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読書感想 「グレート・ギャツビー」
今回紹介する本は、アメリカ、失わせた世代(ロストジェネレーション)の第一人者と謳われる、スコット・フィツジェラルドの名作、「グレート・ギャツビー」です。
*ネタバレはないので、安心してください。
20世紀のアメリカがこの小説の舞台であり、第一次世界大戦の終わった後のアメリカの経済成長ー煌びやかな暮らしと、その背後にある一抹の儚さや、寂しさ、を描いています。
僕はこの小説を、村上春樹の「ノルウェイの森」で知りました。ノルウェイの森の主人公、大学生のワタナベの愛読書が、「グレート・ギャツビー」で、彼は事あるごとに読み返します。彼と同じ寮の東大生、永沢は、彼がこの小説を読んでいるのをみて、ワタナベに興味が湧いて、話しかけるのです。
ノルウェイの森は、僕が最も好きな小説の1つですが、主人公は、本を片時も話さない性格で、待ち時間、夜寝る前、カフェにいる時ーなど、少しでも時間ができると、すぐ本を手に取ります。その描写がすごくクールに描かれており、読むたびにこっちも、本を読みたくなってきます。今まさに、本を読んでいるんですけどね笑
さて、話が脱線しかけてしまいましたが、この小説の主人公は、ニック・キャラウェイという人物です。題名のグレート・ギャツビーというのは、偉大なるギャツビーという意味で、つまり主人公ニックの目線で、ギャツビーという人にスポットが当てられ、話しが展開されていきます。始めのうちはギャツビーという人物は謎が多く、大富豪で、ミステリアスで、クール、、良い人なのが悪い人なのかさえ分からない、といった感じでしたが、話しが進むに連れて、彼という人間が掘り下げられていきます。
話し流れが捉えにくいため、最初は分かりづらいのですが、その時代のアメリカ経済成長の明るさをベースに、背後に潜む闇であったり、その儚さ、人間の欲望、を感じさせられながら、主人公を取り巻く人物たちの像が、少しずつ見えてきます。
そして中盤から終盤にかけては、ギャツビー、彼の求めたもの、彼が貫いたもの、彼が失ったもの、が浮き出てきて、人間らしくない人間の、これ以上人間らしい姿に魅せられます。
ちなみにこの小説、様々な人なよって訳されていますが、僕は野崎考さんと、村上春樹さんによる訳の2冊を読みました。どちらが良いとは一概には言えないですが、ギャツビーの口癖、「old sport」は、村上春樹さんが、「この言葉は「オールド・スポット」とい言葉でしか表せない」、と言っているように、やはり「オールド・スポート」という表現の方がしっかり来ます。
ちなみに村上春樹さんはこの小説を、自分が最も影響を受けた小説の1つに上げています。
話しに入りこむのが難しい小説で、僕も何度か読み返さないと、中々その魅力を味わえなかったのですが、とてもおススメの小説なので、是非読んで見てください!
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