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底からたった5センチの飲み物が入っているペットボトル

ペットボトルに入った飲み物って、どうして家に持って帰ってくるとちゃんと飲み切れないんだろう……。永遠の謎すぎる。

気がつくと、冷蔵庫には底から5センチぐらい飲み物が残ったペットボトルが3本ほど鎮座している。たった5センチだけ。しかし、されど5センチ。たったそれだけなら飲みきれよ、と思うのに、どうして飲み切れないんだろう。今あるのは、綾鷹とカルピスと午後の紅茶。綾鷹とカルピスはすでに、底のところに彼らの旨味成分が沈殿している。すっごく濃くなった綾鷹とカルピスの素。そんなになるまで見て見ぬフリをしていてごめんよ……。


私独自の理論だけど、家に持って帰ってきたペットボトルの飲み物が飲み切れないのは、ペットボトルが外で生きる生き物だからだと思っている。

つまり、家の中に持ってくると事実上、ペットボトルは生気を失ってしまう。ペットボトルだけど、買ったときのペットボトルではない。感覚的な賞味期限? 消費期限? が過ぎてしまっているような状態、だと私は思っている。

生き生きと、ペットボトルがペットボトルらしくあれる場所は、間違いなく外なのだ。1リットルとか、1.5リットルのご自宅、パーティー用のペットボトルを除いてね。今してるのは、500ミリリットルの話をしています。


外でペットボトルを買う理由って、多くは「ちょっとあったかいのみものが飲みたくて」とか、「喉が渇いたから」とか、だろう。至極当たり前だけど、ちゃんと「飲みたい!」の意欲があって買われる。ペットボトルの生気を、私たちが注入するようなものだ。だからこそ、家に帰ってきてしまうと、その欲はもう満たされた後だし、家に帰ってくれば他にも飲めるものがある場合もある。冷えてしまったペットボトルのお茶じゃなくて、ちゃんとあったかいお茶。小さな口から出てくる水じゃなくて、コップでごくごく飲める水とか。

私たちが注入した生気を、家が奪っていく。さようならペットボトルらしさ。

あ、今日の持っていったかばんを整理したら、底から5センチのおーいお茶が出てきた……。

って、この話ってもしかして私だけなのかな。


”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。