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男の手帳の作りかた

PCやスマホの普及で「ビジネスのツールとしてのシステム手帳」は役目を終えたのかもしれません。

いっぽうで、趣味の道具として、女性がシステム手帳を使っています。

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男性も、趣味でシステム手帳を使ってみません?

皮革製品を長期間使い込む 自分だけの道具を作る

皮革製品が好きな男性は多いはず。鞄や財布や靴。レザージャケット。使い込んだ男の道具は、ユーザーの顔が見えるようで、魅力的です。

システム手帳も、男性が皮革を楽しむアイテムとして、カバンやサイフにその魅力は劣りません。さらには、他の皮革製品に無い特徴もあります。レザーアイテムとしてのバインダーに、紙であるリフィル、金属や樹脂のペンを合わせて、手帳を構成する楽しみがあります。

高級万年筆から、100円で買えるボールペンまで。お気に入りのペンを楽しみ、書くための紙や書いた後の紙をまとめておくツールとして、システム手帳はちょうどいいのです。

ちょっといい皮革のシステム手帳は数十年使えます。万年筆も、そして実は手帳用の紙も、長期間の使用に耐えます。長い期間をともにしたレザーやペン、紙。そこにまた、新たな紙のリフィルを足し、使い続ける。

若いころに使い始めたシステム手帳を60歳になっても使い続ける、というのはとてもカッコいいですね。

こんなことを手書きしてみよう

趣味でシステム手帳を使う。皮革と紙とペンを楽しむ。でも、具体的になにすればいいんでしょう。

私の場合、こんなことに使ってます。

体調管理に

カロリーや体重記録はiPhoneでやっていますが、各アプリに散らばった情報を集めて長期的な傾向を把握するために、必要な情報を手書きでまとめています。

らく書きする

ババっとなにかを書いたり、意味のない線をひたすら書いたり。ストレス解消になります。

万年筆のペン先と紙の繊維が擦れ合う。インクが流れて筆跡を作っていく。それ自体が快楽で、面白いのです。iPadとAppleペンシルがいくら紙に近づいても、マネできないことです。

スマホのバックアップ

重要情報を暗号化したものをリフィルに書いています。

スマホを落としたり壊したりしたときのため。iCloudにバックアップはあるけど、出先だと、代替の端末を確保するまでのタイムラグがあるので。

読書ノート

Evernoteなんかでもやってみたけど、不思議と記憶に定着しないのです。わざわざ読み返すこともしません。

紙のリフィルに読書メモを手書きすると、記憶するし、10年前のメモでもちょいちょいと見返します。

長期目標の管理

ミッションステートメントや長期目標は紙の手帳でやっています。

老ファイロファックスユーザーがクールでカッコいい

使い込んだ手帳を見るのが好きで、検索してたらフリッカーのグループ、Filofax – The Official Flickr Groupというのを見つけました。

そこに写真を投稿しているGeorge Redgrave氏のファイロファックスのつかいっぷりがカッコよすぎ。

カッコいい。使いこんだ道具の持つ迫力。美しさ。これぞ男の手帳です。

スクリーンショットの右上の写真は、Redgrave氏が手帳の最初のページにはさんでいるもので、亡くなった奥さんだそう。それにしても、お年を召して視力も落ちているはずだけど、極小の字を丹念に書き込んでいますね。

つかいたおしたウィンチェスターはカッコいい

使いこんだシステム手帳の特集として、Free & Easyの2012年6月号が見ごたえあります。

表紙からド肝を抜かれる。ウィンチェスターかな。

目次にもウィンチェスターが。

「男の人生をサポートする静物(モノ)たち」。カッコいいコピー。

30年使いこんだサザビーのバインダー。崩壊がはじまっててサイコーにカッコいい。

ヤレたバインダーと、シンプルなボールペンと、すり切れて汚れたリフィルの組み合わせがいい。

表紙のウィンチェスターかな。

一度選んだ道具は徹底的に使いたおす。そこに一本の筋が通っていて、カッコいい。

死物が生物になるまで使いこむ

「死物を生物に変えることにふけってきた」と、開高健が著書「生物としての静物」で述べています。

使用者の表情がうかがえる、つかいこまれた道具を見るのは楽しいものです。ウェブでも雑誌でも、そういった写真や記事を食い入るように読んでしまうのです。

道具は、つかいこめば、開高がいう「生物」となって、なにかを語りかけてくるのでしょう。

自分の手帳も、そこまで徹底して使い込みたいものです。

  • 2017-06-23初出

  • 2020-08-20改訂

  • 2020-10-28改訂

  • 2022-10-17noteに転載

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