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さおり
2017年10月8日 22:35
少年は空を飛びたがった。ただ、それだけだ。それも飛行機や気球に乗るのではなく、自分の翼で空を羽ばたきたかった。それでいつも、暇さえあれば、背中に念力を送って待っていた。けれど、なかなかその時は来なかった。どんなに強く念じても、背中から翼が生えてくることはなかった。それでも背中に異様なエネルギーを感じることは多々あった。彼はそれを兆候だと信じていた。少年は成長し、サンタクロースの存在を