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春ピリカグランプリ

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2023年・春ピリカグランプリ、記事収納マガジンです。
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2023年5月の記事一覧

ピリカグランプリ、みんなも参加してください!

掌篇小説『愛の造型(モデリング)』

マンションで昨夕、ガスか薬品か知れぬ煙と臭いが充満し、非常ベルが鳴り住民が避難する騒ぎとなった。 年寄りたちがエレベーターを占拠していたから、私は部屋に夫はいないに決っているがいちおう確かめたのち独り、ハンカチで鼻をおさえ階段をおりた。甘すぎる菓子にも錆びた鉄にも、ガソリンに薄荷をまぜたようにも感じる、ひんやり白い空気の渦を。 道中、みじかい髪の女性が担架ではこばれゆくのを視た。その辺りで臭いが濃密だったので、発生現場の住人と思った。私と似た年頃か、蒼い顔をして眼をふせ。

今週末6月3日はいよいよ春ピリカグランプリの結果発表です♪ 午前10時ごろ、さわきゆりさんよりすまスパ賞、 午後3時ごろ、ピリカさんより個人賞が発表になります。 ドキドキです✨ ところで、夜10時前のイギリス、こんなに明るいんですよ。 寝るけど明るいぜ、みたいな感じです。

【春ピリカグランプリ👑発表予定】 6月3日(土)10時頃 さわきゆりさんより「すまスパ賞」9作品 6月3日(土)15時頃 ピリカさんより「個人賞」9作品 その後 いぬいゆうたさんによる「朗読」全18作品、閲覧解禁 詳しくは 👇 https://note.com/saori0717/n/nfa0a7d403808

6月3日の発表形式について

6月3日10時頃 さわきゆりさんの記事よりすまスパ賞 15時頃ピリカの記事より個人賞 その後、いぬいゆうたさんによる朗読閲覧解禁♪ ワクワクがとまらん!

【掌編小説】夢のサーカス#春のゆびまつり2023

(読了目安3分/約2,400字+α)  お皿が割れる音がした。わたしは思わず肩をすくめる。  お皿が割れる音よりもずっと大きな、ママの甲高い声。それを覆い潰すようなパパの低くて怖い声。  両手の手のひらで耳を抑え、ベッドに座り、目をつむった。閉じたまぶたに、一階のダイニングでパパとママがけんかしている様子が浮かぶ。  ママとの夕食の時に使っていた、わたしのお気に入りのハート形のお皿。ママがパパに向かって、あの皿を投げつける光景が思い浮かぶ。酔っぱらって帰ってきたパパが

春ピリカグランプリ、6月3日にいよいよ受賞作発表になります。 いま、各審査員の講評をとりまとめ、記事にしているところです。今回の講評も力はいってます! 副賞の朗読も、すごいです。 記事の発表については、また後日お伝えしますね! 3日の発表は、このバナーが目印です。

【掌編小説】コンビニの夜#春のゆびまつり2023

※自然災害がモチーフとなっております。苦手な人はご注意ください。 (読了目安4分/約3,100字+α)  どうしてこんなことになったのだろう。私が何をしたの。  唯一動かせる左腕で、泥まみれの髪の毛を顔から剥がした。口元に空間を確保したため、首をねじれば何とか呼吸ができる。だが、右腕はおろか体も両足も完全に土砂に埋もれている。ケガをしているかどうかはもう分からない、冷たすぎて右腕以外の感覚が無い。  この街へ転勤になり、今のアパートに決めた理由は、このコンビニが決め手

【春ピリカグランプリ】 応募〆切後、一週間が経ちました。 審査の方は、順調に大混戦で(笑)すすんでおります😊 そして、一人として被ることのない個性豊かな審査員の講評もまた、ピリカグランプリの目玉のひとつです。 真剣な講評も、ぜひお楽しみに! 発表は、6月3日の予定です。

【掌編小説】ある朝突然、世界は終わる#春のゆびまつり2023

(読了目安3分/約1,650字+α)  私は夢を見ていた。  よく晴れた夏の海、いかだ型の浮き輪の上で大の字になっている。いかだが波に乗り、沖から遠く流されていくのはわかっていた。日の光は燦々と降り注ぎ肌を焼く。仰向けに寝転がる私の背中はじっとりと汗をかく。  このまま流されればどこへたどり着くのだろうと思いながら、涼を得ようと海面へ指先を伸ばし、そこで目が覚めた。  体は汗をかき布団までジメジメして若干生臭い。タイマー設定していたエアコンも動いていない。手元にあった

真剣に審査中、あるいはスタバで読めない理由

ちょっとハルキ的なタイトルにしてみました(そうでもない?) 春ピリカご参加ありがとう!

短編小説|祖母の小指

 母の実家にある大きな和箪笥が、私は大好きでした。祖母が生まれた時からすでにあったという、とても年季の入ったそれ。幼い頃の私は遊びに行くたび、まるで祖母の顔に刻まれた皴のように深く、色濃い木目を指でなぞり、意味もなく引き出しを開け閉めして遊んでいました。  一番真ん中の引き出しに入っていたのは、何本もの祖母の小指。開け閉めするたびにころころと転がる様が楽しくて、私は夢中になりました。ある日、引き出しに小指がたくさん入っている理由を祖母に尋ねると、煩わしいから包丁で切り落とす

小説書けた!

スランプでしたが久々に小説が書けました。 企画に参加して、与えられたお題に沿って書くというのが強力な補助輪になってくれました。 スランプを経て書いてみて、感じたことがあります。 よいものを書きたいあまり、あれこれ画策しているせいで書けない。 そういう行き詰り方。 解決策は単純で、とにかく書き始めてしまえば書ける。 小銭入れに入るくらいのアイデアさえあれば十分。 それこそ小さなアイデア一個だけでも書き始められるものですね。 より面白い小説にするために必要なアイデアや工夫

もしかして? いつの間にか春ピリカグランプリの全作品を読破していました。 面白かったなあ。