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《21投稿目》私と先輩

1.出会い

「東京」という土地に憧れを抱いていた私は、大学は絶対に東京にすると決めていました。

正直大学は法学部であること以外はどこでも良くて、なんとなく秋葉原に近ければいいなと思いながら、大学一覧と書かれた分厚い本を適当に開いて、出てきた大学を受験しました。

無事大学にも受かり、サークルを何にしようか悩んだ結果「新しいことに挑戦し続ける」という目標を立て、今まで自分は運動部だったので違う自分を発掘するため、文化部のオタクサークルに入ろうと決めました。このときすでに僕はアニメやマンガにどっぷりハマっていたためです。

入学式が終わると共に地下1階にある「漫画研究会」というサークルに駆け込みました。
大学にある公認のオタクサークルはこれしかなかったのです。

そこで出会ったのが「先輩」でした。

ーー

「先輩」が開口一番

「声優の神谷浩史に似てる!」
「あだ名はかみやんだね」

しっかりオタクなんだなぁと思いつつ、
初めて○○と似てると言われ、素直に嬉しいと感じた思い出が残っています。

サークルに駆け込んだ当日「先輩」は私をご飯に連れていってくれました。何人かで行ったので座った席はちょうど「先輩」と対角になりました。

オタクサークルなので「好きなアニメは」と質問された私は好きな作品と今も好きな嫁キャラを答えました。

「そのキャラが好きな人っているんだ…」

「先輩」の放ったその一言は今も忘れません。

これが最初で最後の、「先輩」に対する怒りの感情でした。
とはいえ、既に「先輩」の人柄に魅せられていた私はそこまでの怒りは感じず、思い出として流すことにしました。

2.道中

初めて漫画研究会に来て以来、毎日サークルに通いつめました。

部室に入るとオタクコンテンツの他愛もない話。
やることが無くなるとトランプやボードゲームをやる日々。

遊びでやっているものでも私は「先輩」に勝つことはありませんでした。
正直私はそれまでトランプやボードゲームは強い方という自覚がありましたし実際、高校まで同級生とやったトランプでは勝つことの方が圧倒的に多かったです。
ところが自分がどうやっても勝てない相手。

「こんな頭のいい人いたんだ!」

悔しいと思った反面、自分の中で一番の天才に出会えた事に喜びを感じました。

ーー

私はその頃ちょうど劇場版にもなった「ラブライブ!」にドハマリしていました。

最初は1人で見ていましたが当然オタクサークルである漫画研究会でも一緒に見に行こうという事になりました。

公開初日から少し時間が経っていた事もあり、その頃から出始めた「応援上映」と呼ばれる作品を見ながら自由に応援できる回に参加しました。

それぞれが思いの丈を叫び、今までとは違った映画の楽しみ方を提案した、画期的なものでした。

応援上映にハマっていった私と「先輩」はそれ以来毎週見に行くようになっていました。

大学1年の夏休みすべてを使い「ラブライブ!」に没頭していく日々でした。これが「先輩」と私が急速に仲を深めていきました。

ーー

それ以来、何をするにも「先輩」と過ごし、「新しいことに挑戦し続ける」目標を立てた私を「先輩」は新しいところに連れていってくれました。

3.卒業

2年間の楽しかった日々を過ごし「先輩」が卒業してしまいました。

今まで「先輩」に引っ張ってもらっていた「新しいことへの挑戦」を自分からやっていかなければならなくなりました。

私はオタク趣味とは違った趣味を持つためにダーツを始めてみたり、オタクとしか付き合って来なかった自分は見識が狭いと思い、すっかりやらなくなっていたスロットを再開して話題作りにしてみたりと、自分から飛び込んでやってみることにしました。

4.再会

「先輩」が大学を卒業した後も月に一回くらいの頻度では会ってはいました。

ところがその頃の自分は家庭環境や友人関係が悪化し、遊びで始めたスロットにすっかりのめり込んでいました。

大学も残り2単位で卒業を逃し、大学院を目指し法律家を目指す夢も遠のき、アルバイトとスロットで生計を立て何のために生きているか分からない日々を送る中、「先輩」に「うちでアルバイトをしないか」と声をかけていただきました。

私はここでまた、「先輩」に救われました。

当初はアルバイトとして作業を行っていたのですが時期を同じくして内定者が入ってきました。ご厚意もあり、内定者と同じような業務にも関わるようになり、じきに内定者課題を一緒にやると言う話を頂きました。

これが私が今、このnoteに投稿している経緯でもあります。

詳しいことは私の自己紹介で書かれているので見て頂ければ幸いです。


5.これから

いま、私は尊敬する「先輩」の職場で働くため、方法を模索している状態です。

これからの私は今まで頼りきっていた「大学の先輩」から自立し、「大学の先輩」の「後輩」としての私ではなく、仕事をするにあたって、ひとりの私として生きていかなければいけません。

それでもきっと、私にとって一生「先輩」は私の憧れで、これからもずっと追いかけていきたいのです。


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