白山葵(しらやまあおい)と申します。役者/声優 、パーソナリティ、ライブ活動、脚本執筆、ボイスドラマ制作etc… などをしております。 御陵一座に所属。 この他にも愛蘭珈琲やメロウコートなどのユニットでも活躍中です。 このnoteには白山の書いたSSや、脚本などを置いていこうと思います。 リクエストなどにもお応え致しますので気軽にコメントを下さいませ。 どうぞよろしくお願いいたします♪
ひとりぼっち。 あめがつめたくてかなしくて。 ないてみたって、あまおとにながれてとどかない。 一人ぼっち。 雨が寂しくて悲しくて。 空が泣いている以上、泣くことすら出来やしない。 ひとりぼっち。 あめはやんだけどかなしくて。 ないてみたって、かぜにながれてとどかない。 一人ぼっち。 雨は止んだけど悲しくて。 大人になった以上、やっぱり泣くことが出来やしない。 ぽたり。 あたまにおちたしずく。 おどろいて、そらをみあげた。 ぽたり。 頭に落ちた空の忘れ物。 驚いて、顔
月満つる 硝子の砂浜、墨染めて 踊り巡れや、樟脳の肢体 ランタンレコオド蓄音機 ヒリヒリジリジリキリキリと 張子の心臓、螺子が無ければ尽き果てる 私は、所詮紛い物 成れぬ滑らか柔肌の君 人様には所詮慣れずとも 真似事ままごとの、只只、死体に過ぎぬのです ゆめゆめ描く試験管 全知全能、夢あられ 神になりたい不完全者 金平糖には甘い毒 ぐるぐる掻き混ぜ、召し上がれ 吐き嘘、孤独、虚言、妄想 あらあら、厭だ、そこ行く娘 どれほど孔雀、ルビィで飾り付けたとて ぷんぷん、腐り子宮が匂っ
Dear my teacher 久しく会えていませんね それでも相変わらずな私を きっと貴方は叱ってくれるでしょう 声を出さずに泣きなさい そう言われた日々から離れた今でも 私は貴方を思い出します Dear my teacher それでも今だけは声を上げて泣いていいですか 遠い遠い貴方に、今は縋っても良いですか もう一度、抱きしめて欲しいと願う そんな私でごめんなさい Dear my teacher お元気ですか それでも相変わらずな私は きっと貴方に笑われるでしょう 現実
言葉のチカラ。 私は信じている。 日常、特別、良い、悪い。 全部ひっくるめて言葉にはチカラが有る。 色にも、花にも、星にも、宝石にも。 ましてやお酒にだって言葉は宿っている。 どこにだってチカラが宿っている。 もうすぐクリスマス。 何かしらのプレゼントを用意している人も多いはず。 そんなプレゼントの中にはたくさんのキモチを詰め込んでいるのでしょう。 だから。 自分のために、誰かのために。 言葉を持つモノに想いを託してみるのも良いかもしれない。 けれど。 時には密かに悪
ーぽこぽこぽこ 心地の良い音が聴こえなくなった。 ゆっくりと景色が揺らいでいく。 瞼が。 眉間が。 胸の奥が。 私、そのものが。 もう、息が、出来ない。 暖かくて、冷たくて、懐かしくて、全く知らない。 指先が消えていく。 溶けていく。 沈んでいく。 きっと、これでいい。 何も変わらない。 変えようとしなかった。 何だったっけ。 昔、こんな、話を、聞いたような。 ーぼこん あ、そうか、思い出した。 大きな泡が空に還っていく。 そして、それが、私の最期の記憶になった。 ジ
四角い箱。 転がる人形。 私はコレと変わらない。 違うものを人は嫌う。 だから、違ったものにしかなれない私は異端者で。 人になり損なった、ただの人形。 言葉を捨てた。 心を殺した。 せめて誰かが求める姿を、演じるのが役目。 どこへ行っても。 やっぱり、四角い箱にしか思えない。 同じ色を見て。 同じ音を聞いて。 同じものを触って。 作って、創って。 錯覚すらも本物にすり替えた。 そうしなきゃ、生きてはいけない。 その箱の中には私はいない 誰が分かってくれるだろう。 私自身
作・愛蘭珈琲 -sai-非単独イベント『反世界より』演目用 【登場人物】 オルゴール弾きの男 【解説】 箱:オルゴールが仕込まれた箱。箱は世界を閉じ込めるための入れ物であり、そして閉じ込める魂が多いほど素晴らしい旋律を奏でるとされている。 白薔薇:罪の果実である林檎の香料が仕込まれた薔薇。花言葉は『私はあなたにふさわしい』。味は梅干しのような強い酸味がある。 《メモ》
※観客が客席に着座している。中央の椅子だけが空席になっている。 SE けたたましい警報音 ※音が鳴り止む頃、客席後ろより男が呼びかける 男 おーい!B29が来たぞ!みんな早く逃げろー! ※しばらく何度も繰り返すように男は叫ぶ 男 ねえねえ、どうして逃げないの?逃げないと死んじゃうよ?…その顔、信じてないって顔だなあ。今さらB29なんて来ないと思ってる?そんなのわからないよ。戦争なんていつ何時始まるかわからないんだし。ほら、こうしてる合間にも! ※男
巡る季節、それを感じられる幸せ。 冬のきんとした匂い。 春の切なく甘い風。 夏の肌を焼く日差し。 秋のざわめく音。 日々触れるもの全てが好き。 それは私が生きているのだと気づかせてくれるものだから。 中でも夕暮れ時の、空に色が落ちてゆく瞬間が。 泣けるほどに、痛いほどに切なくて。 青が茜に染まり、溶けて薄紫へと。 白い太陽が柔らかな橙を帯びていく夕焼けの景色が大好きだ。 今思えば。 あれは夕陽が見せた幻だったのかもしれない。 もしくは夢だったのかもしれない。 それでも今
いろ-ごと【色事】 1. 男女間の恋愛や情事 2. 芝居で、男女間の情事の仕草 3. 情人、愛人。いろ 君の目が俺だけを写してる。 陰る太陽、開け放たれたカーテン、窓から差し込む緋色。 白い肌が、赤く、染められて。 ほら、とても、綺麗。 足を絡ませて、ナいて、喘いで、俺を昂らせて。 そんなんじゃ、全然、そそらない。 腕の中で跳ねて暴れて声を上げて果ててみな。 ぐちゃぐちゃのナカかき混ぜて、エキ撒き散らして。 指も俺も締めつけて派手にイッてごらんよ。 上擦る息はどちらのもの