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ハイカラセットと、タコハイ

ハイボールと唐揚げで、ハイカラセット。

……誰ですか、こんなに素晴らしいネーミングを考えついたのは! と、私は居酒屋に行くとよく思う。ほとんど毎回思う。ハイカラ、ハイカラ。ハイボールと唐揚げ。ネーミングの妙はわかるのに、味の妙はわからない。なぜなら食べたことがないから。ハイカラ。その理由は体質的にアルコールがまったく合わず、私はお酒を飲めないから。ハイカラ。ああ、ついつい言いたくなっちゃうな。それぐらいいい響きだ。

そして最近知ったのが「タコハイ」。タコハイって変な名前、と思っていた。最初は、アルコール度数が高くて飲むとタコのように真っ赤になっちゃうハイボール、の意味から「タコハイ」なのだと思っていた。だけど調べてみると、違った。今流行りの「多幸感ハイボール」で「タコハイ」なのだって。多幸感。幸せがいっぱい。いい言葉だ。タコウカンハイボール、タコハイ。その一言だけで、田中みな実さんが思い浮かぶからサントリーのCMは本当にすごい。

もう一度言うけど、私はお酒が飲めない。ハイカラも唐揚げだけで楽しむしかないし、多幸感ハイボールは今後も楽しめる気がしない。...…まあ、ちょびっとは舐めたりしてみたいかな。

そういうこともあって、私からすると「ハイボール」は手の届かない憧れみたいな飲み物なのだ。幼稚園生でいう炭酸とかコーラの類と一緒で、小学生でいうコーヒーの類と一緒で、「今はうまく飲めないけど、いつか飲めたらいいな」というやつ。炭酸やコーヒーと違って、ちょっと未来への期待が持てないけれど。

だけど、ハイカラセットやタコハイを頼んで、「カーッ! これこれ!」と言っている人を居酒屋で見かけると、なんだかそれだけで報われるような気がするんだよな。それだけで、この世にこれらがあってよかったと思ったりする。自分は飲めないのに。美味しそうだなあと思って、見てる。素晴らしいネーミングを摂取できるっていいな。それだけでいいな。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。