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【デジマケ全然成熟してない件】広告業界のよもやま話を、酒の肴に(2/8)

広告、デジマケ、メディア界隈でのよもやま話を書いています。月曜から◯ふかしのBGMを頭に浮かべてください。

「業界の抱える問題SP」2本目なんですが、1本目と同じく愚痴や批判ではなく、前向きに笑いながら次の打ち手を打つ、キャリアについて想いを巡らせる。皆んなで考えましょー。下に書いてあることはほんの入口で、皆さんが色々思ったり話したりすること自体が宝物だなあと思う次第です。

皆さんが一番気になるテーマはどれですか?前回はこちらより。
右上から時計回りに書いていき、一回の更新で2テーマづつ取り上げます。と言っていたのですが、今回のテーマが重すぎて1テーマでアップさせてもらいました。忘年会でのネタにという思いがあるので、花金前にアップです。

では、、、

デジマケ全然成熟してない件

デジタルマーケティングの闇の話題です。

この話題もここ数年特にホットな話題ですね。業界的には3年前くらいに本格化し、2年前に東洋経済が特集を組んで、この1年NHKが特集して、業界ごとから世の中ごとになっている気がします。業界ではネスレのM岡さんやダイキンのK山さんなど時間を割いて啓蒙活動をされている印象です。

世の中事になるってどういうことかというと、子どもや学生が、子どもを持つ親や親族が、知識を持つということで。本気で浄化を図らないと優秀な人材が業界に入ってこないということになると思っています。
大学のマーケティングやコミュニケーション、デジタルの授業の題材にNHKの特集を使われるというのを耳にしました。

何から手をつけたらいいのでしょうか。インターネット、デジタルマーケティング、アドテクの世界はダメな悪質な世界なんですか。

まず、皆さんと共に声に出して言いたいのは、「絶対にそんなことはない、そんな風にはさせない!!」ということです。電車で読んでいるひとは小さな声で、一人会社の帰り道(周りに人がいないことを確認して、、)大きな声で、飲み会で仲間と飲んでいたら皆で言いましょう。「絶対にそんなことはない!!」

課題のおおい領域なので、物事を少しシンプルにするために二つに区分させてください。
まず、「絶対にそんなことはない!!」と言えない方、例えば不正なインプレッションで、不正ないいねで、不正な口コミで稼いでいる方や、著作権侵害を承知でコンテンツを上げ続ける方またそれに関与している方は、なるべく早く違う仕事ややり方を探してください。そういう技術や気概のある方は真っ当なことをしてもきっとニーズがありますので、お願いします。

で、私とともに「絶対にそんなことはない!!」と言ってくれた皆さん。皆さんとともに考え、変えていかなくてはいけません。

デジタルマーケティングやアドテクのとても難しいところは、知らず知らずのうちに不透明なことに関与していること、良かれと思ってやっていることが正しいと言えないことの可能性があることです。また不正がスナック感覚で簡単なので反省しにくいところじゃないかと思っています。エクセルの数字いじるだけとか。

昔、とある総合代理店のがっはっはおじさん(尊敬を込めて)が贖罪として話してくれた話がありました。「新聞広告を請け負ったんだけど素材の入稿が遅れて、クライアントの超怖い宣伝部長の家に届く新聞の版には間に合わないことがわかったんだよ。(新聞とくに朝刊は1版からだいたい12版くらいまで段階的に印刷されます、入稿の時間によって印刷されるものが変わったりするんです、午前1時くらいが最終ですが)どうしようもないから宣伝部長の家に早朝行って、朝刊を新聞屋さんが届けるのを待って、ポストから抜き出して、広告が印刷された新聞とすり替えたんだよ!」って照れながら教えてくれました。

この話、もちろん不正なんですけど、この笑っちゃう感じはなんだろうと。

やっぱり当事者がほんとはいけないことしてんなと明確に思っていることと、その不正の大変さがもう二度とやらないだろうなと思わせるところにあるような気がしています。

アドテクなど、テクノロジーを使う以上、新しいことをやらないと意味がない気がするので前例がないことに取り組みます。

志の高さや強さ、取り組みの難易度や得も言われぬカッコよさなどが相まって考えれば考えるほどとても基本的な、ユーザーにとって気持ち悪いかどうか、不快な思いをするひとがいるかなど、本当に(コンプライアンス的に)正しいことをやっているかという点が抜けてしまう気がします。

例えばCPAやCPCをKPIにして、ロジカルにオプティマイズした結果、行き過ぎた表現になったりユーザーが迷惑な広告体験を強いてしまったり。(横文字に酔いしれている感もあるし)

AIの技術という言葉が先行して学生の辞退率を計算して活用してしまったり。

ほんとに問題があるまで、炎上するまでそれが正しいことなのか、振り返ることはありません。それが問題です。
今やっているキャンペーンが、今作っているコンテンツやサイトや記事が、今提案している企画が本当にユーザーにとってフレンドリーなものなのか。愛されるものなのか。好きな人に自信をもって使ってほしい体験して欲しいものなのか。

年末なので振り返ってみませんか。私も今年一年の自分の仕事を振り返ってみたいと思います。

振り返るにあたり、自分で参考にして注意しようと思っていることをいくつか挙げますね。

1. 人のせいにはしないでおこうと思います。
ディズニーのステマ問題が最近話題に上がりました。広告主のせいなのかエージェンシーのせいなのか作家のせいなのか、犯人捜しって想像しただけで楽しいのでやっちゃうんですが、ああ自分だったらやった可能性はないかなあと考えようと。なにかのコメントに「デジタルネイティブの弊害か」というのを見たのですが、世代のせいにするのも大きな思考停止なのでやめておこうと思います。
2. JAAやJIAAのステートメントを読む、出来れば背伸びして英語でIABやMRCのものを読む
業界団体から出ているものって、ちょっと読まないですよね堅苦しい感じがして。でもダメです、絶対に読んだ方がいい。何が正しくて何が正しくないのかの基準をもつことってとても大事だからです。まだまだ日本はその基準が発表されていることが少ないのですがJAAもJIAAも大変な労力をかけて、資生堂のK出さんや元IBMのY口さんなど圧倒的に優秀な方々がステートメントを作っています。読まないと損です。いま日本のJAA、JIAAのものを読んで、もう大丈夫!十分と思った方は英語の勉強を兼ねてIABやMRCなどの米国業界団体のものを読むことをおすすめします。世界最高峰の方々がこの問題と向き合っています。
3. いままでのアドテクの常識を疑い、革命を想像する
いまGDPRなどのプライバシーの問題の最たるもの(でも極端ではないもの)はクッキーだめ、ターゲティングだめ、トラッキングだめということです。ユーザー目線で言い換えると、「知らない間に追っかけないでよ、購買履歴とか勝手に使わないで、性別とか判断しないでよ、気持ち悪い!」「許諾をとってた?規約とか読んでないし!」って感覚ですよね。これ、ターゲティングとかトラッキングってデジタルマーケティングの常識ですが、ちょっと考え方を変えなくてはいけないですよね。でもまた新しいことをもっともっとユーザーのことを想像して、会話して考え出せばいいんです。大丈夫。

皆さんと一緒なら大丈夫。

最近P&G出身の方がコンサルティングを始めたり、小規模なコンサルティングの会社が増えてきました。ユーザーのマインドを変えるとか、ビジネスロジックを整理するとか色々あると思うんですが、デジタルマーケティングの膿を出して、愛されるマーケティングをやりませんか?ってそういうカッコイイ人たちが切り出してくれたら少し幸せな未来があるように思います。そういう立場じゃなくても、諸先輩方は後輩とともに新しいデジマケの世界を語り考えてくれませんか?

昔、スケダチのT広さんが"Make Marketing Lovable"って言っていて(正確か定かでありませんが)、多分Hubspotのスローガン的なものかと。それをいつも胸に留めています。

皆さんともう一度、

インターネット、デジタルマーケティング、アドテクの世界はダメな悪質な世界なのか。絶対にそんなことはない、そんな風にはさせない!!この業界をもっと愛されるものにする。

2020年、もっといい年になる気がします。

今日はここまで。スキを押してくださる方、フォローしてくださる方、本当にうれしいです。またTwitterやFBでシェア頂けると大変喜びます。(すでにシェア頂いてる方、エゴサしてるので見ています、ありがとうございます!バランス感覚を褒めてくれたり、飲み会にお誘いいただいたり、怖がられたりしています。ご返事はできてないですが嬉々として拝見しています)

次回はこの業界地味話と中国の華やかさのコントラストを出せたらいいなと。

筆者はすいません、匿名なんですが。20代結構後半、、デジタルデジタルいっているわりに、ラジオが大好きでTBSのJUNK、とくに月曜日のヘビーリスナーです。


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