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統計学の基礎「正規分布」を理解しよう!〜確率で考える正規分布〜

こんにちは!
今回は「正規分布」について一緒に学んでいきましょう。

正規分布は、性別ごとの身長やテストの点数など身近な統計から、製造業の品質管理などのビジネス統計まで、幅広く使われています。
正規分布を用いれば、統計的な分析を行うことができ、一段階上のデータ解釈を行うことができます。

「正規分布は聞いたことがあるけどよく分からない…」という人もいるかと思いますが、分かりやすく説明するのでぜひご一読ください!


サイコロで考える確率

早速ですが問題です。

「3個のサイコロを同時に投げ、出目の和を計算する。このとき一番出やすい数字はいくつか?」

さて、どの数字が出やすいと感じますか?
まず、
・3つのサイコロの出目が全て1⇒出目の和は最小値の3
・3つのサイコロの出目が全て6⇒出目の和は最大値の18
となります。
このことから出目の和は3~18となります!

ただ、出目の和が最小値3のときは3つのサイコロの出目が全て1なので、3は出にくい感じがしますよね。
同様に最大値の18や4,  5, 16, 17など比較的小さい数字や大きい数字は出にくいように感じます。
つまり、大きすぎも小さすぎもしない9〜12あたりの数字は出やすそうな感じがしますね!
結論からいうと以下の表の通り、最も出やすい数字は「10」と「11」になります!


3個の出目の和の計算を10000回やってみる

では、少し問題を変えます。

「3個のサイコロを同時に投げ、出目の和を計算する。これを10000回繰り返すとき、出目の和はそれぞれ何回ぐらい出現するか?」
10000回投げたとき一番出にくい3や18、一番出やすい10と11は何回ぐらい出ると思いますか?

実際に3つのサイコロを10000回ずつ振って確かめてみましょう!と言いたいところですが、本当にやると途方もない時間がかかるので、今回はPCに任せてしまいましょう!

さて、3個のサイコロを10000回振った時の出現回数などをシミュレーションした様子が以下になります。

緑色はサイコロを10000回振ったときのサイコロの出目と3つのサイコロの合計を表しています。
青色は10000回振った結果、出目の和がそれぞれ何回出たか、そしてその確率を求めています。
赤色は10000回振ったとき、数学的にはどのくらいの確率で何回出るかを表しています。
確率の表から10, 11は出やすく3, 18は出にくくなっていることがわかりますね。
灰色は平均値を表しています。
平均値については、具体例を交えて後述します。

続いてグラフの説明ですが、青色が出現回数を棒グラフで表しています。

黄色は実験値の出現回数を折れ線グラフで結んでいて、黒色が理論値となっています。

さて、後述すると言った平均値についてですがN20のセルを見ると平均値は10.5になっていますね。
これは「3個のサイコロを投げて出目の和を計算する」ことを複数回行ったとき、1回あたりの出目の和の平均値が10.5になることを表しています。

計算方法としては(平均値)={(出目の合計)×(出現回数)/(試行回数)の合計}になります。

そして、グラフを見ると「10」と「11」、つまり平均値付近が一番出っ張っていますよね。

このように正規分布とは「平均値・最頻値・中央値が一致し、それを軸として左右対称となっている確率分布」のことを言います。

「確率分布」とは「物事の起こりやすさを確率で表したもの」のことです。
さきほどの「サイコロの目の合計が出現する回数」のグラフは、縦軸を出現回数としていますが、以下のように縦軸を出現確率としてもグラフの形は変わりません。

このように、出目の和という「物事」の起こりやすさを確率で示しているものを、確率分布といいます。

繰り返しになりますが、この確率分布の形が「平均値・最頻値・中央値が一致し、それを軸として左右対称となっている」ものを正規分布というのです。


まとめ

いかがでしたか?

業務で正規分布の理解が活きる場面としては、製造業があげられます。
実際に、日々多くの部品が工場で生産されていると思いますが、これらの製造された部品の長さや重さなどのばらつきは正規分布に従うと言われています。
中には不良品と判定される部品ももちろんあるわけですが、製造された部品をすべて調べて不良品を見つけるのは現実的ではないですよね。

そのため、正規分布を使い不良品確率を求めることにより、製造プロセスを見直すための分析に役立てたりできそうですね!

正規分布は奥が深いため少ししか説明できませんでしたが、正規分布についてざっくり理解していただけたらありがたいです!


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