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ニンジャスレイヤーをAoMシリーズから読む/S4_14「アシッド・シグナル・トランザクション」(前)

こんばんは。AoMシリーズから出戻りしました望月もなかです。
今年も残すところあと1ヶ月になりました。あっという間ですね。冬至が近づくと日照時間が激減するため気分が沈みがちになります。これは日本に限らず全世界共通の精神作用なんだそうです(『極夜行』で読んだ)。かくいう私も、日本海側の民である以上、季節性アンニュイとは切っても切れない仲にあります。

〔冬季型うつ 対策〕 🔍
⇒「太陽の光を浴びましょう!」

なるほど簡単な対策っスね――ッ 不可能だという点に目をつぶればよぉ~~!? 日照時間偏差値37県民は地団駄を踏むしかなかった。晴れが恋しい。
もなかさんが(ネオサイタマの住民って日照時間足りてる? )と、たまに気にしているのはそのせいです。みなさん逞しそうですけどね。

前回の感想はこちら。

前回更新分はこちら。
マスラダくんの物語は佳境に差し掛かっている気がするので、次のニンジャスレイヤーのことそろそろ考えてみた的な雑記です。

【前提】望月のニンジャスレイヤー知識

・書籍第一部を3巻まで(中断)
 →6年経過(ほとんど内容を忘れる)
 →『スズメバチの黄色』読了
 →AoMシーズン1〜3読了+後、PLUS加入
 →AoMシーズン4実況+旧三部物理書籍12巻(今ここ)

◇◇◇

今回のエピソードはこちら。シーズン4 、第6話です。

シーズン4:「アシッド・シグナル・トランザクション」(前)

カリュドーンの儀式でサツガイ復活を目論むセトの計算外! それは狩人アヴァリスの正体であった。カツ・ワンソーの黄金の光は八つの影を落とし、影は互いに喰らい合う――アヴァリスはサツガイ復活に用いるはずだった呪物を逆に喰らい、ネオサイタマ市街を邪悪な緑で覆い尽くす。かつてないネオサイタマの危機に、ニンジャスレイヤーはどう動くのか!?

 ♯1

巨大なニンジャ玉座のごとき形状をとり始めるマルノウチ・スゴイタカイビル、ラストバトルでアヴァリスさんが脚を組んで待ち構えてそう。

蝋人形カラテ・ミュージアムのアクション展示物って何?

狂った黄金の光の下、ザナドゥ自身はセイケン・ツキ欲求が湧いてこない。ニンジャである彼は既にセイケン・ツキを内包しているとでも言うのか。

セイケン・ツキを内包しているって何???

ザナドゥくんが緑に浸食された都市を見たときの感想が、何よりも先に「アーティストとして」のものであるのが良かったです。そして、己のグラフィティ・アートで市民たちの気を引けなかったときに彼が抱いた感覚もまた。

(俺よりこの緑が強い)ビル崖から跳び、蔦にしがみつき、体を持ち上げ、また走る。(……そういう事だろう。チクショウ。俺が足りてない。俺のアートが力不足なんだ……!

この後ザナドゥは、赤黒のアブストラクト・オリガミが緑を退けているのを目の当たりにします。マスラダのアートが今なお、アヴァリスの生み出したものに負けない「強さ」を内包しているという事実、それが若きアーティスト仲間の視点を通して描かれたこと、【アシッド・シグナル・トランザクション】はシーズン全体の「つなぎ」に近いエピソードではありましたが、やはりとても大切なパートだったんじゃないかと思うのです。

 ♯2

グラフィティ・アーティストのザナドゥは、暴走車に轢かれ重傷を負った友人ヨウナシを救おうと奔走するうち、僅かながら狂気の浸食を免れた土地があることに気づく。正常領域の中心に浮かぶのは、「彼の作品」であった。

「とんでもない状態です」コトブキが流れ行く緑の都市の景色にコメントした。「人の営みと混沌がせめぎ合っているかのようです……!」

自我があってもオイランドロイドは黄金立方体(緑)の影響受けないんですね。カツ・ワンソー時代には存在しなかった自我だからでしょうか。カツ・ワンソー時代には存在しなかったニンジャスレイヤー(ナラク)の作品が緑を跳ね除けられているのも、その辺りに理由があるのでしょうか。

ニンジャスレイヤーは……「イヤーッ!」いきなり回転ジャンプしたニンジャスレイヤーは(略)、雑居ビルの隙間に飛び込んだ。「これは危険ですね!」残されたコトブキは自動走行するモーターサイクルを前ににじり、自身が運転を引き継いで、ニンジャスレイヤーを追う。

マスラダくん報連相せずにバイクからジャンプするのやめよう。危ないよ。これで事故らないのはひとえに二人の信頼とシグルーンの賢さとコトブキちゃんの凄さによるものですが、だからって一言もなしにジャンプするのはちょっと甘えすぎだと思うなあ!

『そもそも最初からアレだ、急にピザタキに帰ってくるなり、手間を増やしやがった!』「蒸し返すな」

ンフーフフフフフフフフフフッフフフ!!!!
急な痴話喧嘩感に表情筋が崩壊しちゃう!!

この言い方、マスラダにもやはり後ろめたさがあるんですか!? そも儀式に巻き込んだうえに仕事の受注もできずピザタキの仲間にはほぼほぼリスクだけを負わせてしまっているがさらにそこに厄介ごとを持ち込んでしまい、マスラダなりに負い目を感じているから強く出れないけど素直になるのはムカつくのでそういう言い方になっちゃうんですか!!? 自覚がおありなんですかぁ〜! ウヒョー!!(猿シンバル)

フジキドさんの風呂敷づつみ、データ素子はまあわかるんですけど探偵ジャーナルって何よ…なんでもニンジャと決めつける偏向報道の激しいニンジャおじさんには記者の素質も資格もないと思いますが……話は戻りますがデータ素子が入ってるのを知って即タキに解析を依頼しにくるマスラダに改めてピザタキへの甘えを感じて最高の気分になっています。サツマイモめいて甘くて黄金色でうまい。焼き芋食べたくなってきた。

己が追求してきた巨大な敵が、謎の儀式カリュドーンによって、他ならぬニンジャスレイヤーを手にかけんとしていると知ったサツバツナイトの胸中、いかばかりであった事か。それは運命の導き、あるいは避けがたき宿命か。

胸中お察しします(だからといってノー報連相説教からの「なぜなら私は!」をしていいという理由にはならないと思いますが)。

もとよりフジキドは微に入り細にうがった自己述懐をする男ではない。しかし探偵ジャーナルに記された断片的な経緯は、ナンシーの表情に高揚感あふれる微笑みを生ぜしめるに充分だったようだ。

ナンシーさん!? ナンシーさん!!??
なんで笑ってるんですか? やっぱり彼女もおかしいよ!! フジキドさんと同じ速度で並走可能なパートナーがまともなはずなかったんだ!

ネオサイタマ入りしたウーガダルが、(略)に狩人のハンコを血判しようとした、まさにその時だった……彼の横に、サツバツナイトが立ったのは。

怖すぎ、、ホラーじゃん。

そんな堂々と(取引の時間だ)とか言われましても……ムカデさんも大変ですね、たった一度ケイトーの口車に乗ってしまったばかりに若きクレーマーニンジャと縁ができてしまって。

ところでnote版だと「この後ウーガダルさんは傷ひとつなく無事に解放されました」みたいな加筆文があったのでじわじわウケてました。

そしてニンジャスレイヤーが儀式の直接の標的とされているとなれば、なおさら、己の身の安全を構っていられるような状況ではないのだ……!

フジキドさんは心からマスラダくんの身を案じてくれているんだなあ。その気持ちはよくわかります。フジキドさんは孤独に暴走してた自分を救ってくれたドラゴン祖父孫を心の底から慕い、感謝し、自分の受けた恩を次の世代に循環しようと、己のすべきことを模索している。未来ある若者が自分のような思いをしないように心を砕いてくれている。フジキドさんが未来を見つめてくれるようになって私は嬉しい。

……その一方で……親愛度が特に高いわけでもない顔見知りのおじさんに、命懸けで無謀な真似をされることになるマスラダくんの気持ちは……事前にちゃんと確認されたんですか? という沈痛な思いも当然ある。あります。

無断で若手の隠密ボディガード行為を始める上司オッサンがいたら、若手の目にも周囲からもどんな風に映るのかっていう……そういうさあ……ねえ……せめて事前に話を通すべきではなかったでしょうか。報連相は社会人の基本じゃなかったんでしょうか。フジキドさんの気持ちを分かってあげたいけどさすがにちょっと今回はさあ!

◇◇

 ♯3

フジキドからダークカラテエンパイアの儀式ログを受け取ったナンシーは、古代オヒガン魔術を用いた超高密度圧縮データの解析に挑む。チーム・ピザタキは物理面から彼女の侵入を支援すべく、セトの所有するエネアド社へ潜入を試みる。

圧縮プログラムとは古代魔術の不完全な再現である。という箇所がすごく好きです。オヒガンが先にあり、インターネットは後世に発見されてハッカーたちが手探りで法則を発見しながら冒険しているもの、という忍殺の世界観が私は大好き!!

『目覚めた後の世界にも、こんな難物が幾らでも残されている事、嬉しく思うわ』

あ~~~~! ナンシーさん頼もしい~~~!
痺れるほどかっこいい~~~!

だとすればハッキングできるッて事だ。これに関しちゃ、オレらには一日の長がある。ネザーキョウで古のネットワークを使ったようにな!

ウギョギョギョギョ(奇声)
ハァッハァッ何度読んでも何度出てきてもタキがナンシーさんとのハッキング行為を「オレら」「オレたち」っていう主語で語るのがたまらねーーーーーーーーーーーーー! サンキューベイベー!! シーズン3ではまだ遠慮がちだったタキさんがシーズン4中盤以降では臆面もなく「オレたち」って言えるようになってるのが自信のあらわれを 感じ 死!!! 

『当然そんなふざけた儀式は潰す』と、ニンジャスレイヤー。タキは興奮してきた。『そうだッ! 調子乗った奴にクソ喰らわすぜ! じゃあ、どうするか。それはな、エート……狩人を256人返り討ちにしたら、儀式は多分崩れる』『なんですって?』

好きすぎて情緒担当大臣がベショベショ泣いてるんですけど、、決断的なマスラダくんと話してるうちに盛り上がってきたタキと冷静に突っ込みを入れてくれるコトブキちゃん、あまりにも最高のトリオなんですよ!

『セト以外のリアルニンジャはそれを知っているのですか? 隠れてやっていたのだとしたら……なんだか卑劣な気が……こっそりと……?』『まあセトがクソ野郎なんだろ(略)』

ネオサイタマが大変なことになっているにもかかわらず、コトブキちゃんのツッコミとタキさんの適当な話題ぶん投げを眺めていると心が潤います。この適度に気が抜ける感、ピザタキですよね~~~ハァ~~好き。


いったんここで区切ります。
また次の記事でお会いいたしましょう。おやすみなさい!

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次の感想はこちら。


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