趣味に効率を求めてはいけないという話
仕事や勉強において、効率というのは非常に大事だと思う。
現代は、時間に追われる毎日を過ごしている人が多いからだ。
なるべく早く成果をあげる。効率的にこなしていく。
僕は、そんな考えをもっていた。
気づくと、趣味においてもそれを適用している自分がいた。
たとえば、読書。
早く読もう、早く読もうとして、たいして深く考えずに流し読みをすることが多くなった。
ビジネス書であれば、それでも問題はなかった。
しかし、僕が大好きなはずの小説でもそのスタンスで向き合うことが増えてしまった。その結果、小説から離れてしまった。
なぜなら、小説は「効率の良い」読書ができないからだ。
効率、時間の早さを求めるあまり、毎日がつまらないものになってしまった。趣味が一つ減ってしまった。
他には、ドラマや映画がそうだった。
早く観終わりたいという思いが先行し、セリフだけを追えていれば良いという考えになってしまった。僕は、常に5秒飛ばしや10秒飛ばしのボタンに指をセットしていた。
本来なら、じっくりと味わうべきの、映像作品特有の「間」。
それらをすべて「効率の悪いもの」とみなし、すっ飛ばすようになった。
僕はまた、趣味を失ったようだった。
そんなとき、僕は、江國香織さんの『つめたいよるに』という本に出会った。
以前、noteに書いた記事がこれだ。
ゆったりと過ごすという意識が、自然と戻ってきた。
なぜだか、僕はこの本を読んで、気分が軽くなった。
趣味を、ただただ楽しむ。「いまここ」に集中する。
効率、時間、他人の意見、いろいろな「雑音」など気にせず、楽しいこと、好きなことに没頭する。
そんな大切なことを失っていたんだと、この本が気づかせてくれた。
趣味に、効率を求めてはいけないと思う。
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