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恋に落ちる瞬間を、好きな女の子のスピード感を落とすことで表現したのは誰なんだろう

ひと夏のアバンチュールと言われるけれど、夏と恋愛ってけっこう結びつきやすいのかなと思ったりする。

今放送している月9「真夏のシンデレラ」は、ひと夏のアバンチュールという言葉がぴったりくるような、夏、空、海、複数人の男女、快活な主人公、そんな主人公と正反対の真面目な青年、というTHE 夏の王道恋愛! が詰め込まれたドラマだ。

先日、それを見ていて「あっまーーーーーい!」と思うと同時に、何十回かの「そんなことあるかいな!」が一人の部屋に響き渡った。

(あ、ちなみにほんとうは「そんなことあるかいな!」じゃなくて、私は「そんなことアルカイックスマイル!」と言ってしまうことをここに書き残しておきたいと思う。もし、今私が何かの目に遭ってしまったときに、誰かがこれを読んで「そうだったんだ……そんなことアルカイックスマイル……」とちょっと呟いてほしい。)


盛大な独り言はさておいて、とあるシーン、快活な主人公 森七菜さんが正反対の真面目な青年 間宮祥太朗さんに近づくとき。

間宮祥太朗さん目線のカメラワークになるんだけど、そのときに手を振りながらこちらに向かってくる森七菜さんがめっちゃスローモーションになるんだよね。

すっごいゆっくり手をみぎぃ~……ひだりぃ~……と降って、本来のスピードであれば、タッタッタッ! って走っているはずなのに、タッ…………タッ…………タッ…………! ぐらいの速度で走ってくる。


この説明で恐らく、なんとなーく想像がつくと思うんだけど、それを見ていて、恋に落ちる瞬間を、好きな女の子のスピード感を落とすことで表現したのは誰なんだろうと思うぐらい、感動した私がいた。

確かに、ゆっくり走ってくる森七菜さんはすっごい可愛かった。女の私でも好きになった。

ただ、今まで気がつかなかっただけで、その手法は多くの恋愛ドラマ、恋愛映画で使われていたありがちなもの。私は、それをぼーっと見ていたのか、見過ごしてしまっていた。


でも冷静になると、その表現方法はけっこう秀逸で、スローになるだけで好きな女の子の細部の輪郭がキュッとなる。


さっきのもそうだけど、右へ左へと振られる手、自分に向かって地面を蹴る脚、ふわっふわっと揺れる髪の毛。それらすべてが自分に向かってきていて、自分のほうに向かって動いていて、動きがスローになることで愛しさが浮き彫りになる。


現実ではそんなふうに見えているわけではないのに、そうやって見ると「そりゃあ可愛いし、好きにもなるよなあ」と、また盛大な独り言を漏らしていた。

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