詩/パレェド

月満つる
硝子の砂浜、墨染めて
踊り巡れや、樟脳の肢体
ランタンレコオド蓄音機
ヒリヒリジリジリキリキリと
張子の心臓、螺子が無ければ尽き果てる
私は、所詮紛い物
成れぬ滑らか柔肌の君
人様には所詮慣れずとも
真似事ままごとの、只只、死体に過ぎぬのです
ゆめゆめ描く試験管
全知全能、夢あられ
神になりたい不完全者
金平糖には甘い毒
ぐるぐる掻き混ぜ、召し上がれ
吐き嘘、孤独、虚言、妄想
あらあら、厭だ、そこ行く娘
どれほど孔雀、ルビィで飾り付けたとて
ぷんぷん、腐り子宮が匂っておいでよ
あらあら、厭だ、底なる男
どれほど甘言、葡萄酒で酔わせたとて
噴飯、いきり立つソレは使い物にならないの
結局、全て紛い物
知性、感性、はたまた理性
至高の思考、嗜好品
売り物買い物、生ある以上欲は尽きず
グラスに注ぐは、ただの吐瀉物
真実なんて蜃気楼
儘、蜘蛛糸手繰り、独り歩き
寂れた都会の水銀燈
暖炉に蝋燭
炎が燃える
赤子も、大人も、老人も
これにて、紙縒り、首吊り、総じてお終い

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