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元の水にあらず
ゆく河の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。
方丈記。
全ては変わり続けているんだな〜。
人との関係性、好きなモノ、お気に入りの場所。楽しい時間は過ぎ去り、嫌なことがまた起こる。だがそれもいつか終わる。
世の中は目紛しく変わってゆく。素敵な人や嫌な人が入れ替わり立ち替わりだ。
いつの間にか疎遠になった友を思い出す。
時々ふと寂しくなるが今彼らと会っても話は合わないだろう。
我々はどこかの分岐点で分かれてゆく。そのズレは始めはほんの僅かでも5年10年と時間が経てばそれは果てしない距離になる。
今付き合いのある人もまたどこかで別れる時が来るのだろう。この人と学ぶ課題は終わったよという合図だ。
課題をクリアしたことなど人生で一度もない気がするが…まぁ、ともかく人はいなくなってしまう。
元の水にあらず。
たまに、自分だけが同じところにいる気がしてくる。ずっと同じフィールドを行ったり来たりしていて、他者はやがてフェンスを越えて次のフィールドへゆく。僕は見えなくなるまでその背中を見送る。
振り返るとまた新しい人がここへ入って来る。僕はどこへも行かない。
元の水にあらず。
歳をとることで肉体は変わっても、精神は未熟なままだ。人間性を成熟させるようなチャレンジは怖い。魂と魂のぶつかり合いは怖い。高みへ登るそのエネルギーが怖い。
本物は怖い。
怖いなんて感情は若い時は認められなかったかもしれないと、書いていて思った。平気なフリしてひらりと躱していた(少なくともそう出来ていると思っていた)。
今なら怖いと言える。
元の水にあらず。
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