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もしもあの夜、キャンドルがなかったら...灯りと心の距離

20代の終わり
ハワイでホームステイをしていた時のこと

あまり英語が上手く話せない私は
毎日家族と食べる夕食の時間が少し苦痛でした。
大きな目で真っ直ぐ見つめられ、質問されると
ドギマギしてしまい、上手く話せない。

「人見知りのくせに、なんでホームステイなんかに
来てしまったんだろう」

と後悔しはじめていた6日目の日曜日

その日の夕食のメニューは
茹ですぎたミートスパゲッティでした。
ダイニングテーブルの椅子に坐ろうとしたら


突然、お母さんが
「今日は日曜日だからキャンドルディナーね」


と言って、電気を消し
キャンドルの灯りだけになったのです。
(宗教上の理由だったと思います。)


小さなキャンドルが数個だけだったので
部屋は本当に暗く、
パスタをこぼしてしまわないか心配になり
私はキャンドル近くのソファに座りました。
(この家は家族が多く、ダイニングやソファ
など自由なスタイルで食べていました)

みんなの表情もはっきり見えない中
なんだかゆったりリラックスできるな、
と感じていたら

長男のジェイクが突然

「1番最近見た映画は何ですか?」
と尋ねてきました。

ハワイに来る前の日、
はじめてのホームステイに
緊張していたせいで寝付けず、
TVの深夜放送で、たまたま見た映画、

「アミスタッド」だと答えました。
(南北戦争直前のアメリカを舞台に、黒人奴隷たちの
過酷な境遇をえがく歴史大作。)

「what⁉︎アミスタッド⁉︎
Mizuhoがアミスタッドを見たって⁉︎
日本人がそんな映画見るのか⁉︎」

と皆が驚き、こっちを見た(ように感じた)

けれど、キャンドルのせいで表情はよく見えない。
ただ彼が「what⁉︎」を繰り返すのがおかしくて、
私は笑いながらその映画をみた経緯を話しました。

そこから思いがけず、
この家族との
「映画好き」という共通点を見出して

その夜は遅くまで皆で
猿の惑星からリプリー、流行りの映画の感想
や好きな女優、俳優を言い合ったりして
最高に楽しい夜を過ごしました。

キャンドルの優しい灯りの中にいることで
知らず知らずのうちに
リラックスできていたのでしょう。
自分でも驚くほど
進んで会話を楽しむことができました。
これは間違いなく
キャンドルのおかげだと思っています。

そして
すっかり打ち解けて、仲良くなれた
翌日から帰国するまでの間も
「キャンドル」はたびたび登場しました。

私が「お風呂に浸かる」というと
当然のように「キャンドル」を
入浴剤や雑誌と一緒に差し出されたり、

離婚直後に出産し
実家に戻っていたジェシカが

毎晩遅くに、
リビングのキャンドルの灯りの下で
ミックスジュースにブランデーを入れた
謎のドリンクを飲みながら、
アリシア.キーズの曲を聴いていました。


「この時間が
私にもどる大事な時間、どんなに疲れていても
寝る前に、この時間だけは必要なの」


と彼女は教えてくれました。

あの時、ジェシカは色んな不安と戦い
一人で子供を守っていこうと、
必死だったのです。
疲れて、心も落ち込みがちな時でも
自分を癒す時間を持つことで
精神のバランスをたもっていたのでは
ないでしょうか。

当時の私はそんな彼女の苦悩も知らず
年の近い彼女が醸し出すメロウで大人な空気感に
対して、自分が未熟な子供のように感じられ
なぜか恥ずかしく感じたり、憧れを抱いたり
していました。

その後、彼女とはとても仲良くなり、
帰国してからも毎日のようにスカイプや
ハワイの電話カードを使って、お互いに電話
を掛け合うような仲になりました。

時差があるにも関わらず
時には5時間も話していたこともあるほど、

これもあのキャンドルナイトがあったおかげ。

それからキャンドルは
私にとって、とても特別なものになりました。

日本では食事の時にキャンドルをつける習慣は
ありませんが、キャンドルでなくても小さな
灯りを食卓に灯すだけでも雰囲気は変わります。

例えば
これは私のお気に入りの照明器具ですが

Ambientec TURN(アンビエンテック ターン)
ブラスターンプラス(ブラス)右

Ambientec HPより


このような小さな灯りプラスするだけでテーブルが
レストランのようになります。

最近は
ポータブルの小さな照明器具が
たくさん売っています。

お手頃な価格の物からデザイナーズまで
様々なので
お部屋の雰囲気やお好みに合わせたり
食事内容に合わせてみたり

自分好みのものを見つけて
食卓やリビングで使ってみると
いつもとは違う
楽しい食事の時間になるのではないでしょうか。

もちろんキャンドルもおすすめです。
やはり本物の炎のゆらぎは格別ですよね。

私は娘と食事をする時にも、
週末などゆっくり食べる時は
小さな照明の灯りか、キャンドルをつけます。
(たとえ、夕飯がチャーハンだったとしても)

入浴の時にはお風呂の照明はつけず
洗面からの灯りだけで
ゆっくり音楽を聴きながら入ったりもします。

このような日々の灯りとリラックス方法を
教えてくれた
あのホームステイには感謝でいっぱいです。

キャンドルやポータブルライトは災害時にも
役立ちますから、
お持ちでない方は1つ、購入を検討してみても
良いのではないでしょうか?

※キャンドルを使用される際は
くれぐれも消し忘れや周りに注意してくださいね。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
みなさんも
素敵な灯りライフを楽しんでくださいね。


参考までに上の照明器具のリンクを貼っておきます。

#暮らし #ライフスタイル #シンプルライフ #エッセイ






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