じに加工できるのだ。そして、短い動画というのも当然狙っている。
iTunesにAPIがあって使えたことも大きかったらしい。

また、画面の構成やデザインも考え抜かれているということが本を読めばわかる。結局漫画と同様、すべて人工物だ。機能やデザインは全て考え抜かれている。

また、回線速度やスマホの性能の進歩もヒットには欠かせない要因だった。時代の流れをうまく掴んだアプリともいえる。そういう意味で考え抜かれているということがわかる。まぐれで「音楽つけた動画が流行るんじゃね?」ってのりでやってもうまくいかない。というか最初はそういうノリかもしれないが、段々とやっていくうちに洗練されていったのだ。

計算されつくされている

youtubeもそうだが、関連記事というのがある。レコメンド(おすすめ)という機能なのだが、Amazonもこれを導入してから売上が爆発的に伸びた。
noteもおすすめがある、これがとても大事だという話が本書でも書いてある。

ユーザーが何を求めているのかをアプリは知っている。ユーザーに検索してもらうのではなく、アプリが勝手に検索結果を出してくるという感じだろうか。ビックデータによってユーザーが何を求めているのかをアプリ側がすでに知っている世界だ。

関連動画や関連記事がうまく機能しているSNSは膨大な時間をユーザーが費やすことになる。ユーザー側としては時間を奪われていることになるので気をつけたいし、作る側はどのサービスでも導入するべき機能である。

あらゆることをやっている

良いものをつくれば勝手に売れていく世界ではない。
アプリを流行らせるためには何でもするのが当たり前な時代になった。グーグル誕生では一切CMを打たずに成長したような話が書いてあったと思うが、今はグーグルもバンバンCMを打っているし、そういう時代なのだろう。

アプリがプリインストールされているスマホをばらまいた話が書いてあったりする。自分でインストールしなくても買ったアプリに最初からアプリが入っているのだ。それで「登録者数○○万人」と宣伝することも可能になるのではないかw

なるほどと私は思う。アプリをインストールしてもらうひと手間を最初からやってしまっているのだ。そんな形で存在を知ったアプリをみんなが使うのかといえば話が別だが、先日記事にした「最強知名度の作り方」という本にも書いてあるが、存在を知ってもらえなければそもそも意味がないのである。


これから成功するアプリのヒントがわかる

本書を読めば、偶然ではないことがわかる。成功するアプリは文脈がある。
過去にヒットしたアプリを研究して、今の環境ならどういうアプリになるのかを考えればいい。環境とはネット回線の速度やスマホのスペックである。

100人同時接続のバトルロイヤルゲームが流行っているが、今後は200人、300人、1000人と増えていけるだろう。

そういうゲームを作るならどういう遊びにできるのかという発想で考えてみればいいのではないか。

もちろんそれだけではなくデザインや機能も洗練されていなければヒットはしないだろうけどね。

エンジニアとして働いている方はぜひ読んだ方がいい内容だと思うので紹介しておく。

おまけ:投資家として

今度流行りそうなアプリがあれば先に投資しておけば一儲けできるかもしれない。そういう意味では話題になったアプリをいち早く使ってみて、「イケているのか」を確認すればいい。レコメンドはあるのか? デザインは良いのか? 運営者がどこまで命がけでやっているのか?などを確認すればある程度今後のヒットがわかるかもしれない。

そういう目を養うためにも本書は役立つだろう。


手動レコメンドで草(下)