エンタメ・スポーツのインキュベーションプログラム 『SCRAMBLE』 第1期について公開! 前編
新たなエンタメに挑む「起業家」、「クリエイター」
プログラムには、第1期にもかかわらず、たくさんの応募をいただきました。Wは、基本的に「to Cのスタートアップへの投資」に特化し、シードからシリーズAまでのリードで投資をしています。
今回のプログラムでは、to Cの中でも「エンタメ・スポーツ領域」、「起業前から起業直後」という2軸に絞り、書類選考、面談を経て、3チームを採択しています。応募の大半がエンタメ・スポーツ領域の「資金未調達」という起業前から起業直後で、多くの方々にこのプログラムの募集メッセージが届いていたことを嬉しく思っています。2022年1月6日にキックオフし、3月24日に卒業イベントを無事に終えました。前編では、3チームの事業概略、参加した理由、参加してよかったことを紹介いたします。
ごっこ倶楽部 (代表取締役 田中 聡 氏)
——事業の概略を教えてください
私たちは、主にTikTokにて縦型に特化してショートドラマを作っているクリエイター集団です。企画立案から脚本作成、キャスティング、撮影・動画編集まで一気通貫で行っています。私たちの動画は、結成して10ヵ月でこれまでに2億回以上再生されています。TikTokのショートドラマ部門において、1ドラマの再生回数は1650万回で国内首位、1動画の平均再生数も100万回を超えるなど、狙ってバズを起こせるのが我々の最大の強みです。
——なぜ、『SCRAMBLE』に応募したのですか?
実は、こういったインキュベーションプログラムに応募したのは『SCRAMBLE』だけです。これから長い付き合いをするパートナーを探す上で、最も重視していたのが「エンタメの理解」です。マーケット(が伸びている)環境と実績から投資の縁談を頂く事もありましたが、エンタメ理解をしてないベンチャーキャピタル(VC)や投資担当者ばかりで決まることはありませんでしたし、親和性を感じられる魅力的なVCも正直見当たりませんでした。そのような中で、エンタメに特化しているこのプログラムの募集と、実際の投資実績をみて、とても魅力を感じて応募しました。
——参加して良かったことを教えてください
最も感謝しているのは、案件実績を作りたかった我々に対して、担当の東さんと椎葉さんから案件に繋がる紹介を数多くして頂けたことです。3ヶ月間で設定していた売上目標を2ヶ月で早期に達成出来たのは、お二人のハンズオンがあったからこそで、ここまで対応して頂けるとは思っていませんでした。また、私たちはクリエイターが中心の組織であり、私以外のメンバーはみなクリエイターで、企業で働いていた経験がありません。それでも担当の東さんと椎葉さんが課題整理から解決提案まで見放さずに寄り添って頂けたことも本当に感謝しています。クリエイター理解が深いからこその、先回りしたサポートだったと感じています。
ヴェイス・ミュージック・パブリッシング (代表取締役社長 石田 健太 氏)
——事業の概略を教えてください
私たちは、動画クリエイター向けの音楽出版社・音楽レーベルです。作曲家と音楽を使う動画クリエイターを結ぶプラットフォームとして、ヴェイス・ミュージック・ライブラリ(以下、VML)を運営しています。作曲家からお預かりした楽曲を、動画クリエイターがYouTubeなどの動画配信サービスで利用することを支援しています。私たちが扱っている楽曲は、しっかりと権利処理しているため、動画クリエイターは著作権の申し立てなどを受けることなく安心して、全ての楽曲を無料で使うことができます。また、楽曲の利用料を、作曲家に分配することで、これまでフリーサイトなどにプロモーション目的で楽曲を掲載していた作曲家に対して新たな収益基盤を生み出しています。
——なぜ、『SCRAMBLE』に応募したのですか?
私は元ミュージシャンで、共同創業者の松本は動画クリエイターということもあり、双方の実体験に基づく課題意識から、それを解決したいと考えていました。ただ、それぞれ本業があることもあり、部分的な関与に留まっていたため、この事業にフルコミットできるようにしたいという想いから、『SCRAMBLE』に応募しました。また、資金調達に加えて、大手YouTuber事務所など営業先の紹介なども期待していました。アプローチするVCを探していて、私たちとマッチするのではないか?とあがった第1候補がW venturesでした。ちょうど『SCRAMBLE』が募集中だったこともあり、直ぐ応募しました。
——参加して良かったことを教えてください
プログラムに参加したことで、当初に期待していた通り、フルコミットするための資金を調達でき、大手YouTuber事務所からの契約も獲得できました。また、応募した時には考えていなかったのですが、今回のプログラムによって、同じステージの創業者である、ごっこ倶楽部の田中さんやRIGHTHANDの菅原さんと気軽に相談し合える仲間になれたことは、とても財産になりました。
RIGHTHAND (代表取締役 菅原 右敦 氏)
——事業の概略を教えてください
私たちはスポーツテックの領域で、野球に特化したスカウティングアプリの開発をしています。一言でいうと、アマチュアの野球選手とスカウト(プロ・アマ問わず)を繋ぐサービスになります。もともと私自身は、リクルートなどを経て、プロ野球のマーケティング会社に勤務していました。その中で、スカウトマンを支援する仕事に携わる機会があり、アマチュア選手のデータ一元化に着目しました。RIGHTHANDでは、独自の選手データベース・アルゴリズムを構築することで、未来の逸材を発掘できる場を提供していきます。
——なぜ、『SCRAMBLE』に応募したのですか?
『SCRAMBLE』の存在を知ったきっかけは、WのTwitterを見たことです。その後、Meety(ミーティー)を通じて、椎葉さんに事業の壁打ちとともにプログラムの詳細をお伺いしました。私としては出資をいただくこと自体がゴールではなく、とにかく弊社との親和性が高いVCさんとお付き合いしていきたい想いがありました。その中で、スポーツテックを投資領域としたプログラムはとても魅力的で、入念に準備をしてエントリーしました。実は2021年11月末に会社を設立したばかりでしたので、『SCRAMBLE』に採択されることは大きなチャレンジでした。実績も何もない私たちに期待してもらい、採択に至ったことを嬉しく思っています。
——参加して良かったことを教えてください
私たちが『SCRAMBLE』で得たことは、大きく3つあります。1つ目は「ユースケースが明確になったこと」です。担当の服部さんなどから多くの方々をご紹介いただき、高校・大学そして社会人チームの野球部関係者など、3ヶ月で15人を超える方とユーザーインタビューを実施しました。立ち上げ期のベンチャーにとって、Wさんの人脈は本当に心強く、とても感謝しています。2つ目は「プロダクトの思想が固まったこと」です。どのような思想でプロダクトを開発していけばいいのか、UI/UXメンタリングや先輩起業家とのディスカッションを通じて、ヒントをもらいました。結果として、セールス・開発の両方で、詳細なアクションプランの策定に繋がりました。3つ目は、「事業戦略の解像度が向上したこと」です。目先のタスクや数字作りにどうしても集中してしまいがちなのですが、中長期的な戦略についても毎週ディスカッションができたのも、良かったです。担当の服部さんには、起業した原点に立ち返る質問もいただくことで、会社としてブレない軸ができたと感じています。
3チームを採択した理由
「エンタメ・スポーツ領域の事業で面白いアイデア、コンセプトであること」「事業やサービスをやり切ることができる創業チームがいること」
この2点が大きなポイントでした。
3ヶ月間、Wでは各社に担当をつけて、週に1回のミーティングをしながら、事業やサービスの構築を言葉通り、二人三脚で伴走しました。
後編では、具体的に3ヶ月で「何をしたか?」「何ができたか?」ということをお伝えいたします。お楽しみに。
現在、第2期募集中です。こちらより、ご応募お待ちしています!