飲食アルバイトで働いたら、待ち時間のイライラが減ったという話し

アルバイトは大変だ。お金を稼ぐということはそう簡単ではない、そう感じる事ができるのもアルバイトの1つの価値ではないだろうか。


ぼくは大学2年生のとき、とある飲食店でバイトを始めた。朝5時から料理の仕込みと盛り付けをする仕事だった。初めて出勤した日。あまりに覚える事が多いことに閉口した。待っていったメモ帳はその日でいっぱいになった。バイトが終わって、友達に泣きつくように愚痴を話した。「おれ、無理かもしれん」と。

メモを家で何度も見返して、仕事の流れのイメトレもやったが、やはり仕事をマスターするのは大変で、苦労した。色んな失敗をして、時には怒られることもあった。

やめよう、もうやめようと思う時もあったが、結果的に1年半続いたのは自分でもびっくりしている。


1ヶ月ほど前、約2年ぶりに再び飲食店(大手ファストフード店だ)でバイトを始めた。高校生もたくさん働いているくらいだし、そこまで大変ではないだろうという僕の希望的観測は裏切られることになった。

ーちょっと覚える事が多すぎる。そして、応用が多い。お客さんに言われることが、よく分からない。そんなメニューあったっけ?


僕の今の本業も中々大変だが、このバイトに比べたら全然マシに思えてくる。もちろん、その要因の1つは「慣れの加減」だろう。

学生のときのバイトも、今の本業も、慣れるまでは本当に大変だった。この仕事、自分がこなせるようになる日が来るのだろうかと疑問に思う毎日だった。一通りのことが出来るようになると、次第に余裕が生まれる。やっと仕事を楽しいと思えるようになる。

いまのバイト、まだ仕事を覚えている途中で、余計負担がかかる。一通り教えてもらったと思っていたが、知らないシチュエーションに出くわす時もあり、そういう時は壮大にテンパる。

テンパったら最後、できるはずのこともできなくなり、ミスがミスを誘発していく。


思ったのは、仕事の質も違うなということ。

本業の方は、自分のペースで取り組む事が出来る。確かに複雑な問題に直面することもあるが、紙に要点を書きだし、調べて、解決法が見つかったら、パソコンにまとめる、という手順を踏むことができる。腰を据えて取り組む時間がある。

飲食店のバイトは違う。瞬時に対応し、一度に2つや3つのことをする必要があるため、頭の回転が早くてはならない。パッと目の前の作業をこなしていく器用さが大事で、かつ、膨大な量の手順を頭に入れておく必要がある。


バイトで働いて、改めて感じたこと。

僕は、残念ながら、こういうことが苦手だということだ。

作業をパッと切り替えることは苦手だし、凡ミスも多いので、早くやろうとするとよく間違える。

記憶力が低いとは思わないが、人より呑み込みは遅いので、一人前になるまで時間がかかる。


やっぱ飲食店って大変だ。悲しいかな、周りの、失敗せずに仕事ができている高校生の子がカッコよく見える


さて、ここで初めてタイトル回収。


今まで僕は、その大手ファストフード店で商品を購入するとき、レジの人の対応が素っ気ない時があること(商品の受け渡し時、少し雑な感じで渡されたり)、注文を受けるのが少し遅かったりした時、少しイライラした気持ちになっていた。


そうか、こんな大変な仕事だったのか。


自分でやって初めて気づいた。沢山トレーニングして、初めてそのカウンターに立っているのだ。


そう考えると、注文を聞き間違えられたり、待たされる時間も、イライラを感じることはなくなった。


そして、食べる時の感謝の気持ちも少し増した気がする。


と、バイトでミスしまくって辛くなった愚痴を、いい感じの話にまとめようとした今日この頃。







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