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【中国がやっぱりすごいなー問題】広告業界のよもやま話を、酒の肴に (4/8)

広告、デジマケ、メディア界隈でのよもやま話を書いています。月曜から◯ふかしのBGMを頭に浮かべてください。

「業界の抱える問題SP」4本目なんですが、いつも通り、愚痴や批判ではなく、前向きに笑いながら次の打ち手を打つ、キャリアについて想いを巡らせる。皆んなで考えましょー。下に書いてあることはほんの入口で、皆さんが色々思ったり話したりすること自体が宝物だなあと思う次第です。

皆さんが一番気になるテーマはどれですか?前回はこちらより。
右上から時計回りに書いていき、1テーマづつ取り上げます。

では、、いきましょう!

中国がやっぱりすごいなー問題

今年、頭にこびりついている言葉が2つあって。
その両方が中国の方の言葉だったから、ああマインドセットを少し変えなくてはいけないなと感じた2019年になりました。

一つはJohnson & Johnsonのデジタル、E-comのVPから独立してコンサルティング会社USHOPALを創業したGuo Luさんの言葉。
Advertising Week Asiaのセッションで日本の聴衆に向かって、

"Hey Team Japan, Are you ready?"

と何度も言った、そのフレーズがずっと頭に残っています。

セッションで語られていたことは中国のスピード感とビジネスに対する熱意でした。英語でのセッションだったのでメモとった情報が全て正確かどうか確認していませんが、雰囲気は掴めると思います。

中国は3ヶ月で市場が一新する。完璧に変わってしまう。
日本の市場と同じように中国のE-comは複雑で、その複雑さと変化のスピードをブランドは乗り越えていかなくてはいけない。

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"Hey Team Japan, Are you ready?"

・2010年、中国ではデパートやショッピングモールが曲がり角を迎えていた。同時期にデジタル領域のBtoBで先頭をいっていたアリババがB2Cの領域に進出しようとしていた。
・LuさんにアリババのB2CをリードしていたAndyが”この10年で、AlibabaのB2C、T-mall無しでビジネスができるブランドはなくなりますよ"と予言してきた。そして実際にそうなった、それもその半分の期間で。
・2015年まではB2CのT-mallが全てだった。しかし今は実際の売上の30%がKOLからの売上で、広告経由の売上より大きい。KOLはTaobao, WeChat, Weiboなど、どこら中のSNSからお客さんに直接売っていくんだ。
・2019年までは、Alibaba T-mall team(B2C)とTaobao T-mall team(C2C)は競合関係にあって、人材やリソースを取り合っていた。
・2019年3月、両社は統合して、そのLeaderは1985年生まれで、B2CのビジネスをやったこともないC2C出身でコンテンツ作りやコミュニティ管理をやっていた青年である。
・Alibabaは10000人のKOLにTaobao T-mallで店を開店し、店長になるように開店資金を融資して、この流れを決定づけたんだ。

"Hey Team Japan, Are you ready?"

・でも真実を言えばAlibabaもJD.comも伝統的な会社だと言われている、つまりもう古臭いイノベーションのできない会社だと言われているんだ。
・もうすでにE-comの伸びは鈍化していて、次の一手を考えないといけないタイミングになっている。

"Hey Team Japan, Are you ready?"

みんな私に中国のECで成功するにはどうしたらいいか聞いてくる。
答えはいつでも一緒で、「基本がいつも大事(Fundamental is always important.)」ということだ。
・値下げはだれだってしたくない、ブランドの目的をとにかく突き詰めて、それを細かく細かくKOL達にブリーフする。
・そういう活動をしているとチャンスがめぐってくる。
・実際にあったケースでは、芸能人が深夜のテレビ番組で商品を使ってくれていることを言った。その瞬間リリースを書いて、そのリリースを右手に早朝T-mallの担当者に会いにいく。このニュースを発信したら世の中が変わるから、今すぐ値下げをやめてサイトトップの動線を作るんだと交渉をする。交渉成立したらニュースを発信する。12時間経つともう情報は古くなる、このスピード感がないと中国では生き残っていけない。
・工場作業のように感じるかもしれないが、実態は全く違う。全てのコミュニケーションに心を通わせないと、絶対に成功しない。"I give money and you do this.(お金あげるからこれやって)"はもう一切通用しないんだ。

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"Hey Team Japan, Are you ready?"

Global企業ではこういうダイナミズムとスピードを体感している人達が先頭を走っていく。

中国は安全性が、、とか、監視社会で、、とか、国として、、とか、言って盲目になるのが一番いけません。正さなきゃいけない部分はもちろんあるけど、食わず嫌いをしていたら浦島太郎になります。

もう一個の言葉は、こちらからの引用です。

未来においてはもしあなたが成功したいと願うなら、
あなたの会社が成功したいと思うなら、
あなたが個人として成功したいと思うなら、覚えておきなさい。
自分のために考えるのではなく、
他の人のために考え、世界のために考え、
未来のために考えなければならない。

これ誰の言葉だかわかりますか?
これはAlibabaの代表ジャック・マーが9月に引退したときのラストスピーチです。高校の先生だったジャックマーがアリババを創業し、4兆円の企業をつくり、また高校教師に戻ります。

スピーチなので本当にアリババがやっていることがこの通りなのか、それはさておいて、こういう魂をもった経営者がトップで、中国のビジネスをリードしていたのだとすると、もう”中国だからねー”みたいな受け流しはできません。
世界に通用するパーパスを持った企業があり、そこから生まれるサービスがあって、そこで働く従業員がいる。

海外事例で欧米の会社ばっかり取り上げていたら、、、僕らが中国から学ぶのを辞めたら、、未来は無いように感じています。

そして、、、

皆さん、TikTokやってますか?
みなさんから見えているTikTokはただのSNSなのでやってもやらなくてもいいとおもいます。

が、本質的にはTikTokはAIの会社です。AIの領域に嘘だろっていうくらい投資をしています。

彼らが目指しているのはAI時代のGoogle×マイクロソフトです。
圧倒的なデイリートラフィックを処理して適切な情報をユーザーに届ける、その基盤となるハードもソフトもプロダクトにしていく。

彼らの今後の動きにも注目してください。

冒頭にも書いてある通り、一緒に考えること話すことが目的ですので、兎にも角にも思考停止を防ぐことをモットーに生きています。
”中国”がなんだかちょっと苦手な人もいるかもしれません(差別的な意味ではもちろんなく)、ただ2020年すこしその心のドアを開いて吸収できるところはした方がいいんじゃないかなと思っている次第です。

ちなみに、中国の”人”や文化を学びたいひとは同世代女子の陳焼夏代さんをwatchするといいとおもいますよ。

今日はここまで!
次回はマスからネットの変化ややこしい件、デジタルトランスフォーメーションってなんだっけ、インターネットってなんだっけを少し考えてみたいと思います。

筆者は匿名なんですが、今年の読んで一番印象に残っている漫画は「ましろ日」です、完全に打ち切りになってましたがw

皆さん、飲み過ぎ無いように年内完走しましょう!!


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