本×コミュニケーションで学びは広がる(本屋の未来はこれ?)
本といえば”(一人で)読むもの”、”(自分で)学ぶもの”と一人称で考えることが一般的だと思います。
普通そうですよね。二人で本を読むことはまずないし(小さい子供ならあるかもしれませんが)、本を読んでいるときは自分と対話しながら読むことがほとんどだと思います。
ただ、少し想い出してみてください。
同じ本を読んでいる人と出会ったとき、一気に距離が縮まって、話が盛り上がったりしませんか?
自分の本を貸して、その感想を聞いたとき、共感したり、感じ方が違ったりする部分があったりして、「なるほどね!」なんて感心したりしたことがありませんか?
私もこの体験があるんですよね。
本という共通のコンテンツが懸け橋になって、お互いを理解するのに役立つ、みたいなことが、起こっているんだと思います。
そう考えると実は、本が起点になるコミュニケーションって、人と人をつなぐことにすごくいい作用をしているのではないかと、いうことに気付いたりします。
単なる学びの枠組みを超えて、より深い関わりを生み出すポテンシャルを秘めている、とさえ思ったりします。
コンテンツは必ずしも本でなくてもよくて、映画でも、アニメでも、音楽でもなんでもいい作用をしてくれそうですが、とりわけ”学び(成長)”という観点にフォーカスすると、個人的には、本というコンテンツが最もフィット感があるような気がしています。
と、ここまで書いて、同じようなこと考えてる人はいるだろうな・・・なんて思いながら、ネットで検索すると、ありました。
”読書会”です。
このような可能性に気づいて(人の感想も聞いてみたい!という動機かもしれませんが)、一冊の本について語り会う場を作っているんですね(楽しそう!)
・・・と、ここでふと私が思ったのは、本屋やオンラインプラットフォーム上でこれをもっとやっていけばいいのでは、ということです。
ソーシャルリーディング、なんて言葉もすでにあるようで、読んだ本を共有しあうプラットフォームだとか。プラットフォーム上でつながった人同士が、自分が読んだ本や、おすすめする本を共有しあう仕組みのようです。
なるほど、これだと、嗜好が近い人が勧めてくれる本を読める=自分が関心が高そうな本を知ることができるし、つながりが増えれば、たくさんの本に出会えるってことができるんですね。
そうなると、もう少し枠を広げて、一冊の本に書かれている内容についての感想を言い合ったり、連想されることに話を広げたり、得た学びを生かし方を話してみたり、みたいなことをすると、視点の違いから得られることがたくさんあって、一冊の本から得られる学びがどんどん広がっていくような気がしますね。
以前、「自分を理解するためには、比較対象と相対化しないとわからない」ということを書きましたが、それにちょっと近い感覚。
本も自分だけとの対話でなく、比較となる対象をつくることで、より理解が深まるということは言えると思います。
こういったことを将来的には本屋が企画してどんどんやれば、「本を売る」という役割から「学びや体験を売る」みたいな役割の再定義が実現できて、本屋の未来の可能性が広がるような気がします。
切り口も、本について話す、だけでなく、どこで本を読むのが好きか、どういう気分の時にどういう本を読むのか、本棚のこだわりはあるか、本の材質は何が好きか、なーんてこともあれこれ話すと、本の読み方や選び方にも幅が広がって、結果的に、そこに行けば新たな学びを得られるというニーズにこたえられるプラットフォームができるような気がします。
すでにやっている人がいるのかも・・・なんてことも感じながら、本屋の未来の可能性について、勝手に期待が高まった今日この頃でした。
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