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立体音響×怪談ってめっちゃよさそうと思ったらやっぱりよかった話。「怖い感じ」まるごとパッケージした暗転怪談 “Blacked Out”

立体音響ホラーライブ配信 暗転怪談 “Blacked Out”というのが1月20日にありまして。これってもしかして神企画なんじゃないかと思ったら、本当によくて、こういうのもっと増えたらいいなぁと思った話を書きたいと思いました。

この企画をするのは、"ホラーサウンド" に焦点を当て日本的かつ現代的なアプローチで怪談語りや朗読作品を制作し世界中に発信していくことを目的としたホラー・クリエイティブ・レーベル「Kikizte

全く知らない方にとってはまずそのレーベルって何!?と思われるかもしれないのですが、まずこの暗転怪談の話からさせてください。

怪談ライブが立体音響になると体験がどう変わるんだろう?

最近怪談イベントに行ってみて思うことなのですが、怪談をオンラインできくのと、対面のライブできくのとでは、得られる体験の質が圧倒的に違う!ということ。

怪談は怪談師さんの話を耳できくものなので、オンラインでも成立はするし、それでもなおいいものはたくさんあるのです。
が、臨場感というか、対面で聞いたらもっといいんだろうなぁ(怖いんだろうなぁ)とやっぱり思ってしまうことがあります。

そこで、立体音響です。

立体音響的な音できくと、実際にその空間にいるのにより近い感覚で怪談をきくことができるんじゃないかっていうのは私もずっと思っていたんです。

私も難しいことはわからないのですがもう少し具体的にいうと…
リアル会場で怪談を聞く時は、その場所にあるたくさんのものに影響を受けて、空気を震わせながら、やっと耳に音が届きます。
スピーカーの置いてある位置によって音がきこえてくる方向も変わります。

一方、いわゆる通常の音声配信になると、その空間の「感じ」の解像度は下がり、ずいぶんちがう体験になります。(会場がざわざわしていた場合、音質がより良いオンラインのほうがいい、ということも全然あると思います)

そこで、立体音響を用いるどうなんだろう?ということなのですが。
どこから音が聞こえているかというのがよりリアルに近いものになるし、(収音方法にもよると思いますが)声だけでないその空間におけるいろんな音を拾ってくれるのでより臨場感を得やすくなるんじゃないか、と思っていたんです。

暗転怪談は、曰くつきらしい場所を真っ暗にして立体音響で(とってもいいマイクを使って)オンラインで怪談ライブを行うというお話だったので、実際にどんな体験になるんだろう?というのを楽しみにしていました。

なんなら、ちょっと怖い音とかきこえてこないかなぁなんて期待したりして笑。

たぶん使ってるのはこのマイク↑。

実際に視聴してみたら、何やら謎の音まで入っていてより“怖い感じ”に

改めて、怪談は、音、超大事!

当日は推奨されたとおり、部屋を暗くして、全画面にして、ヘッドホンをつけて視聴したのですが、やっぱり全然ちがう。

というか私、そういうサウンド好きなのに、これまでホラーゲーム実況とかあまりヘッドホンできいてこなかったんですけど、音、超大事!って改めて思いました。(音の演出が効果的なインディーホラーまとめnoteとか書きたくなりました)

出演していた怪談師のお一人であるホームタウンさん、イベントの趣旨にあわせて暗闇で不思議な音が聞こえるところから始まる怪談をお話されていたのですが、「ぅわっぅわっ」というその不思議な音の聴こえ方が本当に立体音響ならでは

怪談師さんってそもそも声がいいし、空間を見ながら声色や話すトピックスを検討されている様子も窺えるので、立体音響と相性が良いなぁとしみじみ思いました。

そして、扉がバタンと閉まる音、二人の足音や衣擦れの音、そういうのの全部がぐわんとまるでその場にいるみたいに響くのは純粋に面白い聴覚体験です。(私がそういう感覚がとても好き、という偏愛的な感覚もあるとは思うのですが)

暗転怪談、本当に真っ暗。笑

「この音何?」っていう不穏な音も

何か怖い音きこえないかなぁってずっと耳を澄ませていたので、その収穫もありました。

1番印象に残っているところを1つだけご紹介しますと……

後半の琴乎沙亜揶さんの不思議な能力をもつ女の子が出てくる怪談。
ヒトコワ的な要素もあって、最後に鳥肌が立つようなとっても好きな話だったのですが、ちょうど終盤の盛り上がってきて怖いタイミング(25分ごろ)で子どもの声らしき音がきこえてきました。

暗闇の中が実際にどういう環境なのかわからないので、外からたまたまきこえた音、あるいは何かが反響してそうきこえただけ、とかなのかもしれないですが、タイミングがタイミングなので、けっこうぞわっとします。

こういう体験ができるのも、立体音響ならでは、ではないでしょうか。

「これ、ホラー苦手な人はダメそう」

というのは、最近私が好きすぎて通っていたevalaさんの無響室での作品鑑賞に友達を連れて行ったときのコメントです。

evalaさんは、立体音響というか、もう別次元の空間における強烈な聴覚体験ができるサウンドインスタレーションを制作されているアーティストの方です。
※にわか知識でかいたサウンドインスタレーション体験記はこちら

私以外の人がいっても同じように楽しんでもらえるのか?と不安だったのですが、その友達は、「こんな体験、他でしたことない!海外でも人気になりそう」と大興奮。
「そうでしょうそうでしょう。うんうん。」と私もうれしくなっていました。

そして友人は続けて、
「でも、これ、ホラー苦手な人はダメそう」と言いました。

そういう観点はなかったなぁと新たな気付きでした。

言われてみれば、小さな部屋に閉じ込められて、自分の手も見えないような暗闇の中で、「脳に直接語り掛けています」みたいな勢いで不穏な音が響くので、ちょっと怖いのかもしれません。私は怖いよりも「恍惚」みたいな感情が勝ってしまうのですが。

この部屋に閉じ込められて、真っ暗になって、音が流れる

怪談ではないけれど、無響室での作品鑑賞もある種の暗転ホラーとは言えそうですし、むしろこの部屋でホラーっぽいサウンドインスタレーションを本気出して作ってくれたらすごく怖そう!とわくわくします。

話がそれましたが、何が言いたいかというと、暗闇できく立体音響を活用したサウンドはそれ自体がけっこう「怖い」という感情と結びつく可能性がある、ということでした。

アーカイブ動画、手に入れる方法あるそうです

ここまで読んで暗転怪談をきいてみたくなった方に朗報です。チャンネルにアーカイブは残っていないのですが、Kikizteさんのカセットテープを購入するか2月24日のイベントに参加表明するとこの動画プレゼントされるそうです。

カセットテープとイベントの詳細はこちらから。売切れたり、イベントが終わったりしたら終了とは思いますが、、

ホラーなサウンドや怪談を専門に発信する、おそらく唯一無二のレーベルじゃないでしょうか。
立体音響もホラー的なものも興味津々な私は、その掛け合わせで今後も面白い体験が展開されていくのを楽しみに応援したいと思います。

そもそも怪談きくことに抵抗ある方、よかったら下記noteで怪談ライブにいって目からうろこが落ちた話も書いてますのでご参考くださいませ。

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