菅田将暉ANNで米津玄師が口にした、ちょっと気になる言葉たち
2022年3月をもって終了する菅田将暉のオールナイトニッポンに米津玄師が初出演したのが2017年。それから、2019年、2020年とほぼ年1で出演し、今回がラストとなった米津のトークは終始ハイテンションで心底楽しそうだった。
小一時間のぬるいバカ話に紛れた、個人的にちょっと気になる言葉をいくつかピックアップしてみた。
「CD作るのが好き」
ストリーミングが当たり前の若年層は、CDプレイヤーなんて持っていないらしい。CreepyNutsでさえレコードは聞くけどCDはないと言う。この話の流れで、菅田が「CDは聴けますよね?家で」と訊いた時の米津の反応が正直すぎた。
「C〜Dィ〜…好きぃ…だ…なんでね…ぅん」と歯切れが悪い。菅田が「よかったッ!これがミュージシャンの反応ですよ」と被せた刹那に米津が発したのが…
さては米津もCDで音楽を聴いてないな?w
実際、BillboardJapanは昨年から、総合チャートにおけるCDセールスの係数を低くする変更を行なっている。これは握手券や限定特典などを餌に集中的にCDを売ることが、デジタル時代の基準にそぐわなくなってきたからだ。
もしかしたら、CDは音源というより「グッズ」の一種となっているのかもしれない。近い将来、凝ったパッケージのCDは、レコードやカセットのようなエモいレトログッズとしての価値を持ちそうだ。
「俺に似てるな」
結婚報告のために菅田が米津宅を訪問した時、手土産に一輪の青い花を買っていった。花瓶を持っていない米津はマッカランのボトルに花を挿し、それを眺めながら「俺に似てるな」と思ったそうだ。
米津に似ているその青い花とは何だったのだろう?私の勝手な想像だが、デルフィニウムではないだろうか?
ほぼ1年中買うことができ、1本咲きタイプは一般的なサイズでも7〜80cmはある背の高い花だ。もし、この花がスリムなマッカランのボトルに挿してあったら、確かに米津にそっくりかも知れない。
実は、デルフィニウムは大量摂取すると死に至るほどの毒を含んでいる危険な花でもある。
「孤独じゃなくなったんだな」
菅田が、いろんなものに振り回されながらも自分を保つために傷だらけで疲れ果てすっごくキツそうに見えたと語った米津。そんな菅田が結婚すると聞きとても嬉しかったと言う。
”結婚することで孤独じゃなくなる”と米津が思ってることが意外だった。
結婚によって責任と義務は増幅し、自由は少なからず失われる。そして、孤独が消滅するわけではないことは結婚経験者の多くが実感しているだろう。
菅田の結婚を「孤独じゃなくなったんだな」と喜んでいた米津が、”結婚と孤独”の相関をどう捉えているのかとても興味深い。
「人間味しかない」
MV撮影中にエキストラを鼓舞しようとして負傷し、結果撮影を中断させてしまったというエピソードに「ダッセェ〜!でも意外と人間味あるところが溢れてきたのかもね」とツッコミを入れた菅田にしみじみとこう返した。
テレビは紅白以外すべて録画。ラジオもここ数年、生出演は菅田将暉ANNだけだ。そのANNでさえ「降臨」扱いだし、流血しただけで「人間味がある」と言われるほど米津のミステリアス神話は根強い。
菅田に言い過ぎだと窘められたこの発言には思わず吹いたが、一歩間違えば反感を買いそうな危うい言葉を、ヌルっと漏らしてしまうことこそが”人間味”そのものだと思う。
「オレ今ゲームの人だから」
POP SONGがプレステのCMソングであることの忠誠を示すように、「ゴースト・オブ・ツシマ」「エルデンリング」について語った後の発言。
だが、後半、夢の話の際に嬉々として語っていたのはポケモン(任天堂)のマルマインの戦い方についてだった。米津が生放送に向かないのはこういうところか?w
いや、待てよ?これは星野源ANN出演のためのリップサービスだったりして。
「生まれ持った何かってのはものすごく残酷なまでにそこにある」
いつものように菅田の声を褒めまくった時、菅田が”声質のジャンル”や”骨格”などに言及しようとするのを「本当にもう感性だと思いますよ」とピシャリと遮った。
人生は「遺伝」と「環境」で決まってしまうと言う説がある。実際は、そこに「努力」や「運」も加味されるが、そもそも努力できる環境か?運を生かせる素質があるか?と言う根本問題にブチ当たることを彼はわかっている。
このシリアスな話題を避けるように菅田がボイトレの話を振ると「自分の可動域を広げるためにそろそろやってもいいと思っている」と答えながらも容赦無く話を元に戻す。
同時に、その「何か」が大きすぎるが故に人生を迷ってしまう人もいるとも言っていた。
誰もが「何か」の資質を持って生まれてくる。その「何か」に気づけること、それが自分のやりたいこととピタリと一致し、無我夢中で努力できる人をきっと天才と呼ぶのだろう。
「斜に構えてるのが一番良くないから」
30代からの肉体の衰え、睡眠、身体を鍛えることなど”健康関連トーク”の中で、最も盛り上がったのが食の話だ。「ハンバーグには、やっぱおろし?」「おろしポン酢に大葉が乗ってとか」と言う菅田に・・・。
これはもう、実際のメニューの話ではなく、今後の米津の音楽を示唆する意味深な比喩だと思った。
誰もが好きな王道中の王道、チーズハンバーグ+カレー+ドリアの全部盛りを絶賛し、”おろしポン酢ハンバーグ”を斜に構えてると表現。もちろん、メニューそのものではなく比喩的にだ。
まるで自分に言い聞かせているようだ。米津と言えば、”パクチーソースに沢庵添えハンバーグ”みたいな、他にはないけど食べたら意外と癖になっちゃうような楽曲も多い。
だが「私のこと嫌いな人なんていないでしょ?」という堂々たるメジャーメニュー”チーズハンバーグカレードリア”を「本当にかっこいい。願わくばそうなりたいオレも。」と繰り返していたのは、冗談ではなく本心なのかも知れない。
脇腹を痛めるほどノリノリで踊りながら作っているという新曲は、”もう人間の快楽直球みたいな感じ”の王道ポップソングだったりしてw
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