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怒涛のスケジュールに追われながらファン目線でサッカーにエキサイトする2020年のはじまり

あけましておめでとうございます。
旧年中はたいへんお世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。

そんなご挨拶もそこそこに、2020年1月1日は縁起を担いで午前1時11分に仕事始めでした。年明け早々に、というか年越し前から締切に追われております。ここまで極端に切羽詰まった年末年始は初めてかも。

それでも年末には推し選手の古巣戦でもあるビッグロンドン・ダービーを観て、アルテタ監督いいやーんと思いつつ、気づいたら4分間で2失点して逆転負けしていたり。

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第98回高校サッカー選手権、大分県代表の大分高校は初戦で栃木県代表の矢板中央高校と4年ぶりに激突し、2点のビハインドを追いつきながらPK戦で惜敗したり。

そして元日の今日は、午後から仕事の手を休めて天皇杯決勝。昨夏に大分トリニータからヴィッセル神戸へと移籍した藤本憲明選手がスタメンと聞いては、観ないわけにはいきません。なんせ昨年10月、天皇杯準々決勝で神戸に敗れた試合後に、ベンチ入りしてたけど出番のなかった藤本くんに「ちょっとー。勝った責任取って元日には新国立競技場でこけら落としゴール決めてよ!」とハッパをかけておいたのです。彼は本当に“持ってる男”なので、ありえない話ではない。神戸が決勝まで勝ち進めば十分に可能性はあると思っていました。

JFLでプロキャリアをスタートしてコツコツと個人昇格を繰り返し、J3からJ2、そして昨季は大分トリニータでチームごとJ1へ。ついに国内最高峰リーグへと上り詰めたかと思うと開幕戦でアジア王者・鹿島から2得点。シーズン序盤にファインゴールを連発して8得点したのですが、その活躍が目立ったせいで8月にヴィッセル神戸から引き抜かれることになりました。

リーグ最少強化費の大分から、リーグ最多強化費の神戸へ。推定年俸は跳ね上がり、それだけでもすごい飛躍なのですが、彼のシンデレラ・ストーリーはまだまだ、とどまるところを知らなかった。神戸移籍後はなかなか満足に出場機会を得ていなかったのですが、大分に来た当初もチーム戦術にフィットするまでには相応の時間を要したことだし、彼なら絶対に神戸でも、世界的スーパースターに混じって何かを成し遂げると期待していました。

令和最初の元日の、新国立競技場こけら落としの、日本サッカー最高峰を目指すカップ戦ファイナル。しかも対戦相手は藤本くんが個人的に相性最高の鹿島アントラーズ。彼の“持ってるぶり”を発揮するには完璧なお膳立てが整った一戦ですからねー。

3-4-2-1の頂点で先発した藤本くんは予想どおり、数々のチャンスを迎えます。でも鹿島守備陣もさすがに警戒していて、足元に入ったところを潰しにかかる。わたしはテレビの前で「ちょっとゴメン、イニエスタさんは変にミドルなんか狙わずにスルーパス出してくれる?」とか「古橋くんには悪いけど最初のゴールは藤本くんに取らせてやー」とか、完全に私情でしかない観戦姿勢。シーズン中にはこういうスタンスでサッカーを観る機会は絶対にないので、もう楽しくて仕方ないのです。

堅守の鹿島に先制されると苦しくなる。神戸としては早く先制点を…と見守っていた18分、神戸にゴールが生まれます。え、これは…どっち?

ポドルスキ選手のシュートをクォン・スンテ選手が弾き、それが藤本くんに当たってゴールに転がり込んだ、ように見える…けど、実は犬飼智也選手の足かどっちなのかがわからない。公式記録は藤本憲明のゴール。マジかー!本当に来たーー!!

さらに38分の神戸は右サイドから好機。西大伍選手のクロスはゴール前に走り込む藤本くんが要求した地点よりも後ろに逸れたのですが、それを犬飼選手がクリアしそこなったボールが藤本くんの足元へ。なんでこんなラッキーを呼び込める!? そしてそのチャンスを確実に仕留めるのが彼なのです。

こりゃ藤本くんハットトリックもあるのではー、と思っていたけれど、その後、1点目の記録はオウンゴールへと訂正。結局のところこけら落としゴールは藤本くんのものではなくなってしまったのですが、終わってみればスコアは2-0で神戸。つまりこの試合唯一の敵陣へのゴールを決めたのが藤本くんということになります。そしてチームは日本サッカーの頂点に!

この試合はほかにも見どころ満載で、鹿島は今季かぎりで退任する大岩剛監督の、神戸は引退を発表したダビド・ビジャの、それぞれのラストマッチ。

2点を追う大岩監督は後半頭から、白崎凌兵選手に代えて土居聖真選手。土居選手が入ると鹿島のサッカーは一変します。案の定、ここからは鹿島が神戸を押し込む展開に。さらに53分には名古新太郎選手を山本脩斗選手にチェンジ。え、これシステムどうなるの?と見守っていると、まさかの3バックシステム! 鹿島、中盤を中心に疲労の見える神戸に対しミラーゲームを仕掛けます。そして72分には伊藤翔選手を中村充孝選手へ。

修正した鹿島に押し込まれっぱなしの神戸。さあ、ここでフィンク監督はどう動くでしょうか。イニエスタが腿裏を傷めた模様で、バイタルエリアの強度がさらに落ちると土居選手に無双されてしまいます。イニエスタを代えるなら、入るのは安井拓也選手。でも時間はまだたっぷりある。最後にビジャをピッチに立たせたいから、不用意にカードを使うわけにはいきません。それなら中盤はそのままにしてポルディを田中順也選手に代え、前がかりになっている鹿島の背後へと長いボールを送ってラインを上げるか…。

自分がフィンク監督だったらどうするだろうとはらはらしていると、フィンク監督のセレクトは、藤本くんに代えてTJでした。えー、ポルディじゃなくてそっち下げるのかよー。(ちょっと不満)

イニエスタは88分まで頑張ってから安井選手と交代。ビジャは? ビジャはまだ?

ようやく90+2分、ビジャ選手がポルディと交代です。ビジャ、待ちかねていたようにジャージを脱ぎ捨てながらピッチへと向かう姿が、酔っ払って帰宅して玄関先から背広を順番に脱いでいくオッサンみたいだった…。(失礼)

いろんな見どころを満喫させてもらって、鹿島としては残念だったけど、神戸の初タイトルは、シーズン序盤から苦しんできただけに、よかったねという気持ちに。

神戸に行ってから「移籍、失敗だったね」と言われていた藤本くんが、自らその選択を結果的に正しいものへと持ち込んだこともうれしかった。これでなんだか大分も報われた気がする。

AB型の彼は、努力している姿を人前で見せないタイプなんですよ。

この年末年始をエキサイティングに盛り上げてくれたチームたちに、心から拍手と感謝を贈ります。

そしてわたしはふたたび原稿追い込みへ。今回の締切は本気でヤバい。持てる力の最大値を出し切って((c)片野坂知宏監督)頑張らねば。

2020年はそんな年明けです。この頑張りの先の達成感と社会貢献を目指して粛々と書き続けるのみ。今年もいろんな場で、たくさんの方々に、記事を楽しんでいただけますように!


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