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LINEマンガ・ピクシブ・フーモア オンラインwebtoon座談会レポート

こんにちは。フーモアの高橋です。最近急に暑くなってきましたね。
私は20うん年ぶりに『魁!!男塾』を読み返して熱い気持ちになっております。
当時小学生だった高橋は、民明書房を真剣に信じ、ゴルフのルーツに思いを馳せておりました。いくつになってもあの頃のような素直な気持ちを忘れず過ごしていきたいですね。
さて、今回のnoteでは先日行われた『オンラインwebtoon座談会』についてレポートさせていただきます。

(1)イベント概要

2023年、世界中でますます勢いを増すwebtoon業界。
こと日本において、webtoon制作に関する情報はスタジオ発信のものが多く、「webtoonはスタジオで制作するものだ」という印象をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
しかしながらwebtoon発祥の地・韓国では個人作家として多くのクリエイターが活躍しています。
今回の座談会では、スタジオ制作を行うフーモアと、多くの作品・クリエイターとの接点を持つLINE Digital Frontier株式会社ピクシブ株式会社が、それぞれの目線でwebtoon業界について語り合いました。

次の3名の方にご登壇いただきました。

井本洋平
株式会社フーモア 
webtoon事業部事業部長
執行役員

遠藤匠馬さん 
ピクシブ株式会社
IPクリエイション事業部 IPアライアンス部 マネージャー
pixiv事業本部マンガ部タテヨミチーム プロジェクトオーナー

小室稔樹さん 
LINE Digital Frontier株式会社
Content Production室 室長
第2編集部 部長

会場はピクシブ株式会社様の素敵なオフィスをお借りいたしました!
この場を借りて改めて感謝申し上げます。

(2)セッション

さて、座談会最初の内容は各社ごとのセッションです。

フーモア:スタジオ制作と相性が良いクリエイターとは

webtoon事業部が発足して3年目を迎えるフーモアは、現在(2023/6/15)までに21作品をリリースしています。
webtoon制作の酸いも甘いも経験してきたフーモアが、スタジオにおける制作体制と、相性の良いクリエイターさん像について紹介させていただきました。

フーモアでは、上記のようなフローでwebtoon制作を行っています。
分業体制で制作をしているため、1作品あたり平均9人ほどのメンバーが関わっていますが、それでも結構ヒーヒー言っています。

スタジオでwebtoonを制作することは、「プロデューサーの企画した作品をチームで完成させる」ことです。従来の「漫画家」とは似ているようで異なるところも多いので、
webtoonクリエイター」という新しい職業が誕生したと考えていただく方が良いかもしれませんね。
マンガとは読者層も表現方法も異なるのでwebtoon業界は新たなチャンスとして挑戦していただけると嬉しいです。

LINE Digital Frontier株式会社:LINEマンガから見えるwebtoonの世界

世界中にグループ企業があり、10言語で展開され、月間利用者数8,900万を誇る超巨大プラットフォームの連合体 “WEBTOON Worldwide Service”に属する「LINEマンガ」。やはり一番の強みは「人気作をグローバル展開できる」ところです。

「LINEマンガ」から世界を目指す道の一つである、トライアル連載についても詳しくお話ししていただきました。
トライアル連載の詳細については「LINEマンガ」公式HPをご覧ください。

個人作家さんの活動もしっかり支援し、その制作環境を整えていこうという取り組みから、LINEマンガさんの「webtoon業界を盛り上げたい」という意気込みを感じました。

ピクシブ株式会社:ピクシブでのwebtoonに関する取り組みについて

クリエイターの表現・コミュニケーションの場として圧倒的な存在感を放っているピクシブさんは、webtoonにおいても「投稿される・読まれる」土壌を作り、新たな作品やクリエイターが生まれることを目指しています。

そのために、pixivisionという自社webメディアでwebtoon作家のインタビューを掲載したり、webtoon作品のコンテストを行ったりといった活動をしています。
特に印象的なのが、webtoonに関するレクチャー動画(リンク張る)。
この動画内では、「準備するもの」「アプリの使い方」「pixivへの投稿の仕方」というような、初心者がつまづきやすいポイントも丁寧に解説されています。「そもそもやりかたがわからない」という参入障壁を無くしたいというピクシブさんの姿勢が伝わってきますね。

今後もwebtoon市場において個人作家の活躍の場が広がっていくよう、様々な施策を行っていくとのこと。ピクシブさんからますます目が離せません。

(3)座談会

各社のセッションが終了した後は、お待ちかねの座談会です。
事前&当日にいただいた質問についてお答えしました。今回はそのうちの一部の内容を紹介させていただきます。

Q.国産webtoonに今後期待するジャンルは何ですか。

遠藤:
個人作家の方が増えると嬉しいという意味では、エッセイとかはすごく良いのかなと思っています。もうちょっと軽く描けるものが増えていくといいんじゃないかなと。
webtoonとか漫画が好きな一個人としては、スラムダンクみたいなスポーツ系で何か突出して面白いのが出てくると嬉しいですね。

小室:
ジャンルに関して、実はあまり横読みの漫画と違いはないと思ってます。
いわゆる恋愛系もwebtoonで読みたいですし、スポーツ系も縦スクロールでの表現が難しいところもあるんですが、結構面白いサッカーwebtoonも出てきているんですよ。
ですので、ジャンルにおいては横読みの漫画で生まれたようなものも、webtoonでどんどん出てきてほしいと思ってます。

井本:
ジャンルとはちょっと異なりますが、キャラクターが強い作品が出ると良いなと。
webtoonってすごく売れている作品でも、意外と主人公の名前を読者が覚えてなかったりするんですよね。
キャラクターに特化しないことがwebtoonの良さでありながらも、国産で作る場合にはキャラクターが活躍して、主人公の名前をみんなが覚えているタイプの物が出てくると一気に跳ねるんじゃないかなって考えています。

Q.横読みのマンガ読者にどのようなアピールをしていくか。また横読みとwebtoonのジャンルや読者層の違いは何か。

遠藤:
読者からすると、横読みかwebtoonかは関係なく面白かったら読む、それ以上でも以下でもないのかなと考えています。

小室:
アピールしないことが大事かな、と。LINEマンガではランキング上で「webtoonかどうか」ということは記載せず、横読みもwebtoonも同列で並べていますね。

井本:
webtoonの市民権が自然に増えていっている感じがしますね。
ちなみに、横読みのマンガとwebtoonで売れているジャンルや読者層の違いってありますか?

小室:
傾向としては、webtoon読者のボリュームゾーンは若い方が多いですね。
もちろん横読みマンガの読者にも若い方がいないわけではないのですが、webtoonの方がより顕著かなと。
ジャンルに関しては、横読みマンガではサスペンスとかホラーが強いんですけど、webtoonではあまりその印象が強くないかもしれませんね。それ以外は、例えば恋愛ものは縦でも横でも売れますし、あとはスポーツものはこれからかなと。

遠藤:
pixivコミックにおいても、webtoonと横読みマンガは大体同じかなと。どちらかというとプラットフォームの違いによる差が大きくて、うちだと動物ものやちびキャラが人気あったりします。

井本:
プラットフォームを雑誌として見たほうが良いですよね。ランキングを見ていると、
LINEマンガとピッコマでも人気の作品の傾向に違いがありそうなので、興味がある方はそのプラットフォームでどんな作品が売れているかをまずリサーチすると良いと思います。

 Q.国産webtoonの今後の展望について。

井本:
グローバルで人気を出したいのと、あとは国内で圧倒的な人気作品が出てほしいですね。

小室:
キャラクターをTシャツにして着たい!というような作品はまだこれからですよね。

井本:
フーモアが出したいというのは当然あるんですけど、それが国産であればどこが出しても弾みがつくのかなと。

遠藤:
グッズ化されるような作品が出るのが楽しみですね。

 Q.今読んでおくべきおすすめwebtoon作品は。

遠藤:
好きベースでいうと、LINEマンガさんで掲載されている『密かなミューズ』ですね。韓国の個人作家さんが描いているんですが、物語も面白いですし、作画も個人作家ならではの良さを感じます。

小室:
僕は『作戦名は純情』ですね。『女神降臨』の連載が終わって、その次に自然と出てきた人気作品なので、恋愛ものっていうので読んでいただくと良いのかなと。

井本:
王道なんですが、『入学傭兵』ですね。非常に良くできてるなと。
「展開は裏切っても良いけど、読者の期待を裏切るな」って言葉があるんですが、そのユーザーがこういうのを見たいと期待しているものをどストレートに気持ちよく見せてくれる作品です。ピンチとパンチ(反撃)のバランスがとても良くて、このロジックはwebtoonにおいてすごく重要だと考えています。

(4)終わりに

3社それぞれの視点からwebtoonについて語り合った楽しい座談会でした。
最後に視聴いただいた皆様からのアンケート結果を紹介させていただきます。

オンライン座談会の満足度は脅威の100%でした。ご参加いただいたみなさん、ありがとうございました!感想を抜粋して掲載させていただきます。

ウェブトーンは売れ筋企画ありきのスタジオ分業の綺麗め作画のイメージが目立っていたけど、だんだんと色んなタイプのウェブトーンが広がっていて楽しくなってきていい感じだなぁと思いました。

webtoonに対してのアプローチの仕方が三社異なっていて、自分がどう携わりたいのかによって方向性を定めることが重要だということが明確になってとても良かったです。

各社のみなさん和気あいあいとしていてwebtoon界隈の風通しのよさがうかがえてよかった。

第二回があったらぜひ参加したいという嬉しいお言葉をいただきました。

次回は、作家さんとコラボして制作スタジオからの目線の話と作家目線でのwebtoonについて(制作方法や、考えていること)など聞けると凄く楽しそうだなと思いました。

まだ日本では歴史が浅いので難しいかもしれないですが、経験値が多いwebtoonクリエイターさんがゲストとしていらっしゃってお話が聞けると良いなと思いました。

シナリオまわり(原作)のかたや個人製作されているかたのお話も伺ってみたいと思いました。

次回は実際にwebtoonの制作にかかわっているクリエイターさんのお話を伺いたいという意見を数多くいただきました。
今後もwebtoonイベントを通して、業界全体を盛り上げていきたいですね。
皆様、第二回でお会いしましょう!

最後に求人のお知らせです!

■募集職種
◎制作アシスタント
 各工程における制作アシスタント業務になります。
 ・ネーム(絵コンテ)担当
 ・背景線画担当
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◎アートディレクター(作画監修)
 webtoonのクオリティ管理と作画監修業務になります。
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 株式会社フーモア 担当:井本洋平
 TEL/03-6228-4310 MAIL/info@whomor.com


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