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3日間で1億円近く達成の案件も…話題の株式投資型クラウドファンディング「イークラウド」の秘密に迫る!

新NISAが開始され、投資ブームに沸く昨今。今までは一部の人のものという印象が強かった投資が、より身近な存在になっています。そんな投資の世界に一石を投じたのが、イークラウド株式会社。スタートアップやベンチャー企業に対して新しい資金調達方法を提案しており、個人投資家も少額でベンチャー企業に投資できる「株式投資型クラウドファンディング」のサービスを提供しています。この度、イークラウド株式会社 代表取締役 波多江氏、W fund パートナー 服部による対談を実施。イークラウド社が見据える、ベンチャー企業支援事業の今と未来を語っていただきました。

未上場企業の‟推し活“マッチング

――はじめに、イークラウドを創業した理由を教えてください!
波多江:イークラウドを創業する前は、ベンチャーキャピタル2社でキャピタリストでした。服部さんと同じような仕事ですね。本当によかったなと思うのは、様々な起業家に出会えたこと。新しいことにチャレンジしている人、社会課題の解決など世の中を大きく変えようとしている人、世の中にまだ生み出されていない新たなサービスに挑戦している人など、たくさんの起業家、会社を知ることができました。そういった経験を踏まえて、ベンチャー企業と一般の方々が出会える機会を作りたいという想いから、イークラウドを創業しました。

――ベンチャー企業と一般の方の出会いの機会というのは?
波多江:僕たちが運営しているのは、個人投資家がスタートアップに少額投資できるプラットフォームです。個人投資家といっても、ごくごく一般の方をイメージしています。自分が欲しいなと思うサービスや親和性のあるスタートアップに少額投資をすることで、そのスタートアップが力やお金を手に入れて、活動の幅を広げる機会を得る。このプラットフォームは起業家だけでは成立しません。投資家がいてこそ。それゆえ、投資家と起業家をどんどんとマッチングしていくことで良い効果が生まれます。そのために、投資家に新しいベンチャーを知ってもらい、企業の‟推し活“をしたくなるような、「推したい」と思えるベンチャーを見つけられる場所(機会)にしたいと思っています。

日本に眠る「2,100兆円」。
その一部をベンチャーへ

――具体的な事業を教えてください!
波多江:事業は株式投資型クラウドファンディングです。スタートアップは、一般的にはベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、銀行融資などで資金調達をしながら事業成長を目指すという企業が多いと思います。我々はそういった従来の資金調達方法に加えて、クラウドファンディングという形で個人の投資家を選択肢に入れる提案をしています。弊社で取り扱った案件でうまくいったケースだと、3日間で1億円近くの申込みがあったものが出てきたので、資金調達手段としても起業家の皆様にとって存在感が出てきたようなフェーズです。

――3日で1億円近くとは!? 想像以上の規模ですね
波多江:ええ、株式会社アドレスという企業で、全国300カ所ほどの場所にある物件にサブスクで住めるというライフスタイル系のベンチャーです。全国各地の色々なところに住むという体験ができるサービスを提供されています。アドレスさんが提供するサービスは、場所だけではなくてその地域のコミュニティにアクセスできるという点も魅力で、多くの投資家の心に刺さったのだと思います。

――アドレスさんのサービスが個人投資家の共感を得たのですか?
波多江:そうですね。イークラウドを利用するメリットとしては、アドレスさんのように3日間で1億円近く集められる可能性があるというスピード感があります。それ以外にも、多くの方々に自分たちの会社やサービスを知ってもらうきっかけにもなるので、マーケティングやPRの一つの手段として使ってくださる企業が増えていますね。この観点でいくと、新しいユーザーを獲得することももちろんできますが、既存ユーザーのロイヤリティを上げる施策としても有効です。株主として企業を応援することで、既存ユーザーの方々に、より会社を好きになってもらうということが期待できると考えています。

↑波多江さんにOKか確認

――まさに‟推し活“ですね。投資家としては、どういう方が多いのでしょうか?
波多江:30代から50代の社会的地位がある方がボリュームゾーンです。投資額は1案件について10万円ぐらいから50万円の間で投資できるという仕組みになっています。日本において、個人の金融資産が2,100兆円もあるというのはよく知られている話ですよね。その中の本当にわずかでもスタートアップやベンチャー企業に対して投資されるような世の中になれば、大きく変わっていくと考えています。

資金調達の多様化が進行中!
イークラウドが熱い理由

――市場はどんどん拡大しているのでしょうか?
波多江:日本におけるスタートアップに対する投資額は、現状、年間約1兆円と言われています。先ほどの個人の金融資産2,100兆円のうち1%が動いたら20兆円。それだけで今の20倍です。兆単位のお金が個人から動く可能性があるという、とても魅力的な市場だと思っています。アメリカでは、今、日本円に換算して年間30兆円、年によっては50兆円ものお金がベンチャービジネスに流れています。日本で個人のお金を使って兆単位のお金を動かすことができれば、日本から世界の様々な課題を解決するベンチャーが生まれるような環境にレベルアップすることができるのではないかと思っています。

――規制緩和の追い風もありますね!
波多江:そうですね。僕らは金融業として、第一種少額電子募集取扱業者の登録を受けています。これは登録に2年ほどかかるようなものなので、参入障壁になっているかもしれません。しかし、なぜそういった登録が必要かというと、投資対象である非上場のベンチャーはまだまだ未成熟な状況で、ガバナンスや体制がまだできていないような企業が多いのです。当然、投資家にとって、すごくリスクが高い。そこで僕らのような事業者がしっかりとフィルタリングをすることで、一定の健全性を確認した状態で個人に株主になっていただこうという制度設計のもとでできた枠組みです。この分野は日本では2015年の法改正で解禁になった領域。これを受けて2017年ぐらいから事業者が出てきたので、まだ始まって7年ほどの事業領域です。その過程で事業者やスタートアップからの要望が出てきていて、さらに利便性を高めていこうという議論が進んでいます。同時に投資家保護のための投資家向けのルール作りも話し合われている。近い将来、また法改正が行われるような状況ですね。

――W fundから投資を受けようと思った理由を教えてください
波多江:服部さんが「この領域は可能性がありそう。興味がある」と言ってくれたことが大きいです。でも一番大きなポイントは、僕らの大きな方向性として、C向けサービスであるという点ですね。W fundさんはC向けサービスに投資をすることがメインのテーマなので、C向けサービスの蓄積されたノウハウなどを僕らにも注入していただくことで、C向けサービスの支援・発展ができるようになったら、プラットフォームとして強くなるのではないかと思いました。

服部:僕はもともと日本の個人が持っている金融資産、約2,100兆円というのは、とてもポテンシャルがあると感じていました。そのうち仮に1%でも20兆円、0.1%でも2兆円ですから、そういう兆単位のお金が入ってくるのはすごく大きな流れだなと考えていました。投資はリスクがつきものですが、イークラウドは案件の質にこだわっていますよね。投資家保護の視点からも審査基準を厳しく設けています。それは長期で見ればサービスの信頼につながっていきますから、その考え方もデューデリを進めていく中で、いいなとイークラウドの良さが深まっていった点ですね。波多江さんとはもともと友人ではあったのですが、今回、投資家と起業家として相対していく中で、事業に対する思考の深さと遂行していく能力というのはものすごく高いなと感じました。だから、ぶれずに最後まで投資することができたかなというのは感じています。

波多江: 服部さんが個人の金融資産に興味を持つのは、どういった理由が?

服部:自分のルーツとして、幼い頃からお金や投資というものに興味があって。だからこそ新卒で銀行に入ったり、今は投資の世界に入ったりしています。でも、投資は一部の人しかこの世界にエントリーしてないじゃないですか。それは、もったいないなって思っていて。

波多江:閉鎖的な部分はありますからね。

服部:VCに入った頃から感じていましたが、ベンチャー企業へのエンジェル出資って、知識や知見、元々ネットワークのある人だけが100万円とか大きくて500万円という投資をしていて、これがなんでもっと広まらないのかなと思っていました。一人100万円、200万円でも、個人の保有する資産のうち一部が回るだけでも全然違う。だから、そこに風穴が開いて、もっとどんどん穴が大きくなっていけばすごいことになるなというのは、夢みたいな話ですけど、ぜひ実現してほしいなと思っています。直近だと新NISAが始まってから、かなりのお金が流れてきていますよね。5年先、10年先には日本は大きく変わっていくのではないかと期待しています。

求む、スタートアップ好き!

社内での会議風景

――今後はどのような方にジョインしてほしいのでしょうか?
波多江:色々なポジションを募集していますが、今、一番求めているのは営業、フロントと呼んでいる機能ですね。スタートアップの皆さんにイークラウドを知ってもらう営業をするメンバーの採用を強化しています。あとはベンチャーキャピタルの皆さんとの連携を図る部分ももっと強化しようかなと思っているので、BizDev(ビズデブ)のポジションも採用を強化しています。

――求める人物像はどのようなイメージでしょうか?
波多江:スタートアップの経営者と関わりながら自分も成長したい、スタ-トアップがとにかく好きで一緒に成長したい、そういう気持ちが強い方を求めています。イークラウドのように、複数のスタートアップ経営者に深く関わりながら成長することができる環境は稀有なのではないかと思っています。とにかく、スタートアップに関わっていたいという熱い思いを持っている方とどんどん出会っていきたいと思っています。ご興味のある方はこちら
からご連絡ください。

――ありがとうございました。W fundはこれからも、イークラウド株式会社をはじめ、スタートアップを応援していきます!

波多江直彦
株式会社イークラウド 代表取締役
慶應義塾大学法学部卒業後、サイバーエージェントに入社。広告代理部門、スマホメディア、オークション事業立ち上げ、子会社役員等を経て、サイバーエージェント・ベンチャーズで投資事業に従事。その後XTech Venturesにてパートナーとして、VR・SaaS・モビリティ・HRTech・シェアリングエコノミー・サブスクリプションサービス等への投資実行を担当。2018年7月にイークラウド株式会社を創業、代表取締役に就任。

服部将大
W fund パートナー
2008年、三井住友銀行入行。法人銀行業務を担当。2010年より、SMBCベンチャーキャピタルへ発足時メンバーとして出向。リーマンショック直後の厳しい投資環境下から一貫してベンチャー投資に携わる。2018年、日本とシリコンバレー でVC投資を行うDNX Ventures(旧:Draper Nexus Ventures)へ参画。SaaS領域での投資業務をメインに従事。これまでの主な投資先は、Kyash、ユニファ、スマートニュース、グッドパッチ 、チームスピリット、クックビズ、Hacobu、カケハシ、TableCheck、みんな電力など。これまでにIPO6社、M&A6社を果たす。全国のサウナ巡りが趣味で、サウナは週3日ペースで通っている。

構成・編集 株式会社TEA.M






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