見出し画像

出戻り初心者ヘッズが、ニンジャスレイヤーを第4部から読みはじめる/シーズン1_1「トーメント・イーブン・アフター・デス」

こんばんは、望月もなかです。
第4部感想、思ったより沢山の方に読んでいただけたみたいで驚いています。ありがとうございます。頓珍漢なこと書いてたり、先輩ヘッズの方々にはわかりきった単語にいちいち混乱してしまっていることと思いますが、戸惑いも混乱もまた甘い麻薬のようなものです。ネタバレ自衛のためにあえて調べていないところもありますので、そっと見逃していただけると嬉しいです。

今回から、記事タイトルにシーズン+感想を書いているタイトルを付け加えてみました。(過去分も修正済です)
ラノベみたいな長さの記事名になった……。でも一覧にしたとき、どの感想なのかわかりやすくてよさそうです。問題なさそうなら、しばらくこのままいきますね。


前回の感想はこちらです。

【前提1】望月のニンジャスレイヤー知識

・ニンジャスレイヤーは第一部の3巻くらいで止まっています。中断してからもうすぐ6年、内容はだいぶ忘れてしまいました。
・2019年8月に『スズメバチの黄色』読了。
・いわゆる忍殺用語(グワーッとかゴウランガとか)にはまあまあ慣れましたが、使いこなせません。出てくるとまだビクッとします。
・夫曰く「軽度ヘッズ」。
・第4部から読みはじめても全然オッケー!という謳い文句に心惹かれて、また読み始めることにしました。

【前提2】感想の方針

・〈NJrecalls〉さんのまとめを、上から順に読んでいきます。
・その日読んだところまでの感想を書きます。
・読まなかった日は更新しません。
・Wikiはまとめを読むために参照していますが、それ以外の前知識はあえて入れないようにしています。(戸惑いから徐々に慣れていく…という『忍殺』ならではの過程を楽しみたい+3部までのネタバレをできるだけ避けたいという理由です。)
・ボリュームが多くて感想を一記事で納められない時は、改めて翌日以降に別記事で書きます。

◇◇◇

※前回までのおさらい※

1「第4部ではこわいニンジャが世界中にいっぱいいてたいへんらしい」
2「フジキドはサツバツナイトという名前のニンジャになって、ニンジャスレイヤーは別の人になったらしい」
3「ネオサイタマの南西には女子高生収容所があったけど崩壊した」

3だけなにかおかしいな?

いよいよメインストーリー、シーズン1に突入です!

シーズン1「トーメント・イーブン・アフター・デス」

 ♯1

かつて世界を支配していたのは、半神に等しい力を持つニンジャ達だった。時代と共に彼らの力は衰え、定命者の時代が幕を開けた。二度の世界大戦、電子戦争……。動乱の中でニンジャの時代は忘れ去られていった。

……だが、彼らは戻って来た。

あ、ちゃんと最初に世界観の解説がある。優しい!

ひょっとして……予告編や番外編(女子高生収容所)で心が不安定になる前にここから読むべきだったのでは……? とハッとなりましたが、あまりにも今さらすぎる。後の祭りである。
第4部から読み始める人は、まっすぐこのお話から読んだ方がいいと思いました。

古事記に予言されし、あるべき世界の始まりなのか?最終戦争マッポーカリプスの時か?

でもこれはよくわからなかったよ。。
最終戦争マッポーカリプスってなんです?
 
第4部のタイトルがこれだということだけはわかりましたが。
忍殺世界の古事記っていったいなんなんでしょうね、ニンジャ教の経典?

スリケン。ニンジャが用いる極めて強力な投擲暗殺武器だ。

武器の解説! 親切!!!

アイサツである。イクサに臨むニンジャにとってアイサツは神聖不可侵の掟だ。古事記にもそう書かれている。

出た! 「古事記にもそう書かれている」やつ!!!
ちょっとよくわからないけど、アイサツの理由が説明された! 親切!!

<親切/ここまで>

タキ=サンが登場して雲行きが怪しくなってきました。

壁に貼られた「テンション」「攻撃的」などのネオンショドーが威圧的だ。マジで威圧的だ。もうダメだ。

はい、うん、威圧的ですね。
「ネオンショドー」の字面とかが特に。ネオン……ネオンショドー!?

壁に貼られたってことはネオンサインじゃないんですよね!? ショドーがネオン?!??

分かってる。インガオホーって奴だ。だがブッダはオレを見捨てなかった。

 わからない、この世界のブッダにどうやって向き合えばいいのかわからないよ。
そしてなんで因果応報って書いちゃダメなんだろう、意味だって因果応報なのに。うう。見つめているとだんだん「オホー」ってところばかりが拡大されて意識されてなにかの雄たけびのように見えてくる。

でもそれだけじゃ終わらない。なんか知らない概念がすごい勢いでぶつけられた。パイ投げみたいに楽しそうにぶつけてこられた(被害妄想)。

・極彩色のマンデルブロ・マンダラ
・デジタル・オーディンの神託を授けて進ぜよう
・潮風と日光に晒され風化した「こういち君」「Kiefer」「タモ」「икра」といったミンチョ文字看板

ひどいよ。親切だと思って気を許したとたん、ニンジャスレイヤーくんが牙をむいてきたのでしばらく画面から目を離してコーヒーを飲むしかないと思いました。

なかでも一番ひどいのは「こういち君」の看板ですよ。「こういち君」て。スーパーマーケットだから「イクラ」はわかる(ような気がしなくもない)けど、なぜ…なぜスラヴ文字を……??

あ、そういえば書き忘れました、前半の戦闘シーン。

彼らは屋上へ再び跳び戻り、並走しながらスリケンを投げ合った。並走する二者の間で激しい火花が散った。不意に赤黒の風は湾曲する軌跡を描き、コーストウインドの眼前に立ちはだかった。コーストウインドは目を見開いた。想定外の速度!彼は咄嗟にチョップを繰り出す。「イヤーッ!」

この描写凄過ぎない???

喉から変な音出そうになりましたよ。「赤黒の風は湾曲する軌跡を描き」のところが白眉。すっごい。

「イヤーッ!」赤黒の装束が重金属酸性雨に残像を焼きつける。まるで雨に描く墨絵だった。

ここもいいですよね。絵画的な描写が抜群にうまい……。

ユカノとかいう伝説的ハッカーが編み出した禁断の裏技だ。

ユカノって人、第1部にいたような気がする。フジキドの師匠の孫娘じゃありませんでしたっけ。胸が豊満だったことしか覚えていませんが。でも、少なくともハッカーではなかった気がする。別人? 第2部か第3部でハッカーになったのかなあ。

◇◇

 ♯2

つづき。
ニンジャスレイヤーはコーストウインドというニンジャを倒したが…。

「デビルズカインド・キョダイ」というヤクザクラン名に、呪われたコケシみたいな眼になる。このヤクザクランが敵だということは、この「デビルズカインド・キョダイ」という気の遠くなりそうな字面をこれから何度も見せられるんですか……?

デビルズカインド・キョダイは小規模のクランだ。ニンジャは今のコーストウインドとオヤブンのストリングベンドのみ。

と思っていたら構成ニンジャ(構成ニンジャ???)2名の弱小企業だった。よかった。そう何度もは見なくてすみそう。

メンポ(註:面頬)

註が入っている! 優しい!!

どうしたんでしょう、急に優しくされると不安になってしまいます。「こういち君」の直後に急にこんなに優しくし始めるなんて、そんなDV彼氏みたいなことを……

ニンジャは死ねば肉体すら残さない。

優しい!!!

あまりに優しいので戸惑ってしまう!!

「何がオーディンだ、ふざけるな。」

本当にそうですよね

あの……ロボニンジャってなに?

私の知らない概念がまた急に突っ込まれたんですが……四脚型大型ロボニンジャ? ロボが? ニンジャ???

彼の目に焼き付いたのは、何もない場所から火花と共に出現したニンジャが、激しい光を放つ掌打をニンジャスレイヤーのキドニーに叩きつけた決定的瞬間だった。

キ……キドニー。キドニーってどこだっけ。キドニービーンズ?(これはインゲン豆)キドニー……、Kidney……。

【Kidney】 
①腎臓。
②気質、性格;類、型、タイプ。
(ウィズダム英和辞典 第3版/三省堂)

なるほど腎臓か……。ってなんでカタカナにしたのさ。

◇◇

 ♯3

恋人アユミを殺された死せるマスラダ・カイの身に、ナラク・ニンジャが憑依した。それが現在のニンジャスレイヤーだったのだ!! 殺したのはニンジャ。サツガイという名のニンジャ。憎しみを糧に立ち上がったニンジャスレイヤーの腕に邪王炎殺黒龍波みたいな武器が!!

な、なんだってー!!
「マスラダ・カイ」さんが第4部の主人公。おぼえました。
益荒男(ますらお)を連想させる「マスラダ」に、男の甲斐性などというときに使われる「カイ」。すごく男っぽいネーミングですね。

アイサツされれば、返さねばならない。アイサツの最中に攻撃を仕掛けてはならない。アンブッシュ(奇襲)攻撃を仕掛けた当の相手であろうとそれは同様。極めて重大な掟だ。破る非礼は許されぬ。

「アイサツ」ルールの解説だけじゃなく、「アンブッシュ」の説明までついてる!

親切!!!

親切すぎて戸惑う、(これまでのあらすじ)で私たちを混乱の渦に蹴落とした、まるで崖の上から幼い獅子を静かに見下ろしているようなあの突き放し感はどこにいってしまったんだ。ありがたいけど。

「サツガイという男を知っているか」「サツガ……」「イヤーッ!」「グワーッ!」「サツガイという男を知っているか」「待て……取引を」「イヤーッ!」「グワーッ!」「サツガイという男を知っているか」「……」「知っている筈だ」

で、出たー! 相手が何かを言い終わる前に「イヤーッ」「グワーッ」をリピートして畳みかけてくるやつ!!!

ところで前からこのやりとり、何か知っているような気がして悶々としていたんですが思い出しました。『五重塔』です。

↓ここ↓

ゑゝ、じたばたすれば拳殺はりころすぞ、馬鹿め。親分、情無い、此所を此所を放して呉れ。馬鹿め。ゑゝ分らねへ、親分、彼奴を活しては置かれねへのだ。馬鹿野郎め、べそをかくのか、従順く仕なければ尚まだ打つぞ。親分酷い。馬鹿め、やかましいは、拳殺すぞ。あんまり分らねへ、親分。馬鹿め、それ打つぞ。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親分。馬鹿め。放して。馬鹿め。親。馬鹿め。放はな。馬鹿め。お。馬鹿め馬鹿め/\/\、(幸田露伴『五重塔』其二十五)

まさかの幸田露伴……。

ラストの一文、「オレが拾ったのは、死神だったんだ。」のクールさにヒューッってなった。新シーズンの導入として完璧じゃないですかー!!!

結局「ロボットニンジャ」が何者だったのかはわからずじまいでしたね……。この先、わかる日が来るのでしょうか。
何者なんだ、モーターマサシ。

今日はここまで。
タキ=サンがピザ屋ということは、次回、マスラダ・カイがピザを食べる姿が見られるのでは?とちょっと期待していたり。

ではでは、また次回の感想でお会いいたしましょう。


-----------------------------
次の感想はこちら。


この記事が参加している募集

読書感想文

楽しいことに使ったり楽しいお話を読んだり書いたり、作業のおともの飲食代にしたり、おすすめ作品を鑑賞するのに使わせていただきます。