エンタメ・スポーツ・ライフスタイルの資金調達ニュース(9月後半:ファンタジースポーツNFT/クロスプレイゲーム/就労支援/スポーツベッティング)

こんにちは!
W venturesが注目するエンタメ、スポーツ、ライフスタイルの分野における、9月後半の国内外の資金調達、M&A/IPOのニュースです。

今回は、ファンタジースポーツ、NFTベースのデジタルトレーディングカードといったスタートアップの大型の資金調達が続きました。いずれも欧州のサーカー、米国のバスケットボールやアメリカンフットボールなどカテゴリを特化して事業を立ち上げ、他のカテゴリへ拡大することで更なる成長を目指しています。

また、私たちW venturesは、2号ファンドの立ち上げとインキュベーションプログラム『SCRAMBLE』の開始を先日発表しました。今回取り上げたようなエンタメ、スポーツの分野で挑戦するスタートアップへの投資を加速し、SCRAMBLEを通じて創業から支援していきます!

それでは、紹介していきましょう。

資金調達ニュース(9月後半)


ファンタジースポーツ×NFTプラットフォーム「Sorare」がシリーズBで$680Mを調達

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*Source:https://sorare.com/

Sorare」はフランス発スタートアップで、ファンタジースポーツ(サッカー)のNFTプラットフォームを運営している。ファンタジースポーツとしてユーザーオリジナルのチームを作って遊べるだけでなく、クラブ公式のサッカー選手のNFTベースのデジタルカードを取り引きできる。
レアルマドリード、リバプール、ユベントスなど欧州の有名クラブを含む180のスポーツクラブが参加していて、6,000人の選手を利用できる。なお、日本のJリーグも昨年提携した。また、ユーザーは60万人を超え、今年1月以降で取引されたカードの価値総額は$150Mに達していて、世界最大級のスポーツのNFTプラットフォームになっている。(Non Fungible調べ)
今回のラウンドでは、SoftBank Vision Fund、Atomico、Bessemer Venturesが参加し、Accel、Benchmarkなどの既存投資家も追加投資している。調達した資金は、グローバル展開に向けた人材採用、サッカー以外のスポーツへの拡大に使われる。

ファンタジースポーツリーグ運営「Sleeper」がシリーズCで$40Mを調達

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*Source:https://sleeper.app/

Sleeper」はサンフランシスコのスタートアップで、NFLやNBAをベースとしたファンタジースポーツリーグを運営している。ファンタジースポーツとして遊べることに加えて、ドラフト会議から実際の試合までをリアルタイムに友人と共有しながら進めることができるSNS要素も兼ね備えている。
アクティブユーザーは300万人以上(2021年9月)を超え、その大半(18歳~35歳)の1日あたりの平均利用時間は20分〜35分を記録している。(参考:Instagramの平均利用時間は34分)また、米国だけでなく、欧州、南米のブラジル、アジアの韓国、ベトナムなど、グローバルに展開している。
今回、a16zなどから調達した資金は採用と製品開発に充てられ、特に決済機能「Wallet(ユーザー間決済)」の実装を予定している。

NFTトレーディングカードプラットフォーム「Dapper Labs」がシリーズDで$250Mを調達

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*Source:https://www.dapperlabs.com/

「Dapper Labs」はカナダ発のスタートアップで、NFTベースのデジタルトレーディングカードを扱うマーケットプレイスのNBA Top Shotを運営している。NBA Top Shotでは、お気に入りのNBA選手のデジタルトレーディングカードを所有、売買することができる。
直近1年間の総取引額は約$780Mに到達し、110万人がユーザー登録している。今回のラウンドは、TMTセクターに重点投資している米ヘッジファンドのCoatueがリードし、a16z、GVなどの既存投資家も参加した。
また、Dapper Labsはスペインサッカーリーグのラ・リーガとの提携も発表している。レアルマドリードなど20チームのデジタルトレーディングカードを扱うマーケットプレイスの開設を計画していることから、上述のSorareとの競争の激化が予想される。

クロスプレイゲーム開発「Elodie Games」がシリーズAで$32.5Mを調達

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*Source:https://elodie.games/

Elodie Games」は、Christina Norman氏とDavid Banks氏が2019年に設立したクロスプレイ* 対応のソーシャルゲームを開発する企業である。2人はRiot Gamesで世界的ヒット作League of Legendsの開発に携わっていた。

* クロスプレイとは、PS4やPCなど複数のプラットフォーム間で通信を行い、同一のゲームをプレイすること。

現在は、協力プレイの体験に焦点を当てたゲームの開発をしていて、より魅力的で深いソーシャルゲーム体験を追求している。既に会社の規模が30人まで成長しているが、開発中のゲーム内容は依然として公開されていない。
今回のラウンドはa16zがリードし、Chris Ovitz氏やBrian Cho氏などの個人投資家も参加した。

若者向け就労支援サービス「Multiverse」がシリーズCで$130Mを調達

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*Source:https://www.multiverse.io/en-GB

トニー・ブレア元英国首相の息子が設立した「Multiverse」は、スキルを習得したい若者向けに職業訓練型の就労支援サービスを提供している。Apprenticeshipと呼ばれるプログラムでは、企業が若者を訓練実習生として育成する。実習中は、実際の業務を通じてスキルを習得でき、給与も支払われる。そして、修了後には認定書が発行される。現在は、データ分析、デジタルマーケティング、HRなどの分野で募集している。
また、実習生の87%が数年間のプログラム修了後も同じポジションに留まるため、受入先の企業にとっては多様な才能を持った若者の発掘と定着につながっている。昨年は、Facebook、Google、Unilever、KPMGなどの企業が約2000人の実習生を受け入れた。
今回のラウンドはD1 Capital Partners、Bondがリードした。調達した資金は米国市場への進出に充てられる。

M&A/IPOニュース(9月後半)


スポーツ・エンターテインメントグループ「Endeavor」がエンターテインメントのグローバルリーダー「Sceintific Games」のスポーツベッティング部門「Openbet」を$1.2Bで買収

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*Source:https://www.endeavorco.com/

買い手である「Endeavor」は、芸能エージェンシーのWME、メディア企業のIMG、総合格闘技団体のUFCを傘下に持つ総合的なスポーツ・エンターテインメント企業である。多くのM&A・業務提携を通じて、事業を拡大している。

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*Source:http://www.openbet.com

売り手はエンターテインメントのグローバルリーダー企業の「Scientific Games」で、先日発表した事業再構築の方針に沿ってスポーツベッティング部門「Openbet」を売却する。OpenBetはグローバルに事業を展開していて、DraftKings、FanDuel、WynnBet、SkyBet、Ladbrokes、William Hillなどを顧客に、ベッティングエンジンやリスク管理ツールなどを提供している。
今回の取引を通じてEndeavorは、傘下のIMG ArenaとOpenBetを統合し、スポーツベッティング事業を強化する。

いかがだったでしょうか?

今後も、エンタメ、スポーツ、ライフスタイルの分野を中心に国内外の資金調達ニュースを定期的にお届けしていきます。
これらの分野での創業を支援するSCRAMBLEへのご応募や、投資のご相談もお気軽にどうぞ!

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